うっかりと縁石などにタイヤやアルミホイールを当ててしまい、傷ができた場合はどのように対処するべきなのでしょうか。
タイヤやホイールは車を支える重要な部品のため、傷を放置すると重大な事故につながる危険性もあり、適切な方法で修理する必要があります。
この記事では、アルミホイールの傷の種類別の修理費用や、自分で修理する方法などについて詳しくご紹介します。
アルミホイールにできやすい傷の種類

アルミホイールにできやすい傷の種類としては、以下が挙げられます。
ガリ傷
いわゆる擦り傷や削り傷といわれるもので、縁石やタイヤ止めなどに誤って接触した際にできることが多い傷です。
ひび割れ(クラック)
障害物との接触時の衝撃の強さによっては、ホイールにひび割れ(クラック)が生じる場合もあります。
ごく低速で走行している際に縁石に触れた、という程度ではなく、無理に段差に乗り上げた場合や、何かにぶつかるなどある程度の大きな衝撃で発生する傷です。
また、金属疲労や強度不足、タイヤがパンクした状態で走行を続けた際に割れることもあります。
サビ
厳密には傷ではありませんが、サビはホイールを劣化させる危険な存在です。
雪道や凍結路にまかれる融雪剤、海水、ブレーキダストなどを付着したまま放置するとサビの発生につながります。
歪み
アルミホイールの歪みは、ひび割れ(クラック)と同じく衝撃によって発生するもので、交通事故に遭遇した、何らかの理由で脱輪した場合などによく見られます。
扁平タイヤを履いている場合はタイヤのクッション性が通常よりも少ない状態のため、通常のタイヤであればアルミホイールの歪みにはいたらない場合でもゆがんでしまうケースも散見されます。
アルミホイールにできた傷や割れは修理できる?

アルミホイールの傷や割れが修理できるかどうかは、傷の大きさや程度によって異なります。
ごく軽いガリ傷やわずかなサビ程度であれば修理可能ですが、クラックや歪みは交換が必要になるケースがほとんどです。
修理できる場合でもセルフでの対応は難しく、プロへの依頼が基本となります。
また、サビはわずかに見えても小さな傷から内部に入り込んで、内部にダメージを与えている可能性があります。
内部にダメージが発生している場合アルミホイールの強度が下がり危険なので、一度プロに点検してもらうのがおすすめです。
アルミホイールにできた傷や割れは速やかな修理がおすすめ

アルミホイールに傷や割れなどのダメージが発生したら、気付いた時点ですぐに修理をしましょう。アルミホイールの傷や割れを放置すると、さまざまなリスクがあるからです。
傷や割れを放置するリスク
アルミホイールの傷や割れを放置すると、走行中に大きなトラブルを起こす可能性があります。
ダメージの状態によってはタイヤがエア漏れを起こして空気圧が低下し、走行性能が落ちるほか、最悪の場合はタイヤが突然爆発するように破裂するバーストを起こすことも考えられます。
バーストするとハンドルがとられ一時制御不能になるので、非常に危険です。
またホイールの強度が落ち、走行中に大きな変形を起こすとまっすぐに走らなくなります。
大事故につながるような事態が起こらない場合であっても、ホイールバランスが狂いタイヤの編摩耗を起こしたり、アライメントが狂って駆動系にダメージを与えたりする可能性もあるため、早めの修理がおすすめです。
アルミホイールにできた傷や割れの修理費用

アルミホイールの傷や割れの修理費用は、傷や割れの程度、またアルミホールのデザインや塗装などによって異なります。
ここでは、一般的なアルミホイールの修理費用の相場をご紹介します。
軽度なガリ傷などの修理費用相場
軽くこすった程度のごく軽いガリ傷であれば、8,000円程度からで修理できるでしょう。
デザインが凝ったものや特殊塗装の場合は修理費用が高額になる傾向があり、2万円を超すケースもあります。
重度な損傷の修理費用相場
歪み、クラックなどの重度な損傷は1万円台後半~2万円以上かかるのが一般的です。
ただし、アルミホイールのダメージは安全性に大きく影響するので、メーカーは原則として損傷したアルミホイールは修理せずに交換を推奨、というスタンスを取っています。
そのため、あまりに修理費用が高額になるひどい損傷の場合は修理店が引き受けてくれないケースもあります。
場合によってはアルミホイールの交換がおすすめ
前段でも少し触れましたが、歪んだり、大きなクラックが入ったりしたアルミホイールは修理できないケースが多いことに加え、修理できたとしてもかなり高額な修理費用がかかることがほとんどです。
金銭的な負担、そして今後の安全性のことを考えると、アルミホイールの交換がおすすめであるケースも少なくありません。
修理費用が現在装着しているホイールと同程度、またはそれ以上になるようであれば、交換も積極的に検討してみましょう。
アルミホイールにできた傷や割れを自分で修理する方法

