走行中、飛び石により車のボディやガラスに傷がつくケースは珍しくありません。
日頃から安全運転を心がけていても、思わぬタイミングで飛んでくる飛び石を回避することは困難です。
今回は飛び石の予防策に加え、傷がついた場合の修理方法や費用などについて詳しく解説いたします。
自分で修理をする方法や、「直すべき傷」と「放置してもいい傷」の違いについても記載していますので、参考にしてみてください。
車の飛び石とは
「飛び石」とは、前走車のタイヤに巻き上げられて飛んだ小石が自分の車に当たるトラブルのことをいいます。
ボディや窓ガラスの傷がつく原因のひとつとして知られていますが、飛び石は不意に発生するためドライバーがどれだけ注意をしていても回避は困難です。
特に高速道路はどの車もスピードを出しているため飛び石が発生しやすく、車へ与えるダメージも大きくなります。
また、トラックやダンプカーなどの大型車は大きな石が挟まりやすく、後ろを走行すればさらに深刻なダメージを受けかねません。
車の飛び石は11月〜3月にかけて急増する
飛び石は、スタッドレスタイヤを装着する車が増える11月~3月にかけて急増します。
スタッドレスタイヤは夏用タイヤよりも柔らかく溝が深いため、小石を挟みやすくなります。
特に初冬や初春は積雪が浅いため、挟まった小石が雪に妨げられず自車に飛んでくる可能性が高まるのです。
飛び石で車に傷がついた場合の修理方法(直し方)
飛び石で傷がつく主な部位は大きく分けてフロントガラスとボディの2種類があり、それぞれ対処の仕方が異なります。
フロントガラスに傷がついた場合
フロントガラスに傷がついた場合、傷の程度によって「リペア」「交換」のどちらかで対処をします。
リペア
以下に当てはまる傷であれば、リペアでの対処が可能です。
- 500円玉以下のサイズ
- ガラスの端から10~20cm程度離れた場所にある
- 傷がついて間もない状態
フロントガラスは、傷がついてもすぐに全面が割れることはありません。
ただし放置すると振動・風圧・温度変化などにより傷が伸長する恐れがあります。
傷を確認したら速やかにプロへ相談し、リペアをしてもらいましょう。
交換
以下に当てはまる傷の場合は、フロントガラスの交換が必要です。
- 500円玉を超えるサイズ
- ガラスの端に近い場所にある
- 長時間にわたって放置された状態
フロントガラスの傷は放置すると伸長するだけでなく、傷の内部にホコリ・ゴミ・水分などの異物が侵入します。
異物が侵入した状態ではリペアに必要な補修材が入らなくなるため、交換となる場合が多いです。
本来はリペアで済むはずだった傷でも速やかな対処を怠れば交換となり、高額な出費が生じるため注意が必要です。
ボディに傷がついた場合
ボディに傷がついた場合、プロに修理を依頼することが一般的な対処法です。
飛び石でボディにつく傷の多くは目立ちませんが、小さな傷でも放置すれば錆びや水アカの原因となるため早めの対処を心がけましょう。
小さい傷なら傷消し剤を使用して自分で修理することも可能
爪で撫でても引っかからない、または水に濡らすと目立たなくなる程度の小さな傷であれば自分で修理することも可能です。
自分で修理を行う場合は市販の傷消し剤を使用しますが、傷消し剤には複数のタイプがあるため傷の状態に合わせて選びましょう。
主な傷消しの方法としては以下の3つが挙げられます。
- タッチペン
- スプレー
- コンパウンド
タッチペン
タッチペンは細い棒状になっており、先端から傷消し剤を塗布します。
スプレーや刷毛などでは塗布が難しい入り組んだ箇所の傷や、ごく小さな傷の補修に最適です。
他のアイテムよりも比較的扱いやすいですが、ボディカラーに合わない商品を使用すると傷の部分だけ浮き上がって見えるため注意が必要です。
スプレー
スプレーは、数回拭きかけることで簡単に傷を目立たなくすることができるタイプの傷消し剤です。
傷の研磨や埋め込みなどの効果はなく、広範囲かつ浅い傷の修理に適しています。
扱いに慣れていないとムラになりやすいというデメリットがあるため、初心者の方は使用するかどうかを慎重に考えましょう。
コンパウンド
