トラックのオイル交換の時期は?必要性から交換目安、費用まで徹底解説

自動車に必要な定期メンテナンスとしてはオイル交換がありますが、トラックにおいても定期的なオイル交換をしないとエンジンの正常なコンディションを保てなくなります。

しかし、トラックの場合は普通自動車とオイル交換の適切な時期が異なるため注意が必要です。

そこで今回はトラックのオイル交換時期を重量別に解説するとともに、オイルの選び方や費用の目安などもご紹介いたします。

目次

オイル交換の必要性

オイル交換を怠ると思わぬ事故につながりかねないため、トラックを含む自動車は常にオイルの交換時期を意識しながら乗り続ける必要があります。

定期的なオイル交換に対する意識を高めるためにも、まずはトラックにおけるオイル交換の必要性を理解しておきましょう。

エンジン摩耗防止

トラックに用いられているオイルの1つ、「エンジンオイル」には潤滑作用があります。

車を使用していると、エンジン内部では部品同士に摩擦が生じて劣化や「焼き付き」が発生しやすくなります。

それを防ぐために、エンジンオイルは油膜を形成して部品同士の摩擦を軽減し、エンジンの作動をスムーズにする役割を果たしているのです。

しかし長期間エンジンオイルを交換しないと、粘度が低下して十分に潤滑作用を発揮できなくなります。

トラックの寿命延長と燃費向上

エンジンオイルには、洗浄・冷却・防錆作用もあります。

洗浄はエンジン内部を循環しながら燃焼によるススなどを吸収させる作用、冷却はエンジン内部の熱を吸収してオーバーヒートを防ぐ作用、防錆は結露によるサビを防ぐ作用です。

いずれの作用も、エンジンの劣化を速める要因を抑えて寿命を延ばすために欠かせません。

また、どちらも金属であるシリンダーとピストンの隙間を埋めてガス漏れを防ぎ、効率的にエネルギーを伝達させる密封作用もエンジンオイルの役割です。

長期間が経過して劣化したエンジンオイルは上記のような作用も発揮できなくなり、エンジンの寿命が短くなったり燃費が悪化したりします。

そのようなトラブルを防ぐという意味でも、オイル交換は必要です。

トラックのオイル交換時期の目安

トラックの適切なオイル交換時期は、「トラックの種類(重量)」「年数」「使用環境」を考慮のうえ判断する必要があります。

ここでは、上記3つのポイントごとに交換時期の目安をご紹介いたします。

トラックの種類による交換時期の目安

トラックは、車両総重量や最大積載量などに応じて3種類に分類されています。

車両総重量や最大積載量が大きいほどエンジンへの負荷も増大するため、よりこまめなオイル交換が必要です。

トラックの種類ごとのオイル交換時期の目安は、以下の通りです。

スクロールできます
種類オイル交換時期(走行距離)
小型トラック20,000km程度
中型トラック20,000km程度
大型トラック40,000km程度

※上記は三菱ふそうのトラックの・エンジンオイル交換時期目安になります。
メーカーや車種、オイルのグレードなどによっても交換時期の目安は異なります。

交換時期の目安となる年数

オイルの交換時期は走行距離に応じて判断するケースが一般的ですが、実際に交換するタイミングとしては、いずれのタイプも1年ごととしている方も多いです。

その理由は、車検の期限にあります。

貨物自動車は、基本的に車検の有効期限が1年とされています。(8t未満は新車登録時から2年、それ以降は1年)

