「毎年車検が必要な車種があるって本当?」「車検と法定点検はどう違うの?」「10年や13年、車を所有しているけれど車検はどうなる?」など、車検に関してこのような疑問を持ったことはありませんか?
車検とは「自動車検査登録制度」の略で、車を所有する人に義務付けられた法律上の制度です。
車が安全基準を満たしているかを確認する重要な検査であり、車検に合格しなければ公道を走ることはできません。
この記事では、車種別の車検周期や料金、法定点検との違い、車検切れのリスクなどを解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
車検は何年ごとに受けるもの?

車を所有している方なら、車検には有効期限が定められており、数年ごとに受けることが義務付けられていることをご存知だと思います。
しかし、車検の周期は車種によって異なります。
まずは基本的な車検の周期について確認しましょう。
新車で購入した普通自動車の場合
自家用の軽自動車や小型自動車、普通自動車を新車で購入した場合、初回の車検は初年度登録から3年後に行います。
その後は2年ごとに車検を受ける必要があります。
貨物車の場合(軽自動車以外)
事業用・自家用に関わらず、軽自動車以外の貨物車は、毎年車検を受ける必要があります。
1ナンバーや4ナンバーの車両がこれに該当します。
ただし、車両総重量8t未満のものについては、新車の場合のみ、初回車検は2年後になります。
4ナンバーの軽自動車の貨物車の場合
4ナンバーの軽自動車の貨物車とは、軽トラが代表的です。
この場合、新車購入後の初回車検は2年後に行い、その後は2年ごとに車検を受けます。
普通自動車や軽自動車以外の貨物車と異なるので、注意が必要です。
中古車の場合
中古車の場合、普通自動車であれば新車で購入した時と同様に2年毎の車検となります。
ただし、新車登録日からカウントされるため、中古車を購入した時点から3年または2年ではないので注意が必要です。
車検の有効期限が残っている中古車を購入する場合は、次回の車検日を確認しておきましょう。
車検の有効期限が残っていない、いわゆる車検切れの車両を購入する場合は、購入時に車検を通す必要があります。その後、2年毎に車検を受けるようにしましょう。
毎年車検が必要な車種とは?

車種によっては、1年ごとに車検を受ける必要があるものがあります。
これらは主に商業利用される車両が対象です。
車種 | 詳細 |
---|---|
貨物自動車 | 車両総重量8t以上の車両は、初回検査から1年ごとに車検が必要 ※8t未満の場合、初回検査のみ2年後、それ以降は1年ごとの更新 |
タクシー | 初回検査から1年ごとに車検が必要。個人タクシーも同様 |
バス | 初回検査から1年ごとに車検が必要。 |
レンタカー | 初回検査は2年ごと、以降は1年ごとに車検が必要 ※車種によっては初回検査から1年のものもある |
大型特殊自動車 | クレーン車やショベルカーなど特殊な作業車両は、初回から1年ごとの車検が必要 |
このように、毎年車検が必要な車は、主に商業や業務で頻繁に使用される車両が多いです。
例えば個人タクシーも、タクシーに該当するため車検は1年ごとに受ける必要があります。
自分の車は毎年必要?車検期間の確認方法
車検の有効期限は、車検証か車検ステッカーで確認することができます。
車検証で確認する方法

車検証の「有効期間の満了する日」という項目に記載された年月日が、有効期限の最終日になります。
なお、2023年1月4日以降に車検を受けた車両は、従来の紙の車検証ではなく、「電子車検証」となっています。
従来の紙の車検証をお持ちの方が電子車検証に切り替わるのは、次回の車検時に新しい車検証が発行されるタイミングで、順次導入が進んでいく形になります。
電子車検証で有効期限を確認する場合は、汎用のICカードリーダーか、読み取り機能付きスマートフォンで読み取る必要があります。
車検ステッカーで確認する方法
車検ステッカーは、車のフロントガラスの中央上部・ルームミラーの裏側あたりに貼りつけられたシールのことで、車検の有効期限が記載されています。
ただし、2023年7月以降に車検を受けた車両は、ステッカーの貼り付け位置が変更になったため、運転者席側上部あたりに貼られています。

大きい数字は車両満了月、小さい数字は車両満了年が記載されています。
なお、車検の有効期限に関しては以下の記事で詳しく紹介しているので、参考にしてください。

10年以上経過した車は毎年車検が必要?

