車のこすり傷の修理は自分でできる?修理方法や自分で修理できる傷の見分け方を徹底解説

縁石や他の車、飛び石など車にこすり傷ができるリスクは日常のあらゆるシーンに潜んでいます。

こすり傷ができた場合は早めに修理を済ませる必要がありますが、プロではない方が自分で修理を行うことはできるのでしょうか。

今回は車のこすり傷ができる原因や塗装の構造などの基礎知識に加え、自分でこすり傷を修理する方法を傷消しアイテムごとにご紹介いたします。

業者に修理を依頼する場合の費用相場なども解説していますので、参考にしてみてください。

目次

車のこすり傷とは

車の「こすり傷(擦り傷)」とは障害物や他の車などと接触した際に生じる傷のことで、多くの場合塗装剥がれも伴います。

また、傷のつき方や深さによっては「線傷」や「ひっかき傷」と呼ばれることもあります。

車のこすり傷の種類

こすり傷という枠組みの中にある線傷やひっかき傷はどのような特徴があり、どんなシーンでつくことが多いのでしょうか。

以下より、線傷や引っかき傷について詳しく解説いたします。

線傷

線傷

線傷とは、文字通り細長い線状となっている傷のことを指します。

コンクリートや草木との接触、飛び石の被害で生じることが多いです。

また、ドアの開閉時にアクセサリーやキーホルダーなど身の回り品と擦れて、ドアノブ付近に線傷がつくケースもあります。

ひっかき傷

ひっかき傷

爪のような鋭利なものでひっかかれたような、線状の傷が多数ついている傷のことをひっかき傷と呼びます。

走行中または駐車時に縁石・段差と接触したり、洗車中に摩擦が生じたりしてひっかき傷になることが多いです。

状況によってはごく表面的なダメージで済むこともあれば、塗装の下地まで剥がれる深い傷になることもあります。

車の塗装構造と傷の深さの見分け方

車の塗装は基本的にクリア層・カラー層・下地層の3層構造になっており、ダメージがどこまで及んでいるのかによって適切な修理方法が変わります。

自分で修理を行おうと考えている方は、塗装構造や傷の深さの見分け方も理解しておきましょう。

クリア層

クリア層とは、塗装の最上層に施されている透明な層のことです。

ボディに光沢を与える他、カラー層を水分や汚れなどから保護する役割もあります。

爪で撫でても引っかからない傷や水に濡らすと目立たなくなる傷は、クリア層にのみダメージが及んでいると考えられます。

その場合は市販のコンパウンドなどを使い、比較的簡単に修理することが可能です。

カラー層

クリア層の下に位置するカラー層は、ボディカラーを引き立たせる役割があります。

カラー層にまでダメージが及んでいると下地層の白色が露出し、コンパウンドやスプレーなどでは補修しきれないことも多いです。

DIY修理が不可能という訳ではありませんが、クリア層に留まる傷と比べて作業の難易度が大幅に上がるため、不安な方は業者に依頼することをおすすめします。

下地

下地層は塗装の最下層にあり、塗料と密着しやすくしたり金属部分のサビを防いだりする役割があります。

下地層まで届く深い傷の場合はボディの金属部分が露出し、サビが発生するリスクが高まります。

修理には入念な下地処理も必要になるため、プロではない方のDIY修理はおすすめできません。

自分で修理できない傷

車についた傷は、すべてを自分で修理できるとは限りません。

例えば以下の特徴に当てはまる傷は修理に高度な技術を要するため、業者に相談する必要があります。

深い傷とガリ傷

車に付いた深い傷

カラー層が剥がれて下地が見えているガリ傷や、ボディにへこみ・サビなどが発生している場合の修理はプロへの依頼をおすすめします。

深い傷は単に塗装を施すだけでなく、パテによる埋め込みや専用の工具を用いた作業を要する場合があるからです。

自分で行うとなれば失敗する可能性が高まるだけでなく時間や手間がかかるため、最初から業者に依頼をした方が賢明と言えます。

フレームについた傷

車の骨組みにあたるフレームは、走行の安定性や安全性に直結する重要な部位です。

フレームの損傷は修理工程が非常に複雑かつ、市販されているアイテムでは対応することができません。

フレームに傷や変形が見うけられる場合は、速やかに業者へ相談しましょう。

車体の鉄板が見えている傷

塗装の下地層も剥がれて車体の鉄板(金属部分)まで露出しているような傷は、すでに発生しているサビの処理やサビを発生させないための下地処理が必要になります。

カラー層までの損傷よりもさらに多くの工程を踏んで修理しなければならず、難易度も高くなります。

放置をすればサビが塗装内部で広がる恐れがあるため、車体の鉄板が見えるほど深い傷がついたら迷わず速やかに業者へ相談しましょう。

傷の範囲が広範囲に広がっている

車の広範囲に及ぶ傷

市販の傷消しアイテムは小さな傷の補修に適しているものが多く、広範囲に及ぶ傷は修理することが難しくなります。

傷消しアイテムの中には広範囲の傷もカバーできるスプレータイプの製品もありますが、色ムラが生じないよう均等に吹き付ける作業は難しく慣れていないと失敗する可能性が高いです。

