「車の塗装が剥がれてきた」「全体の色あせが気になる」「できれば自分で直したいけど難しそう…」そんな悩みをお持ちではありませんか?
車の塗装にかかる費用は、塗装範囲や塗料の種類によって大きく異なります。
この記事では、全塗装・部分塗装・DIYの費用相場や、プロに依頼するメリット・デメリットまで分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。
車の塗装方法は2種類!全塗装と部分塗装の違いを解説

車の塗装には、「全塗装(オールペイント)」と「部分塗装(スポット塗装)」の2種類があります。
どちらを選ぶかによって費用は大きく異なるため、まずはそれぞれの特徴を知っておくことが大切です。
全塗装とは?
全塗装とは、車のボディ全体に塗装を施す作業のことです。
主に、ボディカラーを一新したい時や、年数が古く全体的に塗装の劣化が生じている時などに行われます。
車全体の塗装をリフレッシュできるため見た目が大きく変わりますが、作業範囲が広いため費用は高額になりやすいのが特徴です。
部分塗装とは?
部分塗装とは、車の一部のパーツのみ塗装を施す作業のことです。
一部分だけ塗装が劣化しているときの補修として行われる他、傷・へこみができた際の板金修理と併せて行われることも多いです。
塗装の劣化度合いや損傷の範囲にもよりますが、作業範囲が狭いため、全塗装に比べて費用は比較的安く抑えられるのが特徴です。
車の塗装にかかる費用の目安は?

車の塗装にかかる費用は、「全体を塗るか」「一部だけ塗るか」で大きく変わります。
ここでは、全塗装と部分塗装それぞれの費用相場を見ていきましょう。
全塗装の費用目安
全塗装の相場は、20万円〜50万円前後です。
同じ全塗装でも、以下の要素によって費用は大きく変動します。
- 元の色と同じ色か、違う色に塗り替えるか
- 使用する塗料のグレード(ウレタン・アクリル・フッ素など)
- ドアやバンパーなどの細かなパーツを脱着するか
- ボンネットの裏やドア内側まで塗装するかどうか
【全塗装の費用目安】
作業内容 | 費用 |
---|---|
元の色と同色で塗装する場合 | 20万円~46万円程度 |
元の色から変えて塗装する場合 | 25万円~50万円程度 |
部分塗装の費用目安
部分塗装は、塗るパーツや面積によって価格が大きく異なります。
小さなパーツで1万円台、大きなパーツやルーフになると8万円近くかかることもあります。
【パーツ別・部分塗装の費用目安】
パーツ | 費用 |
---|---|
バンパー | 1万円~4万円程度 |
サイドドア | 1枚あたり2万円~4万円程度 |
ルーフ | 4万円~8万円程度 |
フェンダー | 1万円~4万円程度 |
また、同じパーツでも「全体を塗装するか」「一部のみを補修するか」によっても金額が異なります。
傷や色あせの範囲によって費用に差が出る点も押さえておきましょう。
塗装費用が変わるのはなぜ?知っておきたい3つの要因

車の塗装にかかる費用総額は、塗装の範囲だけでなく様々なポイントに影響を受けます。
ここでは、車の塗装費用に影響するポイントについて、より深堀りして解説いたします。
塗料の種類による違い
車の塗装によく使われる塗料は、大きく分けてソリッド・メタリック・パールの3通りがあります。
塗料の種類によって費用総額が変わります。
ソリッド塗装
ソリッド塗装とは、単色の塗料です。
ベースカラーの色味をダイレクトに表現できるため、鮮やかな印象を与えられます。
塗料そのものが低価格なことに加え、再塗装も比較的簡単なため、他の塗装よりも費用が安くなる傾向にあります。
メタリック塗装
メタリック塗装は、アルミの微粒子を配合して金属のような質感と光沢感を表現した塗料です。
太陽光や街灯の下では、光がキラキラと反射して高級感を演出することができるでしょう。
塗装にはテクニックが求められるため、ソリッド塗装よりも費用が高くなります。
パール塗装
パール塗装は、マイカ(雲母)という鉱物の微粒子を配合して真珠のような光沢感を表現した塗料です。
見る角度や光の当たり方で異なる色に見えるため、上品かつ特別感のあるボディに仕上がる点が魅力といえます。
パール塗装は光輝材の密度や塗料の厚みによって印象が変わるため、熟練の技術が必要です。
作業難易度の高さから、メタリック塗装と同様に費用が高くなる傾向にあります。
車種や塗装工程による作業の違い
塗装の面積が広い大きい車種ほど、塗装費用が高くなる傾向にあります。全塗装の場合で比較すると、車種によっては10万円前後の差が出るケースもあります。
また、塗装の際に行われる作業工程は車種や業者によって異なります。
パーツの脱着や下地処理など工数が増えると、その分費用も高くなる場合が多いです。
キズ・へこみ・劣化など車両の状態
キズやへこみ、塗装の劣化を補修する目的で塗装をする場合、車両の損傷度合いによって費用が変わってきます。
キズや劣化が広範囲に及んでいたり、へこみが深い場合は、板金作業や下地処理の工程が増え、作業の難易度も高くなります。
その分、必要な工数が多くなるため、費用が高くなりやすい傾向があります。
DIYで車の塗装はできる?メリットと注意点を解説

