タイヤ交換を自分で行う場合や、タイヤがパンクするなど緊急時にタイヤ交換が必要な場合、安全な場所で車体をジャッキアップすることが不可欠です。
ジャッキアップには「ジャッキ」が必要ですが、ジャッキには様々な種類があり、車に合ったものを選ばなくてはなりません。
そこで今回は、ジャッキ選びのコツから車種ごとのジャッキアップポイント、安全にジャッキアップする方法まで詳しく解説いたします。
また、タイヤ交換は経験や車の知識がない方にとっては難易度の高い作業なので、自分で行うのが難しいと感じる方もいらっしゃると思います。
この記事では、タイヤ交換作業を安心して任せられる業者についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ジャッキの種類

ジャッキは大きく分けて4種類があり、それぞれ車の持ち上げ方や車を持ち上げるパワーなどが異なります。
主なジャッキの種類と特徴は、以下の通りです。
種類 | 特徴 |
---|---|
手動式ジャッキ | ・手でレバーやハンドルを回して物理的な力で車を持ち上げる ・本体はコンパクトかつ軽量で持ち運びやすい ・安く入手できる ・力の伝達効率が低くパワーはやや劣る |
油圧式ジャッキ | ・ハンドル操作により油圧の力で車を持ち上げる ・パワーに優れており重量のある車両も簡単に持ち上げが可能 ・本体は大きく重いため持ち運びには不向き |
電動式ジャッキ | ・電動モーターを利用して車を持ち上げる ・ボタン操作で簡単に車を持ち上げられる ・本体価格は比較的高い ・充電が必要な場合がある |
エア式ジャッキ | ・圧縮空気を利用して車を持ち上げる ・パワーが非常に強く大型車両のジャッキアップも可能 ・コンプレッサーと電源が必要な場合がある ・高価なため基本的に業者向き |
ジャッキ選びのコツ

上述したように、ジャッキは種類によって異なるメリット・デメリットがあります。
そのため、自分の希望や使いたい車に合ったものを選ぶことが大切です。
ここでは、ジャッキ選びで後悔しないために重要なポイントを解説いたします。
車種別のジャッキ選び
ジャッキを選ぶにあたってまず確認すべきポイントが、車種です。
車種それぞれに適したジャッキの形状や種類は異なり、相性が悪いジャッキを使うと車体に傷をつける恐れがあります。
そのジャッキがどんな車種の使用に適しているのかは、製品の取扱説明書などに記載されています。
なお、一般的な傾向としては軽自動車やコンパクトカーは安価なジャッキも使えますが、SUVやミニバンなどに使えるジャッキは比較的高価である場合が多いです。
また、スポーツカーやオフロード車などの特殊な車種は専用のジャッキが必要なこともあります。
携帯性や耐荷重のポイント
ジャッキの携帯性は、手動式が最もコンパクトで持ち運びやすいです。
油圧式や電動式はやや大型で重いため持ち運びが難しくなり、エア式は重いものだと本体重量が50kg程度にもおよぶため、簡単に持ち運びはできないものと考えて良いでしょう。
ただし、携帯性に優れたジャッキほど耐荷重や安定性は低くなる点に注意が必要です。
ミニバンやSUVなど大きな車に使いたい場合は、携帯性よりも「耐荷重は愛車の重量に対応しうるか」に注目してジャッキを選びましょう。
車種ごとに異なるジャッキアップポイント

ジャッキアップポイントとは、車体を持ち上げる際にジャッキを接触させる箇所のことです。
基本的にジャッキアップポイントは車体の下部にあり、ジャッキアップした際に車重が一点に集中しても耐えられるように補強されています。
ただし車体下部のどこがジャッキアップポイントなのかは車種によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
ジャッキアップポイントは、車の取扱説明書に詳しく記載されています。
取扱説明書を読んでもジャッキアップポイントが分からない場合は、ディーラーに問い合わせるか車の整備業者に作業を行ってもらいましょう。
また、タイヤがパンクした時など緊急時に備えて車には車載用のジャッキが搭載されています。
車載用のジャッキには主に「パンタグラフジャッキ」と「ガレージジャッキ」の2種類があります。
どちらを使うかによってもジャッキアップポイントは異なるため、注意が必要です。
ジャッキアップ前の準備

実際にジャッキアップする前に、必要な道具を揃える・リスク対策を講じるといった準備が必要です。
作業中に思わぬ事故を発生させないためにも、十分に事前準備をしておきましょう。
ここでは、ジャッキアップ前に必要な準備を詳しく解説いたします。
安全な作業環境の確保
ジャッキアップをするにあたって、まずは安全に作業できる環境を確保する必要があります。
ジャッキアップに適した作業環境の条件としては、以下の2つが挙げられます。
- 地面が平坦で硬い
- 交通の妨げにならない
砂利道・傾斜地・柔らかい地面など、不安定な場所でジャッキアップするとジャッキが倒れる恐れがあります。
必ず、舗装された硬く平坦な地面でジャッキを使用しましょう。
また、ジャッキアップは極力交通の妨げにならない場所で行うべきです。
走行中のパンクなどで路肩に停めて作業せざるを得ない場合、非常点滅灯や停止表示板を設置しましょう。
ジャッキ設置時のリスクと安全対策
ジャッキの設置時は、必ず車の取扱説明書をよく読み指定されたジャッキアップポイントにジャッキをかけましょう。
不適切な位置にジャッキをかけると、パーツの変形により作業中に車体が落下したり故障の原因になったりします。
また、ジャッキアップ中は絶対に車体の下へ入らないようにしましょう。
安定した場所にジャッキを設置していても、突発的な地震や突風により車体がバランスを崩す、ジャッキの経年劣化で急に破損して車体が落ちてくるといったリスクがあるからです。
ジャッキアップを伴う作業は大けが・死亡につながる重大な事故も起こりかねないため、十分な安全対策を心がけましょう。
必要な工具と準備
ジャッキアップに必要な工具は、以下の通りです。
- ジャッキ
- 輪止め
- リジッドラック(うま)
必要な工具を用意したら、ジャッキアップに備えて車のギアを「P」に入れてサイドブレーキをかけましょう。
エンジンを切り、車が動かないように輪止めで固定してから車のジャッキアップポイントを確認してください。
ジャッキアップとタイヤ交換の方法

