車の傷をタッチペンで補修する方法とは?タッチペンの種類や選び方、注意点まで徹底解説

車のボディについた傷を補修できるアイテムとして代表的なものが、タッチペンです。

しかしタッチペンはすべての傷を補修できるわけではないうえに、数多くの種類から愛車に合ったものを選ぶ必要があります。

今回は車の傷をタッチペンで補修する方法に加え、タッチペンの種類・選び方・キレイに補修するための注意点などについて詳しく解説いたします。

目次

タッチペン補修の基本知識

まずはタッチペンを使った補修の基本的な知識として、タッチペンの特徴・種類・効果などについて解説いたします。

タッチペンとは?

車の補修における「タッチペン」とは塗料を塗布して傷を補修するタイプのアイテムで、その名の通りペンのような形状をしています。

本体に入っている塗料を細いペン先で塗り込むだけなので、慎重さが求められる細部の傷も手軽に補修することが可能です。

なお、タッチペンは「タッチアップペン」や「タッチペイント」と呼ばれることもあります。

タッチペンは錆や腐食を防ぐ効果もある

通常、車に使われている塗料はボディカラーの決め手となるだけではありません。

雨水・砂埃・泥など、外部から水分や汚れがボディ鋼板に接触することを防ぐ効果もあります。

これはタッチペンの塗料も例外ではなく、傷で塗装が剥がれた箇所に塗布すればある程度は水分や汚れが弾かれ錆・腐食を予防することができます。

タッチペンの種類や特徴

タッチペンには、大きく分けて「純正品」と「社外品」の2種類があります。

この2つはどのような特徴があるのか、それぞれ解説いたします。

純正品

トヨタ・日産・ホンダなど、メーカー自らが販売しているタイプのタッチペンです。

愛車のメーカーの純正品なら、ボディカラーともマッチしやすく信頼性が高いと言えます。

ただし純正品は比較的高額なこと、ディーラーで注文しなければならず手元へ届くまでに時間がかかる点はデメリットです。

社外品

社外品は、カー用品メーカーが製造・販売しているタイプのタッチペンです。

ボディカラーとの相性に注意が必要ですが、純正品よりも安価かつ購入可能な場所が多いため気軽に入手することができます。

急いで補修したい方、コストパフォーマンス重視で補修したい方には社外品がおすすめです。

タッチペン補修の効果と持続期間

タッチペンの主な効果は、塗装が剥がれた箇所を塗料で塞ぐことで錆・腐食を防止します。

その効果が続く期間は明確に決まってはいませんが、傷の上から塗料を塗布しているだけに過ぎないため、下地処理のやり方や車の使用環境によっては短期間で剥がれる可能性があります。

タッチペンで補修できる傷の種類

タッチペンを使った補修に向いている傷は、ごく小さな範囲の擦り傷・線傷・塗装剥がれです。

細いペン先で塗料を塗布するという性質上、広範囲の傷補修には向いていません。

ただし、範囲が小さくても塗装の下地に届くほど深くえぐれたような傷は注意が必要です。

深い傷の補修は丁寧な下地処理が必要となり、作業の難易度が上がるため失敗しやすくなります。

飛石による傷はタッチペンで補修できる?

飛び石による傷も、タッチペンで補修が可能です。

ただし先述したように、深い傷がついた場合は無理にタッチペンで補修せず業者への相談をおすすめします。

目安として、「爪で撫でたときに引っかかる状態はタッチペンで補修できない」と覚えておきましょう。

タッチペン補修のメリット・デメリット

タッチペンを使った補修には、メリット・デメリットが等しく存在します。

具体的なメリット・デメリットを把握しておき、タッチペン補修は自分に適した手段かどうかを判断しましょう。

メリット

タッチペン補修のメリットは、以下の通りです。

手軽に車の傷を補修できる

タッチペン最大のメリットは、安価かつ簡単に車の傷を補修できることです。

傷消しアイテムとしては、他にもパテやスプレーなどがあります。

しかしパテは扱いが難しく、スプレーはいきなり広範囲に塗料を塗布してしまうためボディカラーとマッチしないと見た目が悪化することが懸念点です。

その点、タッチペンは塗布する範囲が小さいため目立たない場所で試しやすく、扱いも比較的簡単なためDIY補修初心者でも気軽に使うことができます。

車の傷を補修するコストが安い

例えばタッチペンで補修可能な10cm以内の小さな線傷を業者に直してもらう場合、価格が比較的安いガソリンスタンドやカー用品店でも10,000円~30,000円程度の修理代がかかります。