範囲が10cm以上に広がっている傷をきれいに直すのであれば、業者に修理を依頼しましょう。

自分で車のこすり傷の修理を行う際に必要なアイテム

自分で車の傷を修理するには市販の傷消しアイテムが必要となりますが、傷消しアイテムは実に様々な種類があり傷の度合いによって使うべきものは異なります。

以下より、こすり傷の修理に使われることが多いアイテムとそれぞれの特徴をご紹介いたします。

シール

傷部分の上からボディカラーに合ったものを貼り付け、傷を隠すシールタイプのアイテムです。

研磨や塗装などの作業は必要なく、技術力も求められないため簡単に傷を目立たなくさせることができます。

ただし愛車のボディカラーと完全に一致するシールがあるとは限らず、傷が深い場合は多少の凹凸が生じることもあります。

タッチペン

ペンのように細長い容器に塗料が入っているタイプのアイテムで、小さな傷や細い傷をピンポイントに補修することができます。

脱脂などの下地処理が必要ですが、上手に使えば傷をほとんど目立たなくさせることが可能です。

ただし単純に傷をなぞるだけではかえって傷が目立つこともあるため、使用には後述するコツを意識する必要があります。

コンパウンド入りワックス

コンパウンド入りワックス

通常ワックスは塗装のツヤを出すために用いられるアイテムですが、ワックスの中にはコンパウンドが含まれている製品もあります。

傷部分に塗り込むだけで表面を研磨しながら塗装をコーティングすることができるため、扱いが簡単かつ利便性も高いことが特徴です。

パテ

パテ

パテは深い傷やへこんだ部分を埋めて補修するためのアイテムです。

ペースト状の製品が多いですが、他にも曲面に使いやすい粘土タイプや軽量なマイクロバルーン配合タイプなどもあります。

パテを使った修理はただ傷を埋めるだけでなく、脱脂・下塗り・塗装・研磨など様々な作業工程が生じるため難易度は高いです。

コンパウンド

車のこすり傷修理に用いるアイテムとして代表的なものが、コンパウンドです。

細かな粒子が配合されており、傷の方面を削ることで目立たなくさせることができます。

粗目・細目・極細目など粒子の大きさは様々で、傷の状態や作業工程に応じて使い分ける必要があります。

修理方法はこすり傷の度合いで試みよう

各傷消しアイテムの特徴を見ても、具体的にどんな傷がついたときに使えば良いのかという疑問が残る方もいるはずです。

使用する傷消しアイテムを選ぶときは、以下の基準を目安にすると良いでしょう。

小さな剥がれ・傷ならタッチペンやシール

タッチペン

飛び石などが原因の小さな塗装剥がれ・傷なら、タッチペンやシールの使用がおすすめです。

タッチペンは広範囲の傷補修には適していない反面、ごく小さな損傷にピンポイントで塗料を塗りこむことができます。

また、割り箸など先端が尖ったモノを併用すればより小さな塗装剥がれ・傷にも対応可能です。

シールの場合は、シールを貼り付けるだけで完了するので、初心者や難しい作業が苦手な方も簡単に修理が完了します。

細かい傷が入っている場合はコンパウンド入りワックス

タオルで拭き取りと艶出し

ボンネットやトランクなど平らな箇所に細かい傷がついた場合は、コンパウンド入りワックスでのケアが適しています。

コンパウンド入りワックスは伸びやすくある程度広範囲な傷もカバーすることができるうえに、研磨とツヤ出しの相乗効果で浅い傷なら長時間目立たなくなる効果もあります。

浅い傷の場合はコンパウンド

障害物との接触や洗車による浅いひっかき傷であれば、コンパウンドの使用が最適です。