ここまで各車両における車検の有効期限についてみてきましたが、中には「10年以上経過すると車検が毎年必要になる」と認識している人もいます。
10年以上経過後の車検についてみていきましょう。
10年以上経過しても2年ごとの車検は変わらない
かつて、10年を経過した車は毎年車検を受ける必要がありました。
その名残で現在もなお10年経過した車は毎年車検が必要であると認識している人もいます。
しかし、自動車の製造技術が飛躍的に進歩し、安全性や耐久性が向上したため、1995年の法改正により、10年以上経過した車でも2年おきの車検となりました。
ただし自家用車以外の車両は1年おきの車検が必要
ただし、10年を超えても車検の間隔が2年のままなのは、自家用車(軽自動車・普通自動車・軽貨物車)に限られます。
自家用車以外の車両となる商用車は、車の利用頻度が高い傾向にあります。
そのため、安全性の観点から1年おきの車検が必要となっています。
毎年必要な「法定点検」と車検の違いとは?

次に、車検と混同されやすい「法定点検」について解説します。
法定点検は車の安全性を保つために重要な点検ですが、内容や目的がわかりにくいと感じる方も多いかもしれません。
この項目では、車検と法定点検の違いを簡単に整理してみました。
法定点検とは?
法定点検とは、道路運送車両法に基づき、車を安全に走らせるために義務付けられた点検です。
1年ごとの「12ヶ月点検」と2年ごとの「24ヶ月点検」があります。
法定点検を受けなくても罰則はありませんが、受けることで故障や事故を未然に防げます。
24ヶ月点検は車検と同時に行うため忘れることは少ないですが、12ヶ月点検は忘れてしまいがちなので、注意しましょう。
法定点検と車検の違い
車検は、公道を走るための最低基準を満たしているかを確認する検査です。
一方、法定点検は車の安全性と快適性を保つために、故障や不具合を未然に防ぐことを目的とした点検です。
どちらも車の安全を守るための重要な点検・整備となっているため、忘れずに行うことが大切です。
全国に300店舗以上展開するENEOSウイングでは、車検はもちろん、法定点検を実施しています。車の安全のことはENEOSウイングにお任せください。
車検切れに気が付かず運転していた場合の罰則

前項で解説した通り、法定点検を受けなかった場合の罰則はありませんが、車検切れに関しては事情が異なります。
車検が切れた車を所有しているだけでは、問題はありませんが、公道を走行すると以下の罰則が科されます。
- 6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
- 違反点数が6点加算される
- 30日間の免許停止処分
また、自賠責保険が切れている場合は、さらに厳しい罰則が科されます。
車検が切れた状態で運転すると、罰則やリスクが伴い、最悪の場合は事故やトラブルに繋がることもありますので、事前に車検の日程を確認し、早めに手続きを行いましょう。
万が一車検切れに気がついた場合は、以下のように対処しましょう。
- 仮ナンバーの取得:市役所で申請し、公道を走行可能にする
- レッカー利用:業者に依頼し、車を運搬してもらう

車検は有効期限のどれくらい前から受けることができる?
車検には有効期限が定められていますが、期限が切れる前ならいつでも受けることが可能です。
例えば、有効期限がまだ1ヶ月以上残っている場合でも車検を受けることができます。
ただし、期限前に受けた場合でも、次回の車検の有効期限は「前回の有効期限から2年後」となるため、早めに受けすぎると有効期限が短くなる点に注意しましょう。
そのため、車検の準備や見積もりは、有効期限の1か月前くらいから始めるのが一般的です。
車検にかかる費用

車検や法定点検の重要性について解説してきましたが、車検にはまとまった費用が必要です。
車検にかかる主な費用
車検の費用は、大きく分けて「法定費用」と「車検基本料」が必要になります。
法定費用とは、法的に支払いが義務付けられている費用の総称で、自動車重量税・自賠責保険料・印紙代が含まれます。
法定費用は、車種ごとに定められており、どこで車検を受けても同じ金額になります。
車検基本料は、車検を依頼する業者に対して支払う費用のことで、定期点検料・測定検査料・車検代行手数料・書類作成費用などが含まれています。
この金額は依頼先によって異なることがあるので、車検の費用総額を抑えたい場合は、事前に確認しておきましょう。
また、車検の基準に関わる箇所に不具合や劣化がみられる場合は、修理工賃や整備費用がかかります。部品交換が必要になった場合は、その部品代も別途発生することがあります。
車検を依頼できる主な業者と車検基本料相場
車検を依頼できる主な業者ごとの車検基本料としては、以下の金額が相場となっています。この費用に加えて、法定費用がかかります。
業者 | 料金相場 |
---|---|
ディーラー | 30,000円〜100,000円程度 |
車検専門店 | 20,000円〜70,000円程度 |
ガソリンスタンド | 15,000円〜70,000円程度 |
車検基本料は、ガソリンスタンドが比較的リーズナブルな傾向があります。
また、ガソリンスタンドは全国展開している店舗が多く、アクセスのしやすさが魅力です。さらに、給油やメンテナンスなど日常的な利用のついでに車検を依頼できる利便性もあります。
全国に300以上のガソリンスタンドを展開しているENEOSウイングでも車検を行っています。
以下記事では、ENEOSウイングの車検にかかる費用を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

