ターボ車のオイル交換はいつ?エンジンオイル選びのポイントや交換時期を解説

ターボ車は、エンジンの排気ガスを利用して過給することで、NA(自然吸気)エンジンを超えるパワーを発揮するのが特徴です。

しかしその分エンジン内部の温度が高くなりやすく、オイルへの負担も大きいため、こまめなエンジンオイル交換が推奨されています。

そこで本記事では、ターボ車のエンジンオイル交換時期の目安や、交換しないと起こり得るトラブルなどについて解説いたします。

また、普通車・軽自動車それぞれの走行距離や年数などに基づく交換時期の目安も解説していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

ターボ車のエンジンオイル交換の目安

ターボ車は、NA車(ターボなしの自然吸気エンジン車)よりも高いエンジン出力を誇る反面、エンジンオイルが劣化しやすい傾向があります。

そのため、NA車よりも短いスパンでのオイル交換が推奨されています。

ただし、走行距離や使用状況、メーカーの推奨時期によって交換のタイミングは異なります。

以下では、一般的な走行距離・使用期間・使用状況ごとの交換目安、そしてメーカーが推奨するエンジンオイル交換時期の目安について紹介いたします。

走行距離の目安

普通自動車の場合

  • ターボ車:5,000km~10,000kmごとに交換推奨
  • NA車:7,500km~15,000kmごとに交換推奨

詳しい理由は後述しますが、ターボ車はNA車に比べて1.5倍程度短いスパンでエンジンオイルの交換が必要になります。

軽自動車の場合

  • ターボ軽自動車:2,500km~5,000kmごとに交換推奨
  • NA軽自動車:5,000km~10,000kmごとに交換推奨

軽自動車のターボ車は、普通自動車のターボ車よりもさらに短い交換サイクルが推奨されます。

これは、軽自動車は排気量660cc以下に制限されており、限られた排気量でパワーを発揮するためにエンジンの回転数を高く保つ必要があるからです。

その結果、エンジンオイルにかかる負荷が大きくなり、交換時期が短くなります。

ターボ車とNA車で交換時期に差が生じる理由

ターボ車とNA車とでエンジンオイルの交換時期に差が生じる理由は、エンジンの仕組みの違いにあります。

ターボ車に搭載されている過給機は運転時に超高速回転するため、1,000℃近くの高温状態になります。

この高温環境によりノンターボ車よりもエンジンオイルにかかる負荷が大きくなり、劣化が早まるため、NA車よりも短いスパンでの交換が必要です。

ただし、NA車でもシビアコンディションに該当する使い方をしていれば、通常よりも早めにエンジンオイル交換が必要になります。

つまり、エンジンオイルの交換時期は「エンジンオイルにかかる負荷の大きさ」によって決まるということです。

使用期間の目安

上述した走行距離の目安に達していなくても、一定の期間が経過したエンジンオイルは交換しましょう。

ターボ車の場合、以下の使用期間がエンジンオイル交換時期の目安となります。

  • 普通自動車:6ヶ月~1年程度
  • 軽自動車:3ヶ月~6ヶ月程度

使用状況による違い

エンジンオイルの適切な交換時期は、走行距離や使用期間だけでは判断できない場合があります。

車の使用状況によって、オイルへの負荷が異なり、交換のタイミングも変わるためです。

例えば、以下のような「シビアコンディション」と呼ばれる使用環境では、エンジンオイルの劣化が早まるため、通常より早めの交換が推奨されます。

  • 悪路を走行することが多い(砂利道・未舗装路など)
  • 雪道走行が多い
  • 山道や坂道走行が多い
  • 長距離走行が多い
  • 短距離走行を繰り返す
  • アイドリングストップが頻繁に作動するような交通状況  など

各メーカーのエンジンオイル交換推奨時期

各自動車メーカーは、それぞれの車種に適したエンジンオイル交換の推奨時期を設定しています。

以下に、主なメーカーごとのターボ車のエンジンオイル交換の推奨時期を紹介します。

スクロールできます
メーカーターボ車の車種例交換時期
トヨタGRヤリス、ルーミー/ルーミーカスタム など5,000kmまたは6ヶ月ごと
マツダ乗用車 DISIターボ
(CX-7、アクセラ など)
10,000kmまたは6ヶ月ごと
軽自動車 ターボ
(フレアワゴン/フレアワゴンカスタム、スクラムワゴン など)
5,000kmまたは6ヶ月ごと
スバルジャスティ5,000kmまたは1年ごと
軽自動車 ターボ
(ステラ、ヴィヴィオ など)
5,000kmまたは6ヶ月ごと
ダイハツ軽自動車 ターボ
(タフト、ムーヴ など)
5,000kmまたは6ヶ月ごと
日産軽自動車 ターボ
(デイズ、ルークス など)
5,000kmまたは6ヶ月ごと