徐々に粒子の大きさを小さくしながら研磨を続けることで、表面の凹凸がなくなり傷が目立たなくなります。

傷の他、塗装表面に付着した水垢や軽微な塗装の酸化もコンパウンドできれいに落とすことが可能です。

自分で行う車のこすり傷の修理方法(手順)と費用

ここでは、各傷消しアイテムを使った実際の修理方法や費用相場について詳しくご紹介いたします。

「シール」を使った修理方法

シールは傷部分に貼り付けるだけで補修が済むため、他のアイテムよりも使いやすく費用も安価な傾向にあります。

凹凸が深くないごく表面的な傷の応急処置として使うと良いでしょう。

準備物・費用

シールを使った修理には、以下の道具が必要です。

  • シール
  • 洗車道具
  • ハサミ

シールはカー用品店やECサイトなどで、900~2,000円程度で購入することができます。

なお、シールはカットが必要なものもあれば、あらかじめ様々な形状・サイズにカットされているものもあります。

傷の状態や好みに合わせて選びましょう。

手順

シールを使った傷修理の手順は、以下の通りです。

STEP
洗車でボディの汚れを落とし、水気をよく拭き取る
STEP
シールを傷の大きさに合わせてカットする
STEP
カットしたシールを空気が入らないように傷の上から貼り付ける
STEP
気泡やシワがないか確認しながらしっかりと押さえつけて修理完了

シールによる修理は非常にシンプルな作業工程で完了しますが、ゆっくりと丁寧に貼り付けなければ気泡やシワが目立ってしまうため注意が必要です。

どうしても空気が入ってしまう場合は、傷の表面に薄めた石鹸水などで濡らすと貼りやすくなります。

なお、シールにも様々なカラーがあるため、愛車のボディカラーに対応したものを選ぶ必要があります。

愛車のカラーは「コーションプレート」に記載されているため、あらかじめ確認しておきましょう。

シールを使った修理のポイントや注意点

シールを貼り付けるにあたって、密着性を高めるためにも表面の汚れはしっかりと落としておきましょう。

また、製品によっては開封前から傷がつくことを防ぐためシール表面に保護シートが貼り付けられていることもあります。

開封したら保護シートの有無を確認し、使用前に必ず剥がしましょう。

「タッチペン」を使った修理方法

タッチペン

ワンポイントのごく小さな塗装剥がれ・傷の補修には、タッチペンが適してます。

タッチペンの扱いも比較的簡単ですが下地処理や研磨を伴うため、事前に正しい使い方を理解しておきましょう。

準備物・費用

タッチペンを使った修理には、以下の道具が必要です。

  • タッチペン
  • マスキングテープ
  • 液体コンパウンド
  • 耐水ペーパー
  • シリコンオフ

タッチペンは1,000円程度で販売されており、他の道具もすべて揃えると2,000~3,000円程度かかります。

手順

タッチペンを使った修理の手順は、以下の通りです。

STEP
洗車で車全体の汚れを落とし、水気をよく拭き取る
STEP
シリコンオフで傷表面に付着した油分を落とす
STEP
傷の周囲をマスキングテープで保護する
STEP
タッチペンで点を打つように少しずつ傷を埋める
STEP
傷を埋めたら塗料を乾燥させて塗り重ねる
STEP
傷口が盛り上がるまで塗料を重ねる
STEP
完全に乾燥させてマスキングテープを剥がし、さらに1週間ほど乾燥させる
STEP
耐水ペーパーを濡らして塗料で盛り上がった傷口を研磨する
STEP
傷口が平らになったら液体コンパウンドで研磨して作業完了