コンパウンドとは、粒子でボディの表面を研磨して傷を目立たなくするタイプの傷消し剤です。
粒子の粗さは粗目・細目・極細目など様々で、傷の深さや大きさに合わせて使い分けます。
傷消しに加えて磨き上げの効果もある優れものですが、扱い方を誤ると逆に車に傷がつくため正しい方法で修理を行うことが大切です。
ただしDIYはリスクが大きい
市販の傷消し剤による修理に成功すれば、プロに修理を依頼した場合よりも費用を安く抑えることができます。
しかし車の傷消しには専門的な知識と技術が必要であるため、初心者の方は取扱説明書を見ても思うような仕上がりにならない可能性が高いです。
使い方を誤ると傷の状態が悪化し、修理費用がより高額となるリスクも潜んでいます。
DIYで傷を修理する場合は上記のリスクを承知のうえで実践するべきですが、技術や知識に自信がない方は迷わずプロに依頼することをおすすめします。
飛び石での傷修理はどこでできる?
飛び石でついた傷の修理を依頼できる主な業者は、以下の4種類です。
板金・リペア専門店
町の板金・リペア専門店は、ディーラーやカーケアショップのように作業がマニュアル化されていません。
そのため傷や車の状態に合わせて、修理方法・価格などに関する希望に対し柔軟に応えてもらえる傾向にあります。
ただし技術力や修理方法などはお店によって異なるため、初めて板金・リペア専門店を利用する場合は評判や信頼性などを事前に調べたうえで依頼先を選びましょう。
ディーラー
メーカーと特約店契約を結んだ正規販売店であるディーラーは、そのメーカーにおける車の修理依頼も可能です。
自社の車について熟知したスタッフが対応してくれる他、手厚い保証も用意してくれるなど質の高いサービスに期待ができます。
その一方、修理・交換は正規品のみを取り扱っているため費用が高額になりやすいです。
また、部品の在庫がなければ修理を断られる場合や修理完了までに時間を要する場合があります。
カーケアショップ
車のパーツやタイヤ、オイルなどカーケアに関するアイテムを取り扱っている大手カーケアショップでも、修理の依頼が可能です。
店舗数が多いだけでなく、交換となった場合は店舗にある数多くの商品から代替品を見つけて対応してくれます。
価格も比較的リーズナブルですが、店舗によっては軽微な傷・ヘコミの修理しか対応していない場合があるため注意が必要です。
損傷が著しい車や改造車の修理は、断られる可能性があります。
ガソリンスタンド
全国各地に点在するガソリンスタンドも、店舗によっては車の修理を依頼することができます。
給油や洗車など、日常的なカーケアのついでに修理依頼と見積もりをとってもらえるため高い利便性が魅力です。
ただしカーケアショップと同じく、店舗によっては深刻な損傷の修理は不可能とされる場合があります。
まずは、板金修理が可能なお近くのENEOSウイング店舗へご相談ください。
飛び石での傷修理にかかる費用(料金)
飛び石の場合、傷の状態や場所によって修理にかかる費用が異なります。
ここでは、飛び石で傷がつきやすいフロントガラスとボディに分けて修理費用の相場をご紹介いたします。
フロントガラスに傷がついた場合
フロントガラスにかかる修理費用の相場は、以下の通りです。
修理 | 15,000円~30,000円程度 |
交換 | 70,000円~100,000円程度 |
フロントガラスには、海外品・国産品・社外品・中古品・純正品など様々な種類があります。
加えてUVカットやIRカット機能の有無によってフロントガラス代金は大きく異なるため、上記の価格はあくまでも目安としてください。
ボンネットなどボディに傷がついた場合
ボディについては、以下の通り傷がついたパーツによって費用の相場が変わります。
ボンネット | 25,000円~60,000円程度 |
バンパー | 15,000円~35,000円程度 |
ドア | 30,000円~60,000円程度 |
パーツ以外にも「軽い擦り傷か?」「ヘコミを伴うのか?」など、傷の程度によって費用が変動します。
ヘコミを伴う傷の場合は修理期間が長引く可能性があるため、必要に応じて代車を手配する費用も考慮しましょう。
飛び石でついた傷の修理に保険は使える?
