車の美観を保つためには、定期的な洗車が欠かせません。しかし手洗い洗車は手間がかかるうえ、拭き上げ不足が原因でシミが残ってしまい残念な思いをした経験がある方も多いのではないでしょうか。
洗車時のシミの悩みを解決し、ワンランク上の仕上がりを実現してくれるのが「純水洗車」です。
この記事では、純水洗車のメリットや、水道水での洗車との違いを分かりやすく解説します。
純水洗車とは?
純水洗車とは、不純物を除去した純水を使用して行う洗車の方法です。
通常の水道水にはカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分などが含まれており、これらが洗車後に車体に残ることでウォータースポットや汚れの原因になります。
純水洗車では、こうした成分を取り除いた水を使用するため、洗車後の仕上がりが格段に美しくなります。高級車やコーティングを施した車にもおすすめの洗車方法です。
純水洗車のメリット
純水洗車には、さまざまなメリットがあります。
ウォータースポット防止効果
ウォータースポットとは、水分が乾燥して水道水に含まれるミネラル分のみが残ることでできるシミ「イオンデポジット」がさらに悪化した状態を指します。
塗装面を窪ませるなどのダメージがあり、ウォータースポットができるとコンパウンドでの研磨が必要です。
純水には、通常の水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が含まれていません。
そのため、拭き上げが不十分で塗装面に水滴が残ったとしても、残留物がほとんどなくイオンデポジットやウォータースポットになりにくいのです。
定期的に純水洗車を利用することで車の塗装を美しく保てることに加え、長い目で見るとリセールバリューの維持にもつながります。
仕上がりの美しさ
不純物を含まない純水を使用することで、車の表面に透明感が生まれ、より輝く仕上がりになります。
また、純水は塗装面に優しく、不純物による傷みのリスクを低減します。特に黒やネイビーなどのダークカラーの塗装ではこの効果が高く、美しい光沢を持続させることができるでしょう。
さらに、通常の水道水に含まれるイオンは化学薬品の作用を阻害することがありますが、純水を使えばその影響を受けません。
そのため、ワックスなどの効果を最大限引き出せるのもメリットといえます。
拭き上げ時に傷がつきにくい
洗車後に残る水滴に不純物がほぼないため、拭き上げの際に擦れて塗装面に細かな傷が付くリスクが抑えられます。
そのため、塗装のつやを長期間保ちやすくなります。
また、コーティング層を傷つけることがないため、ガラスコーティングした車にも適しています。
水道水での洗車との違い
水道水での洗車と純水洗車の大きな違いは、主に使用する水の成分と仕上がりにあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
水道水の成分と問題点
先述のとおり、水道水にはさまざまな成分が含まれています。それぞれの成分の洗車における問題点は以下のとおりです。
- ミネラル成分:水道水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれています。ミネラルが車体表面に残留し、乾燥後にイオンデポジットを形成する原因となります。
- 塩素:水道水には消毒のために塩素が添加されています。塩素は車体の塗装を劣化させる可能性があります。
- 不純物:水道管の劣化により、鉄サビなどの不純物が混入することがあります。これらは車体表面に付着し、洗車後の仕上がりに影響を与える可能性があります。
不純物を取り除いた純水であれば、こういったリスクが回避できます。
純水洗車での仕上がりの違い
純水洗車では、水道水とは異なりカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分が含まれていないため、洗車後にウォータースポットが発生する心配がほとんどありません。
これは純水が蒸発しても、車体に不純物が残らないためです。
結果として、水道水での洗車に比べて乾燥後も車のボディやガラスがクリアな状態を維持でき、美しい仕上がりになります。
純水洗車の実践方法
ここでは、純水洗車に必要な機材と準備、効果的な洗車の手順について詳しく説明します。
必要な機材と準備