耐水ペーパーで研磨するときは、目が粗いものから使い徐々に細かい目に切り替えていきましょう。

これにより、表面が滑らかに仕上がりやすくなります。

なお、その場限りの応急処置としてタッチペンを使う場合はマスキングや長期間の乾燥、研磨を行わなくても問題はありません。

しかしタッチペンで傷を埋めるだけだと傷の箇所が盛り上がり目立つ可能性があるため、自然な仕上がりにしたい場合は上記の手順をすべて踏まえて補修を行いましょう。

タッチペンを使った修理のポイントや注意点

タッチペンにも様々なカラー・サイズが展開されているため、愛車のボディカラーや傷の大きさに合うものを選ぶことが大切です。

また、タッチペンのサイズに対して傷が小さい場合は割りばしなど先端が鋭利なものを使って少しずつ塗料を乗せると、過剰な塗布を防ぐことができます。

「コンパウンド入りワックス」を使った修理方法

クロスでワックスを塗布

研磨とツヤ出しという2つの効果を併せ持つコンパウンド入りワックスも、使用手順が比較的簡単で気軽に使うことができます。

爪に引っかからない、または光の加減で見えたり見えなかったりするごく浅い傷の補修に利用しましょう。

準備物・費用

コンパウンド入りワックスを使った修理には、以下の道具が必要です。

  • コンパウンド入りワックス
  • ワックスを塗布するためのクロス
  • きれいな布

コンパウンド入りワックスは、900~2,000円程度で購入可能です。

製品によっては、ワックスと塗布用のクロスがセットになっていることもあります。

手順

コンパウンド入りワックスを使った修理方法は、以下の通りです。

STEP
洗車で車全体の汚れを落とし、水気をよく拭き取る
STEP
クロスにワックスを少量取り、傷部分に塗り広げる
STEP
傷が目立たなくなるまで研磨を続ける
STEP
ワックスを一定時間乾燥させる
STEP
ワックスが乾いたら残さず丁寧に拭き取る