走行距離が目安に達していなくても、毎年車検のタイミングでオイルを交換しておけば劣化を防ぎやすくなります。

使用環境に応じた交換サイクル

上記の走行距離・年数はあくまで一般的な目安であり、日頃の使用環境が「シビアコンディション」に該当する場合は早めのオイル交換が必要です。

シビアコンディションの具体的な定義はメーカーや車種によって変わりますが、基本的には以下のような条件が含まれています。

  • 悪路・坂道・重い荷物を運搬しながらの走行が多い
  • 短距離走行が多い
  • 長距離走行(目安:10,000km以上/月)をしている  など

シビアコンディションではエンジンへの負荷が増え、エンジンオイルの劣化も早まるため、こまめな点検と交換を心がけましょう。

定期的にオイル交換するメリット

定期的なオイル交換の主なメリットは、以下の通りです。

エンジンのパフォーマンス維持

先述したように、エンジンオイルにはエンジン部品の摩擦を抑えて滑らかに作動させる潤滑作用があります。

また、密封作用により燃焼ガスの漏れを防ぎ、エンジンの爆発力を効率的にエネルギーとして伝えられるようになります。

定期的な交換でエンジンオイルの正常な状態を保つことで、継続的に上記のような効果が発揮され、エンジンの性能も落ちにくくなります。

エンジンの性能を維持すれば、余分な負荷がかからなくなるためその分燃料の消費も抑えられ、燃費低下を防止できるという点もメリットです。

トラブル防止と修理コスト削減

エンジンを作動させると、部品同士の摩擦・熱によりススや細かい金属片が生じます。

エンジンオイルが劣化したままだと熱や不純物をうまく吸収できず、エンジンが故障する可能性が高くなります。

エンジンオイルの交換費用は高くても数万円程度であるのに対し、エンジンの故障による修理は小型トラックでも100万円以上かかるケースが一般的です。

低コストなオイル交換を継続するだけで、多額の修理代の発生を防ぐことができると考えれば、これも大きなメリットといえます。

定期的にオイル交換をしないと起こりうること

オイル交換を怠ればエンジン性能や燃費の低下が起こりうることは先述した通りですが、他にも「焼き付き」という重大なトラブルが発生する可能性も高まります。

焼き付きとは、エンジンオイルの冷却作用が発揮されないままエンジンを使用し続けた際に生じるトラブルです。

エンジンオイルは内部を循環しながら吸収した熱をオイルパンで放熱し、オーバーヒートを防いでいます。

しかし長期間使用して不純物が溜まったエンジンオイルは冷却作用も低下するため、エンジンのオーバーヒートを招き、熱で溶けたパーツ同士が癒着する「焼き付き」につながります。