一方でタッチペンは純正品なら3,000円程度、社外品なら500円程度で販売されています。

タッチペン補修は他にも必要な道具があるとはいえ、トータルでも業者に依頼した場合よりコストが安くなる場合がほとんどです。

時間を節約

業者に傷を直してもらう場合、まず依頼先選びから始めて見積もりを取って依頼し、作業完了を待つというのが基本的な流れです。

小さな傷修理なら1日で済むことも多いですが、繁忙期のタイミングと重なると順番待ちが発生し、愛車が手元にない期間が数日ほど続く可能性もあります。

一方でタッチペン補修は依頼先選びや店舗へ足を運ぶ必要がないため、その分時間と手間を省くことができます。

デメリット

メリットが大きいように思えるタッチペン補修ですが、以下のようなデメリットも潜んでいるため注意が必要です。

補修した部分が目立つことがある

タッチペン補修にはコツがあり、場合によっては仕上がりが悪くなり補修箇所が目立ってしまいます。

塗布する際に少し手元が狂ったり、マスキングを怠ったりなど小さなミスで外観に大きな影響が出るリスクを伴うのです。

元通りに近い状態となるまで補修するのであれば、タッチペン補修ではなく業者への依頼をおすすめします。

補修した部分が剥がれやすい

タッチペン補修は正しい手順で作業をしないと、塗布した塗料がすぐに剥がれてしまいます。

再び塗料を塗布して対処することはできますが、頻繁に剥がれるようであればその都度塗り直す手間が増えて煩わしい思いをする結果となります。

下地処理から仕上げまで念入りに、なおかつ専門的な設備も用いて修理を行う業者であれば、このようなトラブルはほとんど起こりません。

補修した部分が変色することがある

車の製造過程において、塗装はただ塗料を全面に塗布しているわけではありません。

乾燥に加えて色合いや防錆効果を長持ちさせるため、「焼付塗装」という加工を行っています。

特殊な乾燥炉が必要となるため、当然ながらタッチペン補修では仕上げに焼付塗装を行うことはできません。

これにより塗料の発色が保たれず、時間の経過とともに変色する場合があります。

タッチペンの選び方

タッチペン補修の失敗リスクを下げるには、愛車に最適なタッチペンを選ぶことが大切です。

タッチペンを購入する際は、以下のポイントに注目しながら選びましょう。

車の外装色コードと同じ色を選ぶ

車の塗装は、ブラック・ホワイト・レッド・ブルー・シルバーなど大まかな色の違いを除きどれも同様に見える方は多いことでしょう。

しかしよく見ると、同じ種類の色でもソリッド・メタリック・パールなど車種によって異なる加工が施されており、微妙に色調が異なります。

そのためタッチペンを選ぶときは、見た目で判断せず愛車の「外装色コード」に一致しているかどうかを確認しましょう。

外装色コードの確認方法

外装色コードは、通常エンジンルームや運転席側のドア付近、運転席側のピラー部などにある「型式プレート」に記載されています。

表記形式は2~7桁の英数字が組み合わさっており、この情報を元にタッチペンを選ぶことで色味の近い製品を入手することができます。

傷の大きさや深さに合わせて選ぶ

先にも述べた通り、タッチペンは小さな範囲の傷補修に適したアイテムです。

しかし、製品によってペン先の大きさがやや異なります。

ドアの隙間など非常に狭い箇所についた傷や細かな傷にはペン先が細いもの、比較的幅のある小傷には太めの刷毛がついたものを選ぶようにしましょう。

傷のサイズに合ったタッチペンを使うことで、ムラが起こりにくくキレイに仕上がります。

タッチペンによる補修で必要な道具

タッチペンを使った補修には、以下のような道具が必要になります。

  • タッチペン
  • コンパウンド
  • 耐水ペーパー
  • シリコンオフ
  • マスキングテープ
  • ワックス
  • 布巾
  • 洗車道具

上記はカー用品店・ホームセンター・ネット通販などで販売されています。

なお、コンパウンドは粒子の粗さが異なる製品がセットになったものが便利です。

スポンジが付属していない場合は、コンパウンドを使うためのスポンジも別途用意しましょう。