飛び石で傷がついた場合の費用も、車両保険の補償対象です。
加入している車両保険に免責がある場合、実際の修理費用から免責金額を差し引いた分の保険金が支給されます。
ただし保険を使うと、翌年から等級が下がるため注意が必要です。
等級が下がると保険料が増額されるため、修理費用によっては自己負担の場合よりも出費がかさみ損をする結果に陥ります。
飛び石での傷修理にかかる時間
飛び石の傷修理に要する時間・期間は、費用と同じく傷の程度や依頼先などによって変わります。
フロントガラスの修理・交換の場合
フロントガラスの場合、軽微な傷であれば1時間程度で修理が完了します。
交換は接着剤を乾燥させる時間を合わせると、3~4時間程度を要します。
ただし、ディーラーなど作業を外注する業者の場合は修理でも数時間~1日以上かかることが多いため注意が必要です。
ボディの修理の場合
ボディは10cm以内に留まる大きさの擦り傷であれば、数時間~半日で修理が完了します。
ヘコミを伴う傷やドアについた傷の修理は作業が複雑になるため、数日~1週間程度かかると考えて良いでしょう。
飛び石でついた傷を放置しておいてもいい?
飛び石による傷がごく小さなものであった場合、「修理すべきか放置しても良いのか」の判断に迷う方も多いことでしょう。
傷の程度にかかわらず修理をした方が安心できますが、放置をしても大きな影響は及ばない傷もあります。
すぐに修理が必要な傷
以下の特徴に当てはまる傷は、速やかな修理をおすすめします。
- ボディの鋼板部分まで達している傷
- フロントガラスの運転視界を妨げる場所にある傷
ボディの場合、塗装の下にある鋼板部分にまで達する傷があるとそこから水分や汚れが浸透して錆びの原因となります。
ボディが錆びると穴が空いたり、劣化を早める原因となるため早急な修理が必要です。
また、フロントガラスについた傷で運転視界が妨げられる場合も修理をおすすめします。
安全運転に支障をきたすだけでなく、そのままでは車検の保安基準をクリアすることができない可能性があるからです。
すぐに修理しなくても影響が少ない傷
放置しても大きな影響が及ばない傷の特徴は、以下の通りです。
- ボディの鋼板部分まで届かない傷
- フロントガラスの端から10cm~20cm程度離れた小さな傷
ボディの鋼板部分まで届かない、ごく浅い傷であれば錆びが発生するリスクは低いです。
ただし見た目を損なうことに変わりはないため、気になるようであれば修理を依頼するか傷消しアイテムを使用しましょう。
フロントガラスの傷は端から10cm~20cm程度離れており、かつビー玉以下のサイズであれば放置をしても広がりにくいです。
ただし急激な温度変化や風圧には弱いため絶対に広がらないとは断言できず、万が一広がった場合は修理で対応しきれず交換となるリスクが伴います。
将来的なリスクを考えると、傷が小さいうちに修理を依頼する方が賢明な判断と言えます。
【豆知識】飛び石の責任は誰にあるのか?