しばらくオイルを交換しておらず、走行中にエンジンから焦げ臭さを感じたら焼き付きが発生していると考えられます。

焼き付きを放置すると走行中にエンジンが停止する恐れもあるため、定期的なオイル交換でこのようなトラブルを防ぐ必要があります。

エンジンオイルの種類と選び方

トラックのエンジンオイルには様々な種類があり、どんなオイルが適しているかは車種によって変わります。

車種に適してないエンジンオイルを使用すると、エンジンの性能が十分に発揮されない可能性もあるため注意が必要です。

トラックのエンジンオイル選びにおいて考慮すべきポイントは、大きく分けて3つです。

ここでは、3つのポイントを主軸としたエンジンオイルの選び方を解説いたします。

ディーゼルエンジンに適したオイル

ディーゼルエンジンを搭載したトラックの場合、必ずディーゼルエンジン用のオイルを選びましょう。

ディーゼルエンジンの燃料である軽油には硫黄分が多く含まれており、燃焼の際に硫黄をはじめとする酸性の不純物がエンジン内部に溜まりやすくなります。

その不純物を中和するためには、より多くの清浄分散剤が必要です。

ディーゼルエンジン用のオイルなら、ガソリンエンジン用のオイルよりも清浄分散剤が多く配合されています。

これにより、不純物が溜まりやすいディーゼルエンジンも問題なく稼働を続けることが可能です。

燃費と排ガス性能を考慮したオイル選定

エンジン性能や燃費を考慮し、適切な「粘度」のエンジンオイルを選ぶことは特に重要です。

エンジンオイルはそれぞれ粘度が異なり、低音時の粘度と高温時の粘度が「〇(0~60)W」と表記されています。

数字が大きいオイルほど粘度が高く、厚い油膜を形成するため保護性に優れたものと判断できます。

つまりエンジンが高温になっても潤滑性や密封性を保てるため、熱容量の大きな大排気量エンジンやターボチャージャー付きのエンジンに用いられます。

一方で粘度の低いオイルは、上記のようにパワフルなエンジンへの使用は不向きです。

しかし外気温が低くてもエンジンを始動させやすく、低速域において燃費に優れているという特徴があります。

そのため、寒冷地での走行が多い場合やハイブリッド車などの使用に適しています。

コストを考慮したオイル選定

エンジンオイルに用いられるベースオイルは、主に鉱物油・半合成オイル・合成オイルの3種類があります。

どのベースオイルが用いられているかによって、オイルの価格は異なります。

最も安価なものが鉱物油ベースのオイルで、メーカによっては「スタンダードオイル」とも呼ばれています。

安価な一方で劣化が速いため交換頻度が高くなる他、エンジンの始動性や燃費性能は低いです。

半合成オイルは鉱物油と合成オイルを合わせたもので、合成オイルよりも安価なうえに鉱物油よりも劣化しにくいというメリットがあります。

様々な車種に使われるオイルで、長距離運転・高速道路での走行が多い車に適しています。

合成オイルは最も高価ですが、始動性に優れており高温にも強く、長期的に使えます。

オイル交換にかかる費用の目安

エンジンオイルの交換にかかる費用には、「オイルの価格」と「交換工賃」が含まれます。

トラックの種類や交換するオイルの種類によって費用は変わりますが、相場はある程度決まっています。

トラックの種類別にかかるオイル交換費用の目安は、以下の通りです。

スクロールできます
トラックの種類必要なオイル量オイルの価格工賃費用総額
小型トラック(2t~3tトラック)8~10L600円/L1,500円程度6,300円~7,500円程度
中型トラック(4tトラック)12~15L600円/L2,500円程度9,700円~11,500円程度
大型トラック(10tトラック)28~38L600円/L4,000円20,800円~26,800円程度

自分でオイル交換を行うメリットと注意点

トラックのエンジンオイル交換は整備工場やガソリンスタンドなどの業者に依頼するケースが一般的ですが、必要な工具を用意すれば自分で交換することも不可能ではありません。

自分で交換すれば、工賃が発生しないため出費を抑えることができます。

しかし、トラックのオイル交換には手間がかかるだけでなく、交換方法によってはジャッキアップが必要です。

ジャッキアップのやり方を誤ることによる事故のリスクの他、ヤケドや部品の破損といったリスクも伴います。

また、オイルは継ぎ足しができません。

すべてのオイルを抜き取ってから新しいオイルに入れ替え、古いオイルは自分で廃棄する必要があり、手間がかかります。

トラックのメンテナンスに慣れておらず作業に不安がある方は、無理をせず業者への依頼をおすすめします。

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※店舗によってはトラックのオイル交換サービスを受け付けていない店舗もございます。

トラックのオイル交換に関するよくある質問

最後に、トラックのオイル交換に関してよくある質問にお答えします。

2tトラックのオイル交換の目安はどれくらいですか?

2tトラック(小型トラック)の場合、走行距離にして10,000km~20,000km程度が交換時期の目安です。

ただし年間の走行距離が上記に達していなくても、毎年の車検のタイミングで交換を行うようにするとオイルの正常な状態をより保ちやすくなります。

なお、シビアコンディションと呼ばれる使用環境に該当する場合は、よりこまめな点検と交換が必要です。

4tトラックのオイル交換量はどれくらいですか?

4tトラック(中型トラック)のオイル交換量は、12~15L程度です。

トラックとなれば排気量も相応に大きくなるため、普通自動車の3~6倍ほどの量のオイルが必要になります。

なお、エンジンオイルは使用を続けるうちに少しずつ減少していきます。

エンジンオイルが減少するとエンジン性能にも影響が及ぶため、定期的にオイルレベルゲージを使用してタンク内のオイル量を確認しましょう。

オイル交換は5000キロ超えても大丈夫ですか?

一般的な使い方をしていれば、小型(2t~3t)トラックでも走行距離が5,000km超えてからオイルを交換しても問題ありません。

悪路走行や坂道の走行などが多い場合など、エンジンに高い負荷がかかる使い方をしている車なら5,000kmに達するタイミングでのオイル交換をおすすめします。

トラックのオイル交換をしないとどうなりますか?

トラックのオイル交換をしないと、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。

  • エンジンの寿命が短くなる
  • 燃費が悪化する
  • エンジンの焼き付きが発生する

エンジン本体が使用できなくなれば、オイル交換よりもはるかに高額な費用を伴う修理が必要になります。

トラックの使い方に合わせて、適切なスパンでオイルを交換しましょう。

まとめ

トラックオイルの交換時期は、小型トラックなら10,000km~20,000km程度、中型トラックなら15,000~30,000km程度、大型トラックなら20,000km~40,000km程度が目安です。

定期的に交換することで、エンジン性能・燃費性能の低下や思わぬ事故などのトラブルを防ぐことができます。

なお、トラックに用いられるエンジンオイルには様々な種類があり、エンジンのタイプや求める性能、コストなどによって適したものは異なります。

ENEOSウイングなら、オイル交換作業からオイル選びまでプロが徹底的にサポートいたします。

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この記事を書いた人

ENEOSウイング編集部です。コラムで車に関するお役立ち情報をお届けしています。

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