車を擦って塗装が剥げた・ついた場合の解決策と修理費用

「縁石や壁に車を擦ったり、別の車と接触したりして塗装が剥げた・ついてしまった」という経験をした方も多いのではないでしょうか。

小さな傷であれば気にしないという方もいるかと思いますが、車の塗装は様々な外的要因などから腐食するのを防いでくれる大切なものです。

そのため、車を擦って塗装が剥げた場合は、どんなに小さくても放置せず、迅速に対応することが大切となります。

今回は、車の塗装の基礎知識から、車を擦って塗装が剥げた場合や、他車の塗装が自身の車についてしまった場合の解決策、修理費用などについて解説します。

目次

車の塗装の基礎知識

まずは、車の塗装の基礎知識について見ていきましょう。

塗装の役割と構造

塗装の主な役割は、「車のボディをサビや汚れから守る」「車の美観を向上させる」ことです。

一般的に車の塗装構造は4層からなっています。

下地処理:防錆効果を高めるかつ、塗装する表面をフラットにする
中塗り:上塗りの補強を目的とした塗装
上塗り:最終的に見える色となる部分で、車の印象を大きく左右する
クリア塗装:塗装を保護する役目や、光沢を出すための塗装

塗装のダメージとその影響

車の塗装のダメージは、主に以下の要因が考えられます。

  • 車が他の物体と擦れる、衝突する
  • 紫外線や天候の影響で色褪せする
  • 酸性雨や花粉、鳥のフンなどの化学物質による影響

上記のような要因で塗装にダメージが与えられた場合、車の外観を損なったり、サビの原因となったりといった影響がでます。

また、外観のダメージに関しては、将来車を売却する際に査定額に影響することも考えられます。

車を擦って塗装が剥げた・ついた場合、放置しても良いのか?

