エーミングの作業手順は?必要な機材・工具や環境まで詳しく解説

OBD検査の本格導入も目前に控え、注目度が高まっているエーミング。これからの車の整