コンパウンド入りワックスにも、「ホワイト系」「ダーク・ブラック系」などのカラー展開があります。

ホワイト系の車は黄ばみや水垢が目立ちやすくなるため、ワックスも比較的粒子の粗いコンパウンドが使われており、研磨力が強いです。

一方でダーク・ブラック系の車は研磨による傷が目立ちやすいため、ワックスは粒子が細かく研磨力が控えめない傾向にあります。

愛車のボディカラーに合わないコンパウンド入りワックスを使うと、それぞれが持つ本来の性能が発揮されない可能性があるため注意が必要です。

ちなみに、傷消し用ワックスにはコンパウンドが入っていないタイプもあります。

コンパウンドが入っていないワックスは、傷に塗り込むことで凹凸を埋めて目立たなくさせることが可能です。

コンパウンド入りタイプよりも塗装に大きな負荷を与えないため、研磨によるダメージが不安な方はコンパウンドが入っていないものを選んでも良いでしょう。

コンパウンドの有無にかかわらず、基本的な使い方は上記と大きな違いはありません。

コンパウンド入りワックスを使った修理のポイントや注意点

コンパウンド入りワックスは研磨力があるため、当然ながら力任せに擦り付けるような使い方はおすすめできません。

また、いきなり大量のワックスを塗りつけるときれいに仕上がらない可能性があるため、少量ずつ丁寧に塗り込むことを心がけましょう。

「パテ」を使って凹み傷を修理

パテ

深い傷やへこみのある傷には、パテで凹凸を埋める修理方法がおすすめです。

ただしパテだけでなく、コンパウンドなどを使った研磨や脱脂など様々な作業も伴うため、他のアイテムよりも補修に手間がかかります。

準備物・費用

パテを使った修理に必要な道具は、以下の通りです。

  • パテ
  • 耐水ペーパー
  • シリコンオフ
  • ぼかし剤
  • 液体コンパウンド
  • マスキングテープ
  • カラースプレー

パテは1,500~3,000円程度で販売されており、すべての道具を揃える場合は5,000円前後の費用を要します。

手順

パテを使った修理の手順は、以下の通りです。

STEP
洗車で車全体の汚れを落とし、水気をよく拭き取る
STEP
耐水ペーパーで塗装を剥がしてからシリコンオフで油分を落とす
STEP
傷の周囲をマスキングテープで保護する
STEP
傷部分にパテを塗り込み、15~20分程度乾燥させる
STEP
パテが乾燥したら、盛り上がっている部分を耐水ペーパーで研磨する
STEP
面が滑らかになったら削りカスを洗い流し、シリコンオフで脱脂する
STEP
パテを塗った部分にぼかし剤を吹き付ける
STEP
ぼかし剤が乾かないうちにカラースプレーで塗装する
STEP
カラースプレーを3~5回程度吹き付けたら1週間程度乾燥させる
STEP
仕上げに液体コンパウンドで研磨して作業完了

傷部分がへこんでいる場合はへこみの深い部分にパテを厚く盛り、へこんでいない部分に向かって薄く広げていきましょう。

耐水ペーパーで研磨するときは、粗目から細目へ徐々に切り替えていくと滑らかに仕上がります。

その際、パテを塗った部分の外側から磨いていくとパテと塗装面の段差がなくなり、平らに仕上げやすくなります。

削り過ぎにならないよう、こまめにパテとボディに触れながら削り具合を丁寧にチェックすることも心がけましょう。

カラースプレーによる塗装は、そのまま吹き付けるとスプレーダストで表面にザラつきが生じることがあります。

スプレーダストを防ぐため、事前にぼかし剤を吹き付けておくことも大切です。

パテを使った修理のポイントや注意点

傷の表面に汚れや油分が残っているとパテの密着性が落ちるため、作業後に剥がれてしまう可能性があります。

洗車・塗装を剥がすための研磨・脱脂といった下準備を入念に行うことで、パテが密着しやすくなります。

また、メタリック塗装・パール塗装・マイカ塗装など光沢のある塗装が施されている場合は、カラースプレーによる塗装後にクリアー剤も吹き付けておきましょう。

「コンパウンド」を使った修理方法

コンパウンド

細かなこすり傷の補修に最適なコンパウンドは、汎用性の高い傷消しアイテムとして多くのドライバーに使われています。

ただしコンパウンドは研磨剤であるため、扱い方を誤ると傷を増やす原因となります。

準備物・費用

コンパウンドを使った修理に必要な道具は、以下の通りです。

  • コンパウンド
  • きれいな布またはスポンジ
  • マスキングテープ

コンパウンドは、粒子サイズが異なるタイプを複数揃える必要があります。

1つあたり数百〜1,000円程度、複数のコンパウンドがセットになった製品でも2,000円前後で購入可能です。

手順

コンパウンドを使った修理の手順は、以下の通りです。

STEP
洗車で車全体の汚れを落とし、水気をよく拭き取る
STEP
傷の周囲をマスキングテープで保護する
STEP
水で濡らしたスポンジや布にコンパウンドをつけて傷部分を磨く
STEP
傷が目立たなくなってきたら、2よりも細かい粒子のコンパウンドで研磨する
STEP
仕上げに液体コンパウンドで研磨したら作業完了