塗装の役割やダメージ、その影響について見てきましたが、車を擦って塗装が剥げた・ついた場合は、放置しても良いのでしょうか。

結論、塗装剥がれを放置することはNGです。

塗装が剥げた場合は、どんなに小さな剥がれであっても、すぐに修理することが大切です。

塗装剥がれを放置することで起こりうること

塗装剥がれをそのままにしていると、本来の塗装の役割が果たせず、さまざまな影響が出ます。

サビの発生・侵食

車を擦って塗装が剥がれた箇所を放置すると、剥がれた部分から水分や汚れが入り込み、そこを起点としてサビが発生する可能性があります。

サビが発生すると、塗装の内部で広範囲に侵食するおそれがあり、最悪の場合、ボディに穴が空いてしまうなど深刻なダメージを及ぼすケースもあります。

高額な修理費用となる可能性がある

前述の通り、車を擦ったりなどして塗装が剥げた状態を放置すると、サビが発生し広範囲に広がります。

擦った直後に修理した場合であれば軽微な修理で良い可能性がある一方、放置によりサビが広がると大掛かりな修理となり、高額な修理代がかかる可能性があります。

買取時の査定額に影響する

車の塗装が剥げた部分にサビができた場合、将来車を売却する際の査定額にも影響します。

1㎝四方未満で浅く、軽度な擦り傷であれば、査定額はほぼ変わらないとされていますが、広範囲に深く浸食し、サビの数が多いと査定額が減額されるケースもあります。

将来車を売却する予定がある場合は、サビが発生しないように早めの対処が必要です。

塗装剥がれがおきた場合は早期の対処が重要

前述の通り、塗装が剥がれた状態で放置してしまうと、様々な影響を及ぼします。

万が一、車を擦って塗装が剥げたという場合は、早めに修理を依頼するようにしましょう。

早期に修理を行うことで、費用を抑えることもできます。

車を擦って塗装が剥げた・ついた場合の応急処置とは

車の修理を依頼する場合、軽微な傷であれば数時間〜1日程度で対応可能な場合もありますが、場合によっては数日かかるケースもあります。

車がないと困るという方や、忙しくて車を預けに行く時間がないという場合は、とりあえずの応急処置を施しましょう。

応急処置はタッチペンで行います。

車のカラーと同じ色のタッチペンを用意し、傷口を点で塗りつぶすように塗布していきましょう。

タッチペンを塗布することで、雨水などの水分の浸透を抑え、サビや腐食を防ぐことが可能です。

ただし、タッチペンはあくまでも応急処置となるため、傷を綺麗に修復することはできませんので注意が必要です。

塗装が剥がれたと思っても塗料がついているだけの場合もある

運転操作を間違えてポールに擦ってしまったり、駐車場で他の車に擦られたとき、一見塗装が剥がれた様に見えても相手の塗装がついただけの場合もあります。

明らかに自身の車の塗料とは別の塗料がついている場合は、シンナーを使って軽く擦って見ましょう。

ただし、付着した塗料によっては取り除けない可能性があります。

取り除けない場合は、強く擦ることはせず、業者に相談しましょう。

塗装剥がれが起きた場合の修理方法

塗装剥がれが起きた場合の修正方法としては「自分で修理する」もしくは「業者へ依頼する」の2つになります。

それぞれ、メリット・デメリットを踏まえて見ていきましょう。

自分で修理する

浅く細かな塗装剥がれであれば、自分で修理することも可能です。

使用するアイテムによっては、比較的簡単に直すことができ、車の修理に慣れていない方もチャレンジしやすいでしょう。

メリット・デメリット

自分で修理をする最大のメリットは、修理費用を安く済ませることができる点です。

また、業者に見積もりや予約を取ったり、車を店舗へ持ち込む手間が省けることもメリットとして挙げられます。

その一方で、修理が初めての場合は使用する道具を揃える必要があったり、納得のいく仕上がりにならない可能性があるなどのデメリットが生じます。

そのほか、サビを見落としてしまい、内部にサビが広がってしまうなどのリスクがあることもデメリットと言えます。

自分で修理する方法

ここでは、塗装剥がれを自分で修理する場合の方法を、傷の度合い別にご紹介します。

【軽度】タッチペンを使った修理方法

わずかな塗装剥がれであればタッチペンを使って修理することが可能です。

タッチペンを使用して修理する場合の準備物は以下の通りです。

  • タッチペン
  • 耐水ペーパーもしくはコンパウンド
  • マスキングテープ
  • タッチペン