実際にジャッキアップとタイヤの交換作業を行う方法を、以下より解説いたします。
ジャッキの設置と持ち上げ方
ジャッキの設置から車体を持ち上げるまでのやり方は、パンタグラフジャッキを使うかガレージジャッキを使うかで変わります。
それぞれの設置方法・持ち上げ方は、以下の通りです。
【パンタグラフジャッキ】
【ガレージジャッキ】
ガレージジャッキによるジャッキアップはバランスが不安定になりがちなため、車体を支える補助工具「リジッドラック(うま)」を必ず併用しましょう。
ジャッキアップ後のタイヤ交換方法
車をジャッキアップしたら、タイヤの交換作業に移ります。
タイヤ交換にはホイール・タイヤをセットで入れ替える「履き替え」とタイヤだけを入れ替える「組み替え」があります。
組み替えは専用の機器が必要なうえに、難易度の高い作業であるため、個人で行う場合は履き替えのみ行うようにしましょう。
タイヤ交換の方法については以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひご参考ください。

ジャッキを下げる際の注意点

ジャッキを下げるにあたって、必ず車体の下に人がいないか・物を置いていないかを確認します。
タイヤ交換時の安全対策として、地面と車体の間にタイヤを置くことが推奨されていますが、ジャッキを下ろす際はそのタイヤを取り出すことを忘れないようにしましょう。
また、ジャッキのハンドルを急激に回すと車体が急に落下する恐れがあるため、ハンドルをゆっくりと慎重に操作することが大切です。
急な落下は車体やジャッキに損傷を与えるだけでなく、大きな事故につながる可能性もあります。
さらに、ジャッキを完全に下ろす前に、タイヤが正しく装着され、ナットが十分に締められているかを確認することも忘れずに行いましょう。
タイヤ交換を自分で行うメリットと注意点

自分でタイヤ交換を行えば工賃が発生しないため、コストが抑えられる点はメリットです。
しかし、整備に関して知識・経験がない人がタイヤ交換を行うと以下のようなトラブルが発生するリスクも伴います。
- ジャッキアップのやり方を誤ったことによる事故
- ナットの締め方を誤ったことによる破損・脱輪
- 部品の紛失
また、作業に慣れていないと時間もかかるため非効率的な手段といえます。
一方で業者によるタイヤ交換なら、専門的な知識・技術を活かして安全にタイヤを取り付けてくれるため安心です。
作業時間も30分~1時間程度で終わることが多いため、時間を無駄に消費する心配もありません。
安全面・効率面を踏まえると、工賃が発生しても業者へ作業を依頼した方が賢明です。
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店舗購入の際は知識豊富なスタッフがタイヤ選びをサポートいたしますので、安心してお任せください。
交換作業においてはタイヤ交換に精通したプロが高い技術力を活かし、素早く確実な交換作業を実施いたします。
お急ぎでのタイヤ交換をご希望の方も、ぜひご相談ください。
タイヤ交換を行う際に使用するジャッキに関するよくある質問

最後に、タイヤ交換の際のジャッキに関してよくある質問について解説いたします。
タイヤ交換のジャッキは何トン必要ですか?
タイヤ交換に用いるジャッキの耐荷重は、車種によって変わります。
主な車種ごとの耐荷重の目安は、以下の通りです。
車種 | 耐荷重 |
---|---|
軽自動車 | 1.5トン程度 |
コンパクトカー | 2トン程度 |
セダン | 2.5トン程度 |
SUV | 3トン程度 |
ジャッキはかけっぱなしにしていいですか?
ジャッキを長時間かけっぱなしにすることは、大変危険です。
ジャッキだけで車体をもち上げている状態は不安定なため、長時間放置すると落下や横転の恐れがあります。
タイヤ交換時にジャッキが外れた場合はどうなりますか?
タイヤの交換時にジャッキが外れると、車体が落ちてサスペンションなどのパーツが損傷したり、最悪の場合は大けがにつながる恐れもあります。
万が一ジャッキが外れた場合は、JAFに救援を依頼のうえ対処してもらいましょう。
ジャッキ外れによる事故を起こさないためにも、事前に安全な作業環境の確保が重要です。
また、作業に慣れていない場合は無理に自分でタイヤを交換せず、業者に任せることをおすすめします。
まとめ
タイヤ交換の際に必要なジャッキは、主に動力が異なる4種類があります。
また、車載用として適しているジャッキには「パンタグラフジャッキ」と「ガレージジャッキ」があり、車種によってどれを使うべきかは変わります。
いずれにしても、必ず安全な作業環境を確保のうえ、安全対策を講じたうえでジャッキアップすることが大切です。
自分でジャッキアップのうえタイヤ交換を行うと車の損傷やけがのリスクを伴うため、不安な場合は無理をせず業者に依頼しましょう。
ENEOSウイングなら、全国各地の店舗にて優れたスキルを持つプロがタイヤ選びから交換までサポートいたします。
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