コンパウンドを使用する場合も、ボディに汚れが付着したままだと余計な摩擦が生じて状態が悪化する恐れがあります。

使用前に必ず洗車を行い、水気が残らないようしっかりと拭き上げをしましょう。

また、コンパウンドは粒子の粗いものから細かいものへ切り替えるように使うことで、傷の表面が滑らかになりきれいに仕上げることができます。

ただし傷の深さに応じて使用するべきコンパウンドの粗さは異なるため、まずは細かいものから試してみることも1つの手です。

コンパウンドを替える際、同じスポンジや布を使い回すことは避けましょう。

粒子の粗いコンパウンドが残ったスポンジや布を使うと、表面を滑らかに仕上げることが難しくなります。

コンパウンドを使った修理のポイントや注意点

コンパウンドで研磨するときは、傷の向きに沿って一方向に磨きましょう。

力任せに擦るとボディが変色したり、かえって傷が深くなる恐れがあるため注意が必要です。

また、ボディにガラスコーティングを施していると、コンパウンドの使用で被膜が剥がれることがあります。

コンパウンドで修理を試みる場合は、事前にコーティングを施工した業者へ相談することをおすすめします。

自分で車のこすり傷を修理する際の注意点

手順だけを見れば簡単に思えるこすり傷の修理ですが、ただ手順を追って行うだけでは失敗により状態を悪化させる可能性が高くなります。

自分でこすり傷を修理する場合、以下のポイントを踏まえて本当に自力で実行できるのかどうかを考えることが大切です。

修理前に塗装の構造を理解しておく

先述したように、車のボディはただ塗料だけが塗られている訳ではなく、何層にもわたり加工が施されています。

愛車についた傷はどの層にまでダメージが及んでいるのかを見極め、傷の深さに応じて最適な方法で修理を行う必要があります。

そのため、自分で修理を行うには塗装に関する知識と適切な修理を行う技術力を身に付けておかなければなりません。

無理をしない

深いこすり傷やへこみを伴うこすり傷、フレームについたこすり傷などは、修理作業の難易度が大幅に上がります。

一般の方が対応することは不可能ではありませんが、仕上がりが悪くなりかえって損傷が目立つ可能性が高いです。

きれいな状態に補修ができる自信がない方は、無理をせず業者に依頼しましょう。

きれいに仕上げられるのかよく検討して行う

傷の具合や使用するアイテムによっては時間がかかり、技術力不足や時間がなくなることへの焦りからきれいに仕上がらなかったというケースも見受けられます。

また、知識があっても実際に傷を見るだけで適切な修理方法や塗料の塗り方、研磨の具合まで見極めることは非常に困難です。

車のこすり傷修理にはこのような難しさがあることも考慮のうえ、本当に自力できれいに仕上げることができるのかを慎重に考えましょう。

自分で車のこすり傷を修理した際のリスク

知識・技術力・修理経験がない一般の方が無理に自分でこすり傷を修理すると、以下のようなトラブルにつながる可能性があります。

サビの防止ができず内部にサビが広がる

塗装剥がれを伴う擦り傷は、損傷個所から水分が入り込むと塗装の内部でサビが発生し少しずつ広がっていきます。

サビの防止には下地処理や塗装が必要になりますが、プロではない方が行うと損傷個所の処理や保護が正しくできず、気が付かないうちにサビを発生させるリスクがあるため注意が必要です。

プロに依頼するより費用がかかる可能性がある

車のこすり傷修理は、市販のアイテムを使えば数千円程度で済むためコストを削減する手段としては有効的です。

しかし修理に失敗すると損傷個所が広がったりさらに深い傷に変化し、結果として本来よりも高額な費用を伴う修理が必要となるリスクがあります。

査定額に響く可能性がある

自分で修理を行った結果元通りに近い状態へ戻すことができないと、車を売却したときの査定額に影響が出る可能性があります。

本来であれば少しの減額で済んだはずの傷も、無理に自分で修理を行うと少しの色ムラや塗料とボディカラーの差で大幅な減額につながるのです。

将来車を売却する予定がある方は自分で修理を行うことを避け、高い技術力で質の高い仕上がりを実現してくれる業者に依頼をしましょう。

塗装が本来の色と合わずに浮いてしまう可能性がある

タッチペンやカラースプレーなど、傷の上から塗装を施して傷を目立たなくさせるアイテムを使う場合は愛車のボディカラーに対応したものを選ぶ必要があります。

しかし再現が難しい特殊な塗装を使っている車の場合、その色合いに対応したアイテムが販売されておらず、同系色のアイテムを使っても修理箇所が浮いてしまいます。

色選びを誤れば改めて業者に依頼する手間が増えるうえに、美観も大きく損なわれるというリスクを避けるためにも最初から業者に依頼をした方が安心です。

こすり傷の悪化を防ぐなら迷わずプロへ相談を!