タッチペンによる補修の手順・塗り方

必要な道具を揃えたら、以下の手順で補修を行いましょう。

STEP
傷の周囲を洗って汚れを落とす
STEP
水気をよく拭き取る
STEP
コンパウンドで傷を研磨する
STEP
表面が滑らかになったら耐水ペーパーでさらに研磨する
STEP
シリコンオフを吹き付けて油分を落とす
STEP
傷の周囲路マスキングテープで保護する
STEP
タッチペンで傷に塗料を塗布する
STEP
20~30分程度乾燥させる
STEP
7~8を数回繰り返す
STEP
1週間程度乾燥させる
STEP
塗料の盛り上がりに合わせてマスキングテープを重ねて貼る
STEP
耐水ペーパーで塗料の盛り上がりを削る
STEP
マスキングテープを剥がして極細目のコンパウンドで表面を磨く
STEP
ワックスで艶を出して作業完了

タッチペン補修で失敗した場合、やり直しはできる?

塗りムラができたり塗料が傷以外の場所に付着したりと、補修に失敗するケースも少なくありません。

万が一失敗したら、有機溶剤や専用のうすめ液を使ってやり直すことができます。

ただし有機溶剤やうすめ液にはシンナーが使われており、使い方を誤ると健康状態に影響が及ぶため必ず換気をしましょう。

以下の記事では、タッチペン補修でよくある失敗例ややり直し方の詳細、タッチペン補修で失敗しないポイントなども解説しています。

タッチペンでの補修は「傷をきれいに直す」ことはできない

タッチペンは手軽に車の傷を補修できる便利なアイテムですが、あくまでも「上から塗料を重ねて目立たなくさせる」「ある程度は錆・腐食を防ぐ」という効果しかありません。

つまりタッチペン補修は本格的な修理ではなく、応急処置的なケアに過ぎない手段です。

また、高い技術力を持ち豊富な設備も駆使する業者による修理と、一般の方が市販のアイテムを用いて行う修理とでは、どうしても仕上がりの良さに差が生じます。

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タッチペン補修に関するよくある質問

最後に、タッチペン補修に関してよくある質問を回答と一緒にまとめました。

車のタッチペンが手についたときはどうしたらいいですか?

タッチペンの塗料が手についたら、ぬるま湯で石鹸を良く泡立ててから汚れに馴染ませましょう。

なじんできたらブラシや爪などで擦ると、塗料を落とすことができます。

その後は肌荒れを予防するため、クリームなどを塗って肌を保護しましょう。

タッチペンで塗装したら乾くまでどのくらいかかりますか?

タッチペンの塗料は、表面だけなら20~30分程度で乾きます。

内部まで完全に乾燥させるには、1週間前後の期間が必要です。

ただし季節によって具体的な乾燥時間は変わり、高温な環境なら短く、低温な環境なら長くなります。

タッチペンの重ね塗りは何回くらいできますか?

タッチペンの重ね塗りは、状態に合わせて3~5回程度の重ね塗りをしましょう。

このとき、1回ごとにたっぷりの塗料を塗布することをおすすめします。

塗料は乾燥すると縮むため、多めに塗り重ねないと補修箇所がへこんでしまいます。

まとめ

タッチアップペンなどの呼び方もあるタッチペンは、ごく小さな傷や細かい傷の補修に適した車の修理アイテムです。

タッチペンで補修する際は、色や大きさなどに注意しながら愛車に合ったものを選びましょう。

また、タッチペンだけでなくコンパウンドやシリコンオフなどのアイテムも必要になるため、本記事でご紹介した道具や手順を参考にしてみてください。

ただしタッチペン補修は失敗のリスクがあり、思ったような仕上がりとならない可能性も十分に考えられます。

完璧な仕上がりで傷を直したいとお考えの方は、ENEOSウイングの傷修理サービスの利用をご検討ください。

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この記事を書いた人

ENEOSウイング編集部です。コラムで車に関するお役立ち情報をお届けしています。

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