※通常使用の場合

エンジンオイルの交換時期は、車種や使用環境によって異なるため、必ず取扱説明書やメンテナンスノートを参考にしましょう。

また、メーカーの公式サイトや販売店舗でも確認できます。

ターボ車のエンジンオイル交換、しないとどうなる?

エンジンオイルは、エンジンを正常に作動させるために以下のような役割を果たしています。

  • 潤滑(部品同士の摩擦を軽減する)
  • 密封(部品の隙間を油膜で密閉してエネルギー効率を高める)
  • 冷却(エンジン内部を循環しながら熱を吸収する)
  • 清浄(エンジンから生じる汚れを吸着させる)
  • 防錆(油膜で水分とエンジンの接触を防ぎ、錆を抑制する)

エンジンオイルが劣化したまま交換せずに使い続けると、これらの機能が低下し、エンジンに大きな負担がかかります。

結果として、エンジンの寿命が縮まるだけでなく、重大なトラブルにつながるリスクも高まります。

以下より、エンジンオイルの交換を怠ることで起こり得るトラブルについて解説いたします。

燃費の悪化

エンジンオイルの劣化が進み、潤滑・密封・冷却の効果が低下すると、エンジンが本来の性能を発揮できなくなります。

エンジンの部品がスムーズに動かなくなることでエネルギー効率が低下し、より多くのガソリンを燃焼させてしまいます。

その結果、燃費の悪化だけでなく加速性能の低下につながる可能性が高いです。

エンジンオイル交換が燃費にもたらす影響については、以下の記事で詳しく解説しています。

エンジンの不調

エンジンオイルの劣化により潤滑効果が失われ、部品同士の抵抗が増すと異音や振動が発生しやすくなります。

また、清浄効果の低下によりエンジン内に汚れが溜まり、正常な動作に支障をきたすこともあります。

エンジンの不調は走行時のストレスになるだけでなく、放置するとエンジンの故障にもつながる可能性があります。

走行時は少しの不調も見逃さず、違和感を覚えたらすぐにエンジンオイルを点検のうえ交換することが大切です。

最悪の場合、エンジンやターボの交換が必要に

ターボ車のエンジン内部はNA車よりも高温になりやすいため、エンジンオイルの冷却効果が非常に重要となります。

エンジンオイル交換を怠って冷却効果が失われると、オーバーヒートや焼き付きによりエンジンが故障し、最悪の場合走行不能になるおそれがあります。

その場合はエンジンやターボチャージャー本体の交換が必要となり、数十万円にも及ぶ高額な修理費用が生じる可能性があります。

ターボ車に最適なエンジンオイルとは?

エンジンオイルにも様々な種類がありますが、ターボ車の場合は高粘度のエンジンオイルが推奨されます。

ターボ車のエンジンは高温になりやすく、内部の部品に強い負荷がかかるため、熱や摩擦からエンジンを保護するために、高温でも粘度を保つことができるオイルを選ぶことが重要です。

ただし、車種によって推奨されるエンジンオイルの種類や粘度範囲は異なります。詳しくは取扱説明書を確認するか、販売店やオイル交換業者に相談しましょう。

ターボ車のエンジンオイル交換は業者へ依頼を

エンジンオイル交換は、他のエンジン関連部品の交換に比べて作業難易度は高くありません。

しかし、エンジンオイルを安全に交換するなら業者への依頼がおすすめです。

自分でエンジンオイルを交換するのは意外と難しい

エンジンオイルを交換する方法としては、オイルレベルゲージの差し込み穴から古いオイルを吸い上げる「上抜き」と、車体の下のオイルパンを外して古いオイルを出す「下抜き」があります。