  • サンドペーパー
  • ワックス

手順を詳しく見ていきましょう。

STEP
車の傷周りの汚れを落とす

傷口の内部までしっかり洗車し、汚れを洗い流します。

傷口に塗料が残っている場合はアルコールで拭くなど、しっかりと汚れを落とすことが大切です。

STEP
傷口を露出させ、状態を整える

傷の状態を把握するため、まずは傷口を露出させます。

脱脂スプレーで油分を除去し、傷の周りのささくれや塗料のめくれがある場合は、耐水ペーパーやコンパウンドを使用して丁寧に取り除きます。

また、塗装部分に油分が残っていると、タッチペンが油分で弾かれたり、修理後に剥がれ落ちる原因になることがあります。

脱脂スプレーを使用して油分をしっかり落としましょう。

STEP
マスキングテープで傷の周りをカバーする

タッチペンで塗布する際、周囲に塗料が飛び散る恐れがあるため、マスキングテープで傷の周りをカバーし、保護します。

STEP
タッチペンで補修

傷口にペイントを乗せ、傷を覆うように塗布すると綺麗に修復できます。

ペイント材は乾燥すると収縮するため、少し多め(盛り上がる程度)に塗布するのがポイントです。

また、一度ではキレイに塗れないため、乾燥させながら数回に分けて重ね塗りをしましょう。重ね塗りする際の乾燥時間は約20分程度が目安です。

STEP
サンドペーパーを使って表面処理

塗料が完全に乾いたら、サンドペーパーでペイントの凹凸を落として表面処理をしていきましょう。

400番から始めて1000番程度まで使って研磨し、ペイントの凹凸がわからなくなるまで磨きます。

時期や車を保管している環境によっても異なりますが、塗料が完全に乾燥するまでに1~2週間程度かかります。

乾燥しないうちに磨くと、仕上がりが汚くなるのでしっかり乾燥するまで待ちましょう。

STEP
コンパウンドで研磨する

表面の処理をした後は、さらに3000番から9800番あたりの極細めのコンパウンドを使って表面を仕上げます。

STEP
ワックスでツヤ出し

最後にワックスでツヤを出して完了です。

ワックスはツヤを出すだけでなく、塗装を保護する役割もあります。

【中度】スプレーを使った修理方法

やや広範囲の塗装剥がれが生じた場合は、スプレーを使って修理を行いましょう。

スプレーを使って修理する際の準備物は以下の通りです。

  • 耐水ペーパー
  • マスキングテープ
  • シリコンリムーバー
  • ボカシ剤
  • カラースプレー
  • クリアスプレー

手順を詳しく見ていきましょう。

STEP
車の傷周りの汚れを落とす

タッチペンを用いた修理方法同様、汚れを洗い流します。

STEP
耐水ペーパーで研磨する

傷口の汚れを落とした後は、耐水ペーパーを使用して研磨していきます。

STEP
マスキングテープで傷の周りをカバーする

スプレーは噴射範囲が広く、また少しの風で流れてしまうため、塗装の必要がない部分はマスキングテープでしっかり養生しましょう。

STEP
脱脂して傷口の油分を落とす

洗車では落ちない油分や汚れを取るために、シリコンリムーバーで脱脂します。

STEP
プラサフ、ボカシ剤をスプレーする

脱脂後、下地となるプラサフを吹き付けます。

プラサフ乾燥後、ボカシ剤を薄くかつ均一にスプレーしておくと仕上がりがきれいになります。

STEP
カラースプレーを吹きかける

ボカシ剤が乾かないうちにカラースプレーをしっかり振って吹きかけます。

「ゆっくりと平行に移動させながら吹きかける」「数回に分けて重ね塗りをする」ことがポイントです。

STEP
クリアスプレーを塗布する

カラースプレーが乾燥したら、クリアスプレーを塗布します。

カラースプレーを塗布した範囲より広めに、3~5回程度塗り重ねましょう。

STEP
ボカシ剤をスプレーする

カラースプレーを吹きかけた外周に、満遍なくボカシ剤をスプレーします。

白っぽくなってしまった部分や、ザラザラした部分を馴染ませることができます。

【重度】ローラーを使った修理方法

広範囲に及ぶ塗装剥がれはローラを使って修理していきましょう。

準備物は以下の通りです。

  • マスキングテープもしくは養生テープ
  • ビニールもしくは新聞紙など
  • サンドペーパー
  • シリコンムーバー
  • プラサフなどの下地剤
  • 塗料(塗料、硬化剤、シンナー)
  • 刷毛
  • ローラー
  • クリア塗装剤
  • コンパウンド
STEP
車の傷周りの汚れを落とす