自分でこすり傷の修理を行った末に失敗すると、「コストを削減できる」というメリットを大きく上回るデメリットにつながりかねません。

より元通りに近い状態まで傷を修理し、その後も安心して車を使い続けるためにもプロへの相談・修理依頼がおすすめです。

車のこすり傷修理をプロに依頼することで、以下のようなメリット・デメリットが生じます。

プロへ依頼するメリット

車の傷修理のプロは、塗装や車の損傷に関して豊富な知識と高い技術力を身に付けています。

加えて市販されていない専門的な工具・機器を用いて、より自然な仕上がりとなる補修を実現していることが特徴です。

業者によっては修理方法を工夫することでリーズナブルな価格設定となっていたり、お得な割引キャンペーンを実施していることもあります。

業者を注意深く選べばコストを抑えることもできるでしょう。

プロへ依頼するデメリット

プロに修理を依頼すると、どうしても自分で修理を行った場合と比べてコストがかかります。

また、サービス内容や修理の技術力は店舗によって差があることも珍しくないため、業者選びを誤ると納得のできる修理を受けることができない可能性にも注意が必要です。

プロだからといって「何となく」で依頼先を選ぶと費用や仕上がりの面で後悔する結果となりかねません。

そのため、後述する業者ごとの特徴も理解したうえで依頼先選びを慎重に行うことが大切です。

車のこすり傷を修理できる場所

車のこすり傷修理を依頼できる業者としては、主にディーラー・板金塗装業者・カーケア用品店・ガソリンスタンドの4つがあります。

それぞれの特徴について、下記より詳しくご紹介いたします。

ディーラー

車の正規販売店であるディーラーは、技術力に関して一定の基準をクリアした板金塗装業者が修理を担うため、仕上がりの質が高く安定しています。

また、万が一パーツ交換が必要となった場合も純正品が使われるため、修理後もリセールバリューが落ちにくいというメリットもあります。

そのぶんディーラーに依頼した場合の工賃は高額な傾向にあり、メーカー保証を利用できないとどの業者よりもコストがかかることはデメリットです。

板金塗装業者

車の傷・へこみ修理を専門的に行っている板金塗装業者は、ディーラーよりも比較的工賃が安いうえに予算や希望に合わせて柔軟に対応してくれます。

例えばパーツ交換となった場合、純正品ではなくリビルトパーツに変更してもらいコストを抑えるといった利用方法も可能です。

ただし板金塗装業者は店舗によって技術者のスキルにバラつきがあるため、事前に詳細情報や口コミなどをよく調べながら慎重に依頼先を選ぶ必要があります。

カーケア用品店

大手カーケア用品店でも、車の傷・へこみ修理の依頼が可能な店舗があります。

ディーラーや板金塗装業者よりも費用が安く、店舗数も多いため利用しやすいことがメリットです。

なお、カーケア用品店で対応可能な作業は軽微な傷・へこみ修理や簡単なパーツ交換に限られる場合が多いです。

大規模な修理を要する損傷の修理は断られるケースがあるため、事前に問い合わせておくことをおすすめします。

ガソリンスタンド

給油や洗車など日常的に利用するガソリンスタンドも、車の傷・へこみ修理の依頼が可能な店舗が増えています。

カー用品店と同等に費用が安く、事前に予約をすれば迅速に修理作業を完了してくれる店舗も多いです。

しかし軽微な損傷しか対応してくれない店舗もあれば重度の損傷も修理可能な店舗もあるなど、店舗ごとの対応レベルは一定ではありません。

車のこすり傷にかかる費用相場

先述したように、こすり傷修理にかかる費用は依頼する業者によって異なります。

4つの業者ごとの修理費用相場は、以下の通りです。

業者費用
ディーラー30,000~50,000円程度
板金塗装業者10,000~40,000円程度
カーケア用品店10,000~30,000円程度
ガソリンスタンド10,000~30,000円程度

なお、傷の規模や傷ができたパーツによっては、相場よりも費用が高くなる可能性があります。

ほとんどの業者は事前の見積もりに応じてくれるため、まずは見積もりを依頼して費用の概算を確認しましょう。

保険で修理することはできる?

