スタッドレスタイヤの空気圧(エアー圧)は?適正値や調整方法、注意点を解説

冬の道路は積雪や凍結により滑りやすくなっているため、通常時よりもタイヤのグリップ力が求められます。

そのため、スタッドレスタイヤを装着する際には、タイヤそのものの性能だけでなく、空気圧(エアー圧)の管理も極めて重要です。

空気圧が適正でないと本来の性能を発揮できず、安全性や燃費にも悪影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、スタッドレスタイヤの空気圧について、適正値の確認方法から調整のポイント、さらには注意すべきリスクまで詳しく解説します。

目次

スタッドレスタイヤの空気圧(エアー圧)の適正値とは?

スタッドレスタイヤの適正空気圧は、ノーマルタイヤ(夏タイヤ)と同様に、車両ごとにメーカーが定めた「指定空気圧」に従うのが原則です。

タイヤの空気圧は、異常がなくても自然に少しずつ抜けていく性質があり、一般的には1ヵ月で10〜20kPa程度低下すると言われています。

さらに、冬場は気温の低下によって空気が収縮するため、外気温が10℃下がると空気圧も約10kPa下がるとも言われています。

このように、冬のスタッドレスタイヤは「自然な空気漏れ」と「気温低下による圧力低下」が重なり、空気圧不足に陥りやすい傾向があります。

そのため、冬場はタイヤの空気圧を指定空気圧よりも若干高めにしておくのが、安全に走行するためのポイントです。

オールシーズンタイヤや夏タイヤの空気圧については以下記事をご参考ください。

スタッドレスタイヤの空気圧(エアー圧)を確認する方法

スタッドレスタイヤの空気圧が適正かどうかを判断するには、車両に定められた基準値と、現在の実測値の両方を確認する必要があります。

以下では、その確認方法を紹介します。

車両の指定空気圧を確認する

まず、車両ごとの「指定空気圧」を確認しましょう。

これは自動車メーカーがその車種に対して定めた空気圧の推奨値で、前輪と後輪で同じ数値になっているのが一般的ですが、中には異なる場合もあります。特に輸入車にその傾向があるので、注意しましょう。

指定空気圧は、運転席のドア付近、もしくは給油口にある空気圧表示シールに記載されています(表示シールの位置は車両によって異なります)。

なお、タイヤの指定空気圧は車両の取扱説明書でも確認できます。

実際の空気圧を測定する方法

実際の空気圧を測るには、タイヤ用のエアゲージを使用します。

測定は、タイヤが冷えている状態で行うのが基本です。

走行直後はタイヤが熱を持ち空気圧が上がっているため、正確な数値が測定できないためです。できれば、走行後1時間以上経過した状態で測定しましょう。

最近では、ガソリンスタンドやカー用品店に無料で利用できるエアゲージが設置されていることも多く、気軽にチエックできます。

空気圧の測定時は、バルブキャップを外し、エアゲージをしっかりとバルブに押し当てて数値を読み取ります。

また、近年は各タイヤに取り付けたセンサーからの情報を車内のディスプレイでリアルタイムに確認できる「タイヤ空気圧監視システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)」を搭載した車両も増えています。