純水洗車を行う場合は、まず純水を準備する必要があります。
純水を作り出す装置として、純水交換樹脂式純水器もしくは、逆浸透膜式純水器(RO)が挙げられます。
純水交換樹脂式純水器は設置が容易でコンパクトなため、家庭用洗車に適しています。一方、逆浸透膜式純水器(RO)は純水交換樹脂式純水器に比べて高性能ではありますが、メンテナンスコストが高くなる傾向があります。
価格においては、純水交換樹脂式純水器は数万円程度、逆浸透膜式純水器(RO)は数十万円と高額です。
家庭で洗車用として購入するのであればイオン交換樹脂式純水器が現実的と言えます。
そのほか、通常の手洗い洗車時と同様に、カーシャンプーやスポンジ、バケツ、拭き上げ用のマイクロファイバークロスが必要です。
効果的な洗車の手順
純水を使用した手洗い洗車の手順は、通常の手洗い洗車と同じです。使用する水を水道水から純水洗車に変えるという点のみ異なります。
風が当たらない、直射日光を避けられる場所で洗車しましょう。屋根のある場所で行うのが理想ですが、難しい場合は曇りであまり風のない日を選んでください。
初めに、車体全体に水をかけて表面のホコリや汚れを落とします。この水洗いをしっかりと行うことで汚れが落ち、スポンジであまりこすらなくてもよくなります。
バケツに水と洗車用シャンプーを混ぜ、泡立てます。しっかりと泡立てることで、汚れが落ちやすくなるほか、摩擦で塗装を傷つけるリスクも低減できます。
シャンプーを付けたスポンジで、上から下へと優しく洗います。汚れがひどい部分は、繰り返しスポンジをすすぎながら丁寧に洗いましょう。洗う場所によってスポンジを使い分けるのもおすすめです。
純水を使用して、泡をすすぎます。すすぎ残しがないよう細かい部分までしっかり流しましょう。
マイクロファイバータオルを使って、車体の水分をしっかりと拭き取ります。純水を使用しているのでシミにはなりにくいとはいえ、そのリスクが全くないわけではないので、拭き残しがないように丁寧に拭き上げましょう。仕上がりの美しさに差が出ます。最後に、車体全体をチェックし、細かな汚れや水分が残っていないか確認し、完了です。
純水のコストが気になるのであれば、最初の水洗いは水道水でも問題ありません。ただし、すすぎの際にはたっぷりと純水を使用し、きれいに流しましょう。
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以下の記事では、ENEOSウイングの手洗い洗車の特徴や料金を詳しく紹介しています。
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純水洗車に関するよくある質問
最後に純水洗車に関するよくある質問を回答と一緒にまとめました。
洗車に純水は必要ですか?
洗車に純水が必要かどうかは、個人の価値観や経済状況によって異なります。しかし、純水を使用して洗車すると、水道水による洗車以上の仕上がりの美しさが期待できます。
愛車をできるだけ美しく保ちたいのであれば、純水洗車は必要といえるでしょう。
特に高級車やコーティング車の場合、純水を使用することで塗装の美しさが際立つ、コーティング皮膜が長持ちするなどのメリットを最大限に活かせます。
純水手洗い洗車とプレミアム純水手洗い洗車の違いは何?
ENEOSウイングの純水手洗い洗車は、純水を使用してプロが丁寧に手洗いする洗車であり、下回り洗浄や虫落とし、エアガン、タイヤワックスなどが含まれます。
プレミアム純水手洗い洗車ではさらに、ホイールクリーニングやピッチ除去、給油口・ボンネット裏側・トランク裏側の汚れ拭き取り、タイヤハウス内のツヤ出し、運転席・助手席の掃除機がけなどが含まれます。
通常の手洗い洗車では対応できない細かい部分の汚れもすっきりときれいになる、特別な洗車です。
まとめ
純水洗車は、不純物を含まない水を使用することでウォータースポットや汚れを防ぎ、車の美しさを保つ、メリットが大きい洗車方法です。
塗装やコーティングにダメージを与えにくく、高級車や濃いボディカラーの車、ガラスコーティングをした車にもおすすめです。
愛車を長く美しく保つために、純水洗車を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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