不意な飛び石の被害で車に傷がついた場合、飛び石の原因となった車のドライバーに責任を問いたいという気持ちもあることでしょう。
しかし飛び石は自車のフロントタイヤから巻き上げられて飛んでくるケースもあるため、他車に責任を問う際は相手に過失があることを立証する必要があります。
ドラレコなどでの記録映像があっても立証は難しい
交通事故の「過失」は、一般的に安全運転の義務に反した行為とみなされる場合に認められます。
飛び石は通常の走行に伴って生じるトラブルではあるものの、いつ生じるかは予測が不可能です。
また、飛び石そのものは運転者の危機管理によって発生をコントロールできるものではありません。
そのためドライブレコーダーなどで一部始終の記録に成功しても、相手に責任を問うことは非常に困難です。
飛び石被害の予防方法
飛び石は自分のせいでなくても誰かに責任を問うことが難しいため、事前に予防策を講じることが大切です。
完全に飛び石の被害を防ぐ方法はありませんが、以下のポイントに注意しながら走行をすれば被害のリスクを抑えることができます。
前走車との車間距離を十分にあける
万が一飛び石が発生しても、前走車との距離を十分にあけることで車に及ぶダメージを軽減させることができます。
特に高速道路では、走行速度と同じくらいの車間距離をあけるように心がけましょう。
大型車の後ろは比較的飛び石が発生しやすいため、可能な限り避けて走行するように意識するか余分に距離を取るという手もあります。
適正な速度を守る
スピードを出すほど飛び石に強く当たるため、車に及ぶダメージも大きくなります。
さらに自車から飛び石が発生する可能性も高まるため、高速道路・一般道路にかかわらず必要以上にスピードを出すことは避けましょう。
タイヤの溝に小石が挟まっていないか点検をする
タイヤの溝に小石が挟まったまま走行すると、その小石が遠心力で勢いよく飛び出し他の車に被害を与えます。
特にスタッドレスタイヤは小石を挟みやすい形状となっているため、こまめにチェックしておきましょう。
飛び石での傷に関するよくある質問
飛び石での傷に関してよくある質問を、回答と一緒にまとめました。
- 飛び石での傷を直せる修理キットはありますか?
-
軽微な傷に関しては、市販のタッチペン・スプレー・コンパウンドなどの傷消し剤で目立たなくすることは可能です。
ただし扱い方を誤ると状態が悪化する恐れがあるため、初心者の方や技術に自信がない方はプロに依頼することをおすすめします。
- 飛び石でついた小さい傷は修理した方がいいですか?
-
飛び石でついた傷は、どのようなサイズでも修理をおすすめします。
放置すればボディは錆びや劣化が早まり、フロントガラスは温度変化などで悪化する恐れがあります。
当初よりも高額な費用を支払って修理をする結果となるリスクを考えると、傷を見つけたら速やかな修理をするべきと言えます。
- 飛び石でフロントガラスにヒビが入った場合、交換の判断基準は?
-
フロントガラスの場合、以下の特徴に当てはまる傷は交換となる可能性が高いです。
- 500円玉を超えるサイズ
- ガラスの端に近い場所にある
- 長時間にわたって放置された状態
上記に当てはまらなくても、運転時の視界を妨げる場所や端から10cm~20cm程度の場所にある傷は修理の依頼をおすすめします。
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まとめ
飛び石は前走車や自社のタイヤに巻き上げられた小石に当たり、車に傷がつくトラブルのことをいいます。
ボディやフロントガラスに傷がつく場合が多く、サイズや位置にかかわらず早急に修理を依頼することが車の劣化を抑えるためのポイントです。
自分がどれだけ注意をしても飛び石は回避することができず、他の車が原因だったとしても賠償責任を問うことは基本的にできません。
車間距離をあける、速度を出しすぎないなどの対策を講じて車に及ぶ被害を最小限に抑えることが大切です。
飛び石でついた車の傷にお悩みの方は、ぜひお近くのENEOSウイングスタッフにお声がけください。
お客様のご希望やご予算にあわせて、最適な修理をご提案させていただきます。
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