費用はかかりますが、手間を減らしたい方にはおすすめです。

空気圧(エアー圧)の調整方法とポイント

ここでは、実際の調整方法や頻度、調整可能な場所など、正しい管理のために知っておきたいポイントを詳しく解説します。

調整の手順

冷えた状態のタイヤで空気圧を確認したうえで、不足している場合は指定された空気圧まで補充します。

充填時には、バルブのキャップを外し、エアホースをしっかりと接続し、適正空気圧になるまで加圧します。

空気を入れすぎた場合は、エアゲージの空気抜きボタンを押して余分な空気を抜き、再度ゲージで確認しましょう。

この手順ですべてのタイヤの空気圧を調整してください。

調整の頻度

タイヤに異常がなくても空気圧は自然に低下していくため、月に1回は点検することをおすすめします。

特に気温の変化が大きい季節の変わり目や、長距離走行前には必ず確認しておきましょう。

空気圧調整を依頼できる場所

空気圧調整は、主に以下の場所で調整が可能です。

  • ガソリンスタンド
  • カー用品店
  • ディーラー
  • 整備工場

なおセルフではなく店舗で対応してくれる場合は、空気圧だけでなくトレッドの状態や偏摩耗の有無など、タイヤ全体のチェックも同時に行ってくれるケースがほとんどです。

スタッドレスタイヤの空気圧(エアー圧)で注意したいこと

スタッドレスタイヤの空気圧が適正でないと、安全性が大きく損なわれる可能性があります。

ここでは、特に意識しておきたいポイントを解説します。

インチアップ・インチダウンで適正値が変わる

タイヤをインチアップ・インチダウンするなどサイズを変更した場合、適正空気圧も変わります。

サイズが変わると、タイヤの構造や支えられる重量も変わるため、元の空気圧のままでは安全性が確保できない場合があります。

こうした場合に参考になるのが、タイヤメーカーが公開している「空気圧別負荷能力対応表」です。

変更後のタイヤサイズに合わせて、車両重量に見合った適切な空気圧を確認しましょう。

空気圧が高すぎるとグリップ低下や偏摩耗の原因に

スタッドレスタイヤの空気圧が高すぎると、タイヤの中央部分だけが接地しやすくなり、接地面積が減少します。

その結果、雪道や凍結路でのグリップ力が低下し、スリップのリスクが高まります。

また、中央部分だけが摩耗しやすくなる「偏摩耗」が起こりやすく、タイヤの寿命が縮む原因にもなります。

空気圧が低すぎると操縦不安定・燃費悪化・バーストのリスクも

空気圧が低すぎると、タイヤが大きくたわみ、ハンドル操作が不安定になりやすくなります。

また、タイヤにかかる負担が大きくなり、変形やバーストのリスクも高まります。

さらに、タイヤの転がり抵抗が大きくなることによる燃費性能の低下や乗り心地の悪化が考えられるため、注意が必要です。

保管時の空気圧(エアー圧)は下げておく

スタッドレスタイヤをホイールごと保管する場合は、空気圧をある程度下げておくとタイヤの劣化を防げます。

走行時に適した適正空気圧は、タイヤがしっかりと路面に接地できるようやや高めに設定されており、内部には常に圧力がかかっている状態です。

このままの状態で長期間保管すると、タイヤに余計な張力がかかり続け、ひび割れや変形の原因になるおそれがあります。

そのため、保管時には空気圧を適正値の半分程度に下げて、タイヤの負担を軽減しておくのが望ましいでしょう。

また、ホイール付きで保管する場合は、タイヤの特定の部分に負担がかからないよう、平置きにするのが基本です。

スタッドレスタイヤの空気圧(エアー圧)を適正に維持するための工夫

冬は特に重要!日常的な点検とメンテナンス

気温が10℃下がると、タイヤ内の空気圧は約7〜10kPa下がるといわれています。

冬場はこの影響で、知らないうちに適正値を下回ることもあるため、注意が必要です。

特に冬場は、週に1回程度の空気圧チェックが理想的です。

給油や洗車のタイミングで確認を習慣づければ、無理なく継続できます。

窒素ガスを充填して冬でも安定した空気圧を

冬の長距離運転や寒暖差の大きい地域では、空気圧を安定させる手段として「窒素ガスの充填」も選択肢のひとつです。

窒素は酸素よりもタイヤから抜けにくく、気温変化が大きい季節でも空気圧が比較的安定しやすいという特長があります。

また、窒素は水分をほとんど含まないため、内部の酸化やサビを防ぐ効果も期待できます。

ただし、窒素ガスの充填は通常の空気よりもコストがかかるうえ、日常走行レベルでは違いを体感しにくいこともあります。

あくまで空気圧管理を補助する手段のひとつと考え、日常的な点検やメンテナンスも忘れずに行いましょう。

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また、「時間がない」「雪予報が出ているので至急履き替えたい」といった場面でも、スピーディーな対応が可能です。

空気圧管理や交換など、スタッドレスタイヤに関してのお悩みはENEOSウイングにお任せください。

まとめ

スタッドレスタイヤの性能を最大限に引き出すには、適正な空気圧の維持が欠かせません。

気温の変化や使用状況に応じてこまめに点検・調整を行うことで、安全かつ快適な冬のドライブが実現できます。

ENEOSウイングは、お客様の快適なカーライフを全力でサポートいたします。

スタッドレスタイヤの維持管理や交換は、人によっては手間に感じることもあります。そうした作業はプロに任せて、いつでもコンディションを万全に整えておきましょう。

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この記事を書いた人

ENEOSウイング編集部です。コラムで車に関するお役立ち情報をお届けしています。

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