上抜きは、一般の方でも行うことは可能ですが、新しいオイルや工具などを自分で揃える必要があります。

さらに、作業手順を誤るとケガや火傷を負うおそれもあるため、専門知識と技術を持たずに実施することは危険です。

車のメンテナンスに関して知識や作業経験が浅い方、うまくできる自信がない方は、業者へ依頼した方が安心かつスムーズでしょう。

エンジンオイル交換を依頼できる主な業者

エンジンオイル交換は、主に以下の業者で依頼できます。

スクロールできます
業者特徴
ディーラー・知識豊富なスタッフに対応してもらえるためサービス品質が高い
・基本的に純正オイルを使用するため費用は高額な傾向
整備工場・オイル交換の他に車の整備全般も依頼できる
・サービスの質は工場によって差がある
カー用品店・数多くのオイルを取り揃えており選択肢が幅広い
・費用は安価な傾向
ガソリンスタンド・給油や洗車など日常的な用途のついでにオイル交換を依頼できる
・店舗によっては、タイヤの空気圧チェックやバッテリー点検などの簡単なメンテナンスも一緒に受けられる

ターボ車のエンジンオイル交換なら、ENEOSウイングへおまかせ

ターボ車は、NA車に比べてこまめなエンジンオイルの点検と交換が必要です。

しかし、エンジンオイルの適切な交換時期は、走行距離や年数だけで判断できるものではありません。

「愛車のエンジンオイルはいつ交換すべきか分からない」「安くても安心して交換を依頼できる業者を見つけたい」などのお悩みがある方は、ENEOSウイングにお任せください。

ENEOSウイングは、車の整備に関して知識が豊富なプロが、オイル選びから交換まで丁寧にサポートいたします。

全国の300以上の店舗にてオイル交換を承っておりますので、お気軽にご相談ください。

ターボ車のエンジンオイル交換に関するよくある質問

最後に、ターボ車のエンジンオイル交換に関するよくある質問について解説いたします。

ターボ車のオイル交換の限界は?

一般的に、ターボ車のエンジンオイルは6ヶ月~1年程度が使用の限界とされています。走行距離の目安としては、普通自動車で5,000km~10,000km、軽自動車で2,500km~5,000km程度です。

ただし、エンジンオイルの劣化スピードは、車の使い方やメーカーの推奨基準によって変わるため、あくまで目安として考える必要があります。

エンジンを常に正常な状態で保つためには、こまめな点検と早めの交換を心がけることが大切です。

ターボが故障する前兆は?

ターボチャージャーは、劣化が進むにつれて以下のような症状が起こりやすくなります。

  • 金属音のような異音
  • 白煙や青煙の発生
  • 加速力やパワーの低下
  • オイル漏れ

走行時に少しでも異常を感じたら、早めに専門業者で点検してもらいましょう。

ターボチャージャーが故障すると、修理に高額な費用を要します。

故障を防ぐためにも、エンジンオイルや冷却水の状態をチェックし、定期的に交換しましょう。

ターボ車を長持ちさせる方法はありますか?

ターボ車に過度な負荷をかけないためには、「空ぶかし」や「急加速」をしないことが大切です。

NA車においても上記は望ましくない使い方ですが、ターボ車の場合は特にエンジンにかかる負荷が大きくなり、寿命を縮めやすくなります。

また、高速走行のあとはすぐにエンジンを止めずアイドリング状態にしてターボ装置を冷ましましょう。

もちろん、定期的なエンジンオイル交換もターボ車の寿命を延ばすために重要なメンテナンスです。

適切な使い方とメンテナンスを心がければ、ターボ車もNA車と同じように長く乗り続けることが可能です。

まとめ

どんな自動車にもエンジンオイル交換は欠かせませんが、ターボ車は特にエンジンオイルが劣化しやすいため注意が必要です。

ターボ車のエンジンオイルの交換時期は走行距離や使用年数などで判断できますが、車種によって適切な頻度が異なる可能性もあるため、必ず取扱説明書などで確認しましょう。

ENEOSウイングでは、車の整備に精通したプロのスタッフがエンジンオイルの点検・交換を承っております。 お車に最適なエンジンオイル選びもサポートいたしますので、エンジンオイル交換に関するお悩みは何でもご相談ください。

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この記事を書いた人

ENEOSウイング編集部です。コラムで車に関するお役立ち情報をお届けしています。

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