車のこすり傷修理は、車両保険を使うことが可能です。

「一般型」の保険なら自損・他損事故の両方、「エコノミー型」の保険なら自損事故や当て逃げ意外でついた傷の修理が補償範囲となっています。

ただし傷修理で保険を使用すると3等級ダウンとなり、翌年から保険料が高くなります。

修理代によっては自己負担をした方がお得なケースもあるため、使いどころは慎重に検討する必要があります。

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自分で車のこすり傷を修理する際によくある質問

最後に、車のこすり傷修理に関してよくある質問を回答と一緒にまとめました。

車の白い線傷の直し方はどのようになりますか?

浅い線傷であれば、市販のコンパウンドまたはタッチペンで補修することができます。

コンパウンドであれば粗目から細目に切り替えながら研磨を行う、タッチペンなら線傷の上を埋めるように塗料を置いて研磨することで線傷が目立たなくなります。

ただし深くえぐれた線傷を市販のアイテムで補修することは難しいため、無理をせず業者に依頼をしましょう。

こすり傷など車の傷を修理しないまま放置したらどうなりますか?

こすり傷を含め、車のボディにできた傷を放置するとサビが発生する可能性があります。

ボディの傷はほとんどの場合塗装剥がれを伴っており、そこから水分や汚れが浸入することでサビが発生し、塗装の内部で少しずつ広がっていきます。

サビの範囲が広がると修理費用も高額になるため、傷がついたら速やかに修理を行うことが大切です。

コンパウンドで車の傷はどこまで直せますか?

コンパウンドで直すことができるのは、爪で撫でても引っかからない傷や光の加減で目立たなくなる傷など、ごく浅いこすり傷に限られます。

塗装の下地が見えているような傷やへこみなどは、コンパウンドで改善することができません。

車のガリ傷を自分で治すことはできますか?

ガリ傷も軽微なものであれば、コンパウンドなどを使い自分で補修することは可能です。

ただし薄いこすり傷と比べて失敗する可能性が高く、状態が悪化したりかえって補修した箇所が目だったりする恐れがあります。

車の傷修理に関する知識や経験がない方は、業者に修理を依頼することをおすすめします。

浅い引っかき傷はどの程度の傷を指しますか?

自分で修理が可能な浅い引っかき傷とは、塗装の「クリア層」のみダメージを負っているような傷を指します。

爪で撫でても引っかからない傷、水をかけると目立たなくなる傷などが該当します。

傷消しスプレーだけで傷は消えますか?

広範囲のこすり傷であれば、スプレーを使うことで効率的に傷を目立たなくさせることができます。

しかし下地層が見える程の深い傷は完全に傷を消すことが難しく、スプレーを吹き付けても凹凸が目立つ可能性があります。

また、スプレーの色選びを誤ると吹き付けた部分とボディカラーの差で見た目が悪くなるケースも考えられるため、慎重に検討のうえ使用を判断しましょう。

まとめ

飛び石や縁石との接触、洗車など車のボディに擦り傷がつく原因は様々ですが、放置すればサビの発生リスクが高まるため早めの修理が肝心です。

こすり傷は浅いものであれば自分で修理することもでき、傷の状態に合わせてシール・タッチペン・ワックス・パテ・コンパウンドなどを使い分けます。

しかし自力での修理は手間や時間がかかるうえに、失敗して状態が悪化してしまうケースも珍しくありません。

可能な限りコストを抑えつつきれいにこすり傷を直したい場合は、独自の工法で「きれい・早い・リーズナブル」な修理を可能とするENEOSウイングにお任せください。

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この記事を書いた人

ENEOSウイング編集部です。コラムで車に関するお役立ち情報をお届けしています。

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