他の修理方法と同様に傷口の内部までしっかり洗車し、汚れを洗い流します。

STEP
養生をする

塗料を付着させたくない部分を養生します。

先に窓やライトなどのキワにマスキングテープを貼り、隙間を埋めていき、その後、窓やライトなど塗料を付着させたくない部分にビニールや新聞紙を被せます。

エンブレムやナンバープレートなど取り外せるものは、あらかじめ外しておくことがおすすめです。

STEP
足付けをする

「足付け」とは、塗料がしっかり付着するように表面を凸凹にする作業のことを指します。

サンドペーパーで表面を削り、ツルツルの塗膜を凸凹にしていきましょう。

STEP
傷口の油分を落とす

足付けが終わったら、シリコンリムーバーで脱脂をします。

車体にはワックスやコーディング剤、排気ガスなどの汚れが残っており、塗料の劣化を早める原因になるので、脱脂により油分を除去します。

STEP
下地を塗る

脱脂が完了したら、プラサフなどの下地剤を塗布します。

STEP
塗料、硬化剤、シンナーを混ぜる

まずは塗料をよくかき混ぜ、その後、メーカーごとに定められた配分で、硬化剤、シンナーを混ぜ合わせます。

STEP
塗装する

6で混ぜ合わせた塗料を塗布していきます。

キワ部分などの細かい箇所を先にハケで塗り、大きな面はローラーを使って塗布します。

一度では塗りムラが残ってしまうので、一度塗ったら乾かして、3回ほど塗り重ねていきましょう。

また、塗装中に塗料や硬化剤、シンナーが分離することもあるため、適宜混ぜながら行います。

STEP
足付けをする

塗料が乾いたら、次に行うクリア塗装のための足付けをします。つや消しの場合は不要です。

STEP
脱脂をする

クリア塗装がしっかり付着するように、油分を拭き取ります。

STEP
クリア塗装剤を塗布

7の塗装と同じ要領で、クリア塗装剤を塗布していきましょう。

STEP
乾燥

クリア塗装剤まで完了したら、あとはしっかりと乾燥させます。

塗料の種類によって異なりますが、数時間〜2日程度で乾燥します。なお、乾燥中は雨などの水分に触れない場所に保管しておきましょう。

STEP
磨き上げて光沢を出す

最後に少し凸凹した表面をコンパウンドで磨き上げ、完了です。

自分で修理する際の注意点

自分で塗装剥がれを修理する際の注意点としては、非常に難しい作業であることを理解しておく必要があるという点です。

比較的簡単なタッチペンであっても、プロが修理したような仕上がりに近づけることは高度な技術が必要となります。

アイテムの扱い方の技術はもちろんですが、天候などによっても塗料の硬化速度が異なったりとアイテムごとの知識も必要不可欠です。

そのため、少しでも不安があるのであれば、最初から業者に依頼することが懸命な判断と言えるでしょう。

また、塗装作業から乾燥までには数日〜1週間程度かかるため、その期間は車が使えない可能性があるという点も注意が必要です。

日常的に車を使う方は、車が使えないことを想定したスケジュールを立てておきましょう。

プロの業者へ依頼する

塗装剥がれの修理を依頼できる業者

塗装剥がれの修理は、ディーラー、板金業者、カー用品店、ガソリンスタンドなどで依頼ができます。

業者によって、工期がそれぞれで予約状況や混み具合も異なるので、事前にお問い合わせてから依頼することがおすすめです。

メリット・デメリット

プロに修理を依頼する大きなデメリットは、DIYに比べて修理費用が高くついてしまうことと言えます。

その一方、プロに修理を依頼すれば、短時間かつ元に近い状態までキレイに戻してくれることが最大のメリットと言えるでしょう。

また、店舗によって異なりますが、修理期間中は代車を無料で貸し出してくれるところもあります。

自分で代車を用意する手間が省けることもメリットと言えます。

プロへ依頼する場合の費用相場

車種や車体色、傷の状態によって費用は大きく異なりますが、5cm程度の塗装剥がれの修理における一般的な相場は以下の通りです。

修理箇所費用相場
ボンネット15,000円〜
ドア35,000円〜
バンパー15,000円〜
ルーフ52,000円〜
フェンダー30,000円〜

塗装剥がれの修理を自分で修理するか、プロへ依頼するかの判断基準

車の塗装剥がれの修理を自分でするか、プロへ依頼するかの判断基準としては、修理に慣れていなかったり、知識があまりない場合は、迷わず業者へ依頼した方が良いでしょう。

わずかな浅い傷であれば、DIYでも修理できる可能性は高いですが、無理に修理をしようとすると、返って傷の状態を悪化させてしまうことも考えられます。

範囲の広い塗装剥がれや凹みがある場合はもちろん、DIYに少しでも不安を感じる方は、無理をせずプロに依頼しましょう。

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車を擦って塗装が剥げた際によくある質問

車を擦ってしまい塗装が剥げた時によくある質問についての回答をまとめました。

車の塗装剥がれが小さい(少しだけ剥がれた)場合は放置しても大丈夫ですか?

塗装剥がれは、剥がれたサイズに関係なく、早急に修理することが大切です。

車は大部分が鉄でできているため、放置していると小さな塗装剥がれからもサビが発生してしまいます。

車の塗装が剥がれたままにしておくとどうなりますか?

塗装剥がれが極わずかな範囲だとしても、サビが発生・侵食していきます。

サビの侵食は早いため、見た目は極わずかな剥がれでも、ボディ内部でサビが広がり、最悪の場合、ボディに穴が開いてしまう恐れがあります。

車を擦った場合、警察を呼んだほうがいいですか?

大前提として、車を擦ったことによって周囲に被害が出ている場合は、必ず警察への通報が必要です。

狭い私有地での軽微な事故かつ、任意保険を使って補償をしない場合のみ警察への通報は必要ありませんが、念の為、通報した方が安心でしょう。

車の塗装がパリパリに剥がれてきた場合はどうしたらいいですか?

塗装がパリパリに剥がれてきた場合、無理に剥がそうとせず、速やかに業者に相談しましょう。

そのまま放置してしまうと、さらに状態が悪化し被害が悪化する可能性があります。

まとめ

どんなに注意して車の運転をしていても、車を動かす以上、ボディを擦って塗装が剥がれてしまうリスクはあります。

塗装剥がれを放置していると、汚れや水分によって傷口からボディの内部へサビが広がることも考えられるため、塗装剥がれを発見したら早急に修理が必要です。

極わずかな塗装の剥がれであればDIYで修理可能なケースもありますが、DIYでの修理は外観の悪化や余計に塗装剥がれが悪化してしまう可能性も考えられます。

大きな塗装剥がれや少しでも不安を感じるようであれば、迷わずプロに依頼しましょう。

全国300店舗以上展開するENEOSウイングでは、塗装剥がれの修理も可能です。

お客様の車の状態に合わせた最適な方法で修理を実施いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

ENEOSウイング編集部です。コラムで車に関するお役立ち情報をお届けしています。

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