車の塗装は、業者へ依頼するのが一般的ですが、必要な道具を用意のうえ正しい作業手順を理解すればDIYで行うことも可能です。
特に、費用をできるだけ抑えたいという方にとっては、DIY塗装はひとつの選択肢となるでしょう。
ただし、車の塗装は単に古い塗装を剥がして新たに塗料を塗るだけではありません。
きれいに仕上げるためには、下地処理を含めた丁寧な準備作業が重要で、かなりの手間と時間がかかります。
そのため、手軽にできる作業とは言い切れない点には注意が必要です。
DIYで車を塗装するメリット・デメリット
DIY塗装は自分に適した手段なのかを判断するために、メリット・デメリットを理解しておきましょう。
メリット
DIYで車を塗装することの主なメリットは、塗装費用が安く済むことです。
業者に塗装を依頼すると工賃が発生し、その分費用総額が高くなります。
その一方で、DIY塗装なら必要なコストは道具代と塗料代のみなので、業者へ依頼するよりも低コストで済みます。
デメリット
DIY塗装における最大のデメリットは、作業の難易度が非常に高いことです。
車の塗装は、下地処理から仕上げまでの各工程で求められる技術レベルが高く、小さなミスでも仕上がりに大きく影響してしまうことがあります。
もし塗装に失敗しその後改めて業者に依頼することになれば、かえって費用がかさみ、当初より高額になるケースも少なくありません。
DIYで車を塗装する際の準備
メリットとデメリットを踏まえたうえで、「それでも自分でチャレンジしてみたい!」という方に向けて、ここからはDIY塗装に必要な準備について解説していきます。
車の塗装に必要な基本的な道具
道具名 | 用途・役割 |
---|---|
耐水ペーパー | 塗装前の下地処理や古い塗装の研磨に使用 |
マスキングテープ | 塗装しない部分を保護する |
新聞紙またはビニールシート | 塗装の飛び散りから車体や周囲を保護 |
シリコンオフ | 油分や汚れを取り除き塗料の密着性を高める |
プラサフ(プライマー・サフェイサー) | 下地を整える/塗装の密着を良くする/サビ防止 |
塗料 | 実際に車体へ塗るカラー素材 |
クリア | 塗装の保護とツヤ出しの仕上げ用 |
ぼかし剤 | 塗装の境目をなじませて自然な仕上がりにする |
(必要に応じて)マスク・ゴーグル | 塗料の吸入・飛散から身を守る |
手袋 | 手の汚れ防止や肌の保護 |
いずれも、カー用品店・ホームセンター・ネット通販などで購入することができます。
塗装方法の特徴やメリット・デメリット
車のDIY塗装には、スプレー缶・スプレーガン・刷毛など、いくつかの塗装方法があります。
それぞれの方法には特徴や向いている用途があり、仕上がりや作業のしやすさにも違いがあります。
塗装方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
スプレー缶 | DIYでは最も一般的。 カラースプレー+クリアを使用 | ・手軽に使える ・仕上がりが比較的きれい ・光沢感が出せる | ・塗料が飛散しやすい ・マスキング範囲が広くなる |
スプレーガン | 広範囲の塗装に適している。 塗料を噴射するためのコンプレッサー(空気を圧縮する装置)とセットで使用 | ・広範囲を効率よく塗装できる ・仕上がりがきれい | ・道具の準備が必要 ・初心者には扱いが難しい |
刷毛塗り | 塗料をバケツにいれ、刷毛で直接塗る | ・塗料の飛散が少ない ・マスキングの手間が少ない | ・ムラがでやすい ・マットな質感になりやすく、光沢を出しにくい |
DIY塗装に適した作業場所とは?
自宅の庭やガレージがおすすめです。
集合住宅の駐車場や近隣の住居に近い場所で塗装すると、他の人の車や住居の外壁に塗料が付着してしまう可能性があります。
また、屋外で作業する場合は、風による砂ぼこりや雨の影響を受けにくい場所を選びましょう。
塗装の基本構造と手順
車の塗装を正しく行うためには、塗装の基本的な構造も理解しておく必要があります。
以下より、車の塗装における基本構造と、スプレー缶を使った塗装の作業手順について解説いたします。
塗装の仕組み
車の塗装は以下の4層構造になっています。
①下地 | ボディ鋼板のサビを防ぐための下塗り塗装 |
---|---|
②中塗り | 塗装のカラーを引き立たせるための塗装 |
③上塗り | ボディカラーの決め手となる塗装 |
④クリア | ボディカラーに光沢感を与える塗装 |
車の塗装は100μm程度しかありませんが、その中に複数の塗装が重なっています。
塗装の1つ1つに重要な役割があるため、DIYにおいても下地からクリアに至るまで丁寧に行わなければなりません。
スプレー缶を使った塗装手順
DIY塗装の作業方法の例として、スプレー缶を使う場合の手順を解説いたします。
まずは車に付着した汚れを落とすために洗車をします。
洗車して水気を十分に拭き取ったら、塗料を付着させたくない部分をマスキングテープや新聞紙などで養生しましょう。
粗目の耐水ペーパーで塗装する箇所を磨いてから、プラサフを吹きつけましょう。研磨とプラサフの塗布により、塗料の密着性と色の乗りが向上します。
プラサフを吹きつけたら、細目の耐水ペーパーで表面をならします。
塗装したい箇所全体に、ぼかし剤スプレーを吹きつけます。まんべんなく、均一になるように意識して吹きつけましょう。
ぼかし剤を吹きつけた部分に、カラースプレーで塗装します。薄く均一に塗ることを意識し、3回程度に分けて重ね塗りしましょう。
カラー塗装の上に、クリアを吹きつけます。カラースプレーと同じく、薄く均一に数回ほど塗り重ねましょう。
仕上げに、もう一度ぼかし剤を吹きつけます。カラー塗装の上からぼかし剤を塗布することで、塗装箇所の境目がぼかされるため仕上がりがきれいになります。
DIY塗装でありがちな失敗例とその原因とは?