13年経過で車検の負担が増えるのは本当?
13年目以降の車検は高くなる、という噂を聞いたことはありませんか?
前述した通り、自家用車の場合、車検は車の経過年数に関係なく2年ごとに車検を受ければ問題ありませんし、13年目以降、車検料金自体が上がるわけではありません。
しかし、13年を超えた車は、税金の負担が増えます。
具体的には、新車登録から13年が経過したガソリン車や軽自動車には「重課」が適用され、自動車税や軽自動車税が約15%増加します。
また、自動車重量税も13年目と18年目に段階的に増額されます。
これは、古い車の環境負荷を減らすために国が設けた制度で、年数が経過するにつれて自動車税や重量税が高くなります。
ただし、エコカー(電気自動車やハイブリッドカー)は重課の対象外です。
さらに、車の経年劣化により、部品の交換や修理が必要になるケースが増え、整備費用が高くなる傾向があります。
このため、税金や整備費用の増加により、13年目以降の車検費用が高くなると感じる方が多いのです。
アフターケアも充実、長く乗っている車の車検もENEOSウイングにおまかせ

全国にガソリンスタンドの店舗を展開しているENEOSウイングでは、車検サービスを取り扱っています。
車を安全に走行させるために必要な法定点検も受けられ、お客様が愛車に長く乗り続けられるよう、アフターケアも充実しています。
車検後も6ヶ月ごとの無料安全点検を実施し、しっかりとサポートします。
また、最新の設備とコンピューター診断機を導入し、迅速かつ正確な点検をおこなっています。
2024年10月からは、電子制御システムの診断に対応した「OBD車検」も導入予定です。
国家資格を持つ整備士が高品質な整備サービスを提供しますので、安心しておまかせください。
車検に関するよくある質問

最後に車検の期間についてよくある質問を回答と一緒にまとめました。
車検が毎年になるのはいつからですか?
かつては、新車登録から10年以上経過した車は、1年ごとに車検を受けなければならない規定がありました。
しかし、法改正によりこのルールは廃止されました。
現在の制度では、自家用乗用車の車検は、初回が新車登録から3年後、それ以降は2年ごとに実施されることが原則です。
このため、年式に関係なく統一されています。
軽自動車の車検を受ける頻度は?
軽自動車も普通自動車と同じ頻度で車検を受ける必要があります。初回の車検は初年度登録から3年後、その後は2年ごとです。
軽トラは毎年車検を受ける必要はありますか?
軽トラの初回車検は、新車購入から2年後におこないます。これは普通自動車とは異なるため、注意が必要です。
2回目以降は普通自動車と同様に、2年ごとに車検を受ける必要があります。
キャンピングカーの車検の頻度は?
キャンピングカーの車検には独自の基準があります。
キャンピングカーは一般的に「8ナンバー」に分類され、これは法律上「特種用途自動車」として扱われます。
この分類に該当する車両は、初回車検は2年後、その後も2年ごとに車検を受ける必要があります。
また、キャンピングカーを長く安全に使い続けるためには、法定12ヶ月点検や6ヶ月点検を定期的に受けることをおすすめします。
車検の費用を抑える方法はありますか?
事前に見積もりを取って比較検討するのが効果的です。
また、定期的にメンテナンスを行うことで、大きな故障を防ぎ整備費用を抑えることができるでしょう。
まとめ
この記事では、車検の頻度、重要性、法定点検との違い、そして車検切れのリスクについてなどを詳しく解説しました。
車検は、自動車検査登録制度に基づく法律上の義務であり、安全基準を満たすことが求められます。
新車で購入した普通自動車の場合、初回の車検は3年後に行い、その後は2年ごとに受ける必要があります。10年以上経過した車でも、2年ごとの車検で問題ありません。
なお、貨物車や特定の業務用車両は、毎年車検が必要です。
さらに、法定点検は車の安全性を保つために行うもので、12ヶ月点検や24ヶ月点検が義務付けられています。
車検だけではなく、法定点検も安全を維持するために非常に重要なので、忘れずに受けるようにしましょう。
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