ここでは、セルフでアルミホイールの傷や割れを修理する方法をご紹介します。
自分で修理する場合、修理に必要な道具などをそろえる費用はかかりますが、それでもプロに依頼するよりも費用は安く抑えられます。
自分で修理できる傷の種類
自分で修理できるのは、ごく軽いガリ傷程度です。
クラックや歪み、ひどい傷やサビは自分で完全に修理するには難しいので、プロに任せましょう。
必要な道具と材料
ガリ傷の修理には、マスキングテープと数種類の耐水サンドペーパー、脱脂剤とパテ、仕上げ用の塗料が必要です。
さまざまな商品があるので価格も幅広いですが、一般的なものであれば5,000円程度ですべてそろえられます。
インターネット、カー用品店などで購入することができます。
修理手順
できるだけ平らになるようにならしましょう。サンドペーパーを粗目のものから細目のタイプに変えて行くときれいに仕上がります。
脱脂することでこの後に使用するパテが定着しやすくなり、仕上がりが美しくなるので省かずに行いましょう。
自分で修理する場合のデメリット・注意点
自分でアルミホイールを修理するデメリットとしては、仕上がりがどうしてもプロには劣ってしまうことといえるでしょう。
アルミホイールは足回りの印象を左右するアイテムでもあるので、車の見た目にこだわる方にはマイナスポイントとなります。
また、一見しただけでは軽いガリ傷であっても、実際は衝撃などで見えにくい部分にクラックが入っていたりすることもあります。
プロであれば経験豊富なスタッフがくまなくチェックするのでそういったダメージにも気付き対応できますが、自分で修理する場合は気付かずにそのまま使用して、リスクが大きい状態で走行を続けることになりかねません。
自分で修理する場合はよほどの専門知識や経験がないとある程度のリスクは免れないことは、認識しておく必要があるといえるでしょう。
アルミホイールにできた傷や割れの修理はプロへの依頼がおすすめ

前述の通り、アルミホイールにできた傷を放置したり、自分で修理するには大きなリスクを伴います。
タイヤやホイールは車の走行性能や安全性にかかわる重要なパーツであるため、傷や割れができたのであればプロに修理を依頼するのがおすすめです。
修理業者の選び方
今では車の修理はディーラーや整備工場以外に、カー用品店やガソリンスタンドでも依頼することができます。
ただし、業者の中には設備がなく軽微な修理しか対応できない場合もあります。
特に輸入高級車によく使用されているダイヤモンドカットホイールなど、特殊加工されているホイールは、修理できる場所が限られます。
事前に問い合わせて、自分のアルミホイールの修理ができるのかどうかを確認しておきましょう。
修理依頼時の注意点
国産車での採用例も多いメッキホイールの場合も業者によっては修理に対応していない、対応している場合でも修理できる範囲が限られる場合があります。
また、安全性の観点からタイヤのクラックの修理は受け付けていない業者もあります。そのため、事前に修理できるのかどうか確認をすることが大切です。
なお、特殊加工のホイールは修理費用の相場が高くなりがちなので、修理できる複数の業者から見積もりを取ってどの業者に依頼するのかを比較検討することをおすすめします。
ENEOSウイングはアルミホイールの修理に関してもご相談いただけます!

愛車のアルミホイールの傷や割れなど、ダメージが見つかったら、全国300か所以上の拠点を展開している、お近くのENEOSウイングへご相談ください(店舗によってアルミホイールの修理に関してご相談を承っていない店舗もございます)。
また、アルミホイールの交換が必要な場合も専門知識を持ったスタッフがホイールやタイヤ選びについてアドバイスさせていただくので、ご安心ください。
そのほか、アルミホイールと同時に車体へのキズや凹みができた場合も修理を承っております。
車に関することでお悩みの際は、一度ENEOSウイングへご相談ください。どのような修理が必要かなどを確認させていただき、最適な方法をご提案させていただきます。
アルミホイールの修理に関するよくある質問

アルミホイールの修理に関する質問について、よくある質問を回答と一緒にまとめました。
アルミホイールの歪みを修理するにはいくらかかりますか?
アルミホイールの歪みの修理をプロに依頼すると、2万円程度はかかります。
場合によっては交換したほうが安くつくケースもあります。
アルミホイールについた傷が深い場合の修理費はいくらくらいですか?
交通事故に遭遇したなど、衝撃を受けてできた深い傷の場合は1万円台後半~2万円以上かかることがほとんどです。
安全性の問題から修理ではなく交換をすすめられることも少なからずあります。
アルミホイールのガリ傷をそのままにしたらどうなりますか?
ごくわずかなガリ傷であればそれほど深刻な事態にはなりませんが、表面の塗装がはがれ、傷からサビが発生することがあるので放置せず、できるだけ早急に修理しておきましょう。
まとめ
アルミホイールにできた傷や割れは、放置すると大きな事故につながる危険があります。
また、一見小さな傷に見えても深刻なダメージを受けている場合もあるので、傷や割れに気付いたらできるだけ早く信頼できるプロの点検を受けましょう。
安心・安全なカーライフを送るには、アルミホイールに限らず車の状態を常によく観察し、違和感があればプロの手を借りることをおすすめします。
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