塗装の流れを理解して準備が整ったとしても、DIYでは思わぬ失敗が起こることもあります。
ここでは、実際にDIY塗装でよくある失敗例をご紹介します。
下地処理を怠ったことでブツブツができる
塗装した結果、表面にブツブツと凹凸ができることがあります。
これは「下地処理の研磨が不十分」もしくは「ボディ表面に汚れが付着したまま塗装した」といった理由で起こりがちなトラブルです。
作業中に汚れが付着してしまったら、一度塗装を乾燥させてから耐水ペーパーで研磨して凹凸を取り除きましょう。
塗装面がゆず肌になる
塗装表面がゆずの皮のように波打った仕上がりになってしまうトラブルを「ゆず肌」といいます。
主な原因は「塗り重ね塗りが不十分だったこと」や「経年劣化による古い塗装の剥がれ」です。
ゆず肌を防ぐには下地処理の徹底だけでなく、カラースプレーをゆっくりと動かして塗り重ねる必要があります。
色ムラが目立つ
主に「塗り重ねの失敗」や「塗料の粘度が不適切」などが原因で、色合いが不均一な状態になる色ムラが生じることがあります。
スプレー缶で塗装する際は、塗料を均一に混ぜるため、30回以上よく振ることが大切です。
スプレーを吹くときは、いきなり塗りたい部分から始めずに、まずは塗装しない養生部分(マスキングテープなどで保護した部分)からスプレーをスタートさせましょう。そのまま動かしながら塗装面に入っていくことで、塗り始めだけが厚くなるのを防げます。
DIYで車を塗装する際の注意点

安心して作業するためにも、以下の注意点を意識しましょう。
塗装の飛び散りによる近隣トラブル
塗装に使う塗料は、一度付着すると除去が困難になるものもあります。
そのため、屋外で作業する場合は近隣住民の敷地などに飛び散らないように十分な注意が必要です。
万が一他の人の所有物に塗料が飛び散ると、トラブルに発展する可能性があります。
必要に応じて、大きなビニールシートなどで周囲を養生しておきましょう。
査定や売却時に影響するリスク
DIY塗装は、丁寧に行っても専門業者の技術には及ばないことが多々あります。
そのため、DIY塗装を施した車は、将来車を売却する際に査定額が下がってしまうリスクが考えられます。
車の塗装はプロに依頼するのがおすすめ

上述した通り、車の塗装は失敗することや注意点も諸々あります。
そのため、基本的には専門業者への依頼がおすすめです。
業者へ依頼するメリット
業者へ塗装を依頼するメリットは以下の通りです。
- 専門的な知識と技術を持ったスタッフが施工するため失敗のリスクが低い
- 塗装に最適な設備が整っているためきれいに仕上がる
- 下地処理から仕上げまですべて任せられ、手間がかからない
業者に依頼した場合の費用相場
塗装を依頼できる業者はさまざまですが、依頼先や作業内容によって費用は大きく異なります。
例えば、ちょっとした塗装のみの依頼か、傷やへこみを含めた補修を含むかによっても金額は変わってきます。
また、色の種類(パールやメタリックなど)、車種、仕上がりの希望レベルなどによっても料金が変動します。
そのため、明確な相場を知るには、実際に複数の業者から見積もりを取るのがおすすめです。
塗装後の美しさをキープするために。劣化を防ぐメンテナンス方法

車に塗装を施したら、塗装直後の美しい状態を長く保ちたいものです。
塗装の劣化を速めないためにも、以下のポイントを意識して愛車をケアしましょう。
付着した汚れは早めに落とす
車は、ボディ表面に砂ぼこりが蓄積されていきます。
砂ぼこりが蓄積されると、摩擦で塗装にキズがつくおそれがあります。
汚れによる塗装面の負担を軽減させるため、定期的な洗車を心がけましょう。
また、花粉や融雪剤など、塗装に大きなダメージを与える汚れが付着した場合は、早めに除去することが大切です。
定期的に鉄粉を除去する
鉄粉とは金属の微粒子で、鉄道の沿線や工場地帯、交通量が多い道路などを走行すると車に付着することがあります。
鉄粉は長期的に放置すると酸化し、塗装面に錆びを発生させてしまいます。
鉄粉が付着しやすい環境で車を使う機会がある場合は、定期的に鉄粉を除去しましょう。

保管場所の環境を見直す
塗装は大気中のチリやゴミ・紫外線・熱などによって劣化が進みます。
可能であればガレージや屋根付きのカーポートで車を保管し、塗装を劣化させる要因から避けるように工夫しましょう。
屋外で保管せざるを得ない場合は、ボディカバーの使用がおすすめです。
コーティング加工で塗装を保護する
車の塗装を保護する手段としては、カーコーティングもおすすめです。
カーコーティングの被膜が汚れの固着を防いでくれます。
また、汚れ落ちや水弾きも向上するため、簡単な洗車でキレイな状態を保てるというメリットもあります。
プロの技術で美しい仕上がりに!車の塗装はENEOSウイングへ

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車の塗装に関するよくある質問

最後に、車の塗装に関するよくある質問について解説いたします。
車の塗装は自分ひとりでできますか?
DIY塗装は1人で実施することも可能です。
ただ、特に全塗装の場合は作業範囲が広く相当な時間がかかります。
スプレーガンなど効率的に塗装ができるツールを用意することをおすすめします。
車の塗装で一番ムラになりにくい色は?
色ムラは、色の違いではなく作業者の技術力に依存するといえます。
ソリッド塗装・メタリック塗装・パール塗装のいずれも、塗装のやり方を誤れば色ムラになってしまいます。
色ムラを起こりにくくするなら、塗料を均一に混ぜ、作業箇所全体に均一に塗布することを意識しましょう。
車の塗装は何年持ちますか?
車の保管環境や塗装の種類・色にもよりますが、定期的な洗車や屋内駐車など適切な条件で保管していれば5年~10年程度は持つと言われています。
ただし、黒などのなど濃い色は、紫外線を集めやすく、太陽光による色褪せが早く起こる傾向にあるため注意が必要です。
まとめ
車の塗装にかかる費用は、塗装する範囲だけでなく、使用する塗料の種類や車種、依頼する業者によって総額が変わります。
コストを抑える方法としてDIY塗装を検討する方もいますが、塗装は高度な技術が求められる作業です。
失敗のリスクや、仕上がりに満足できない可能性を考えると、安心して任せられる専門業者への依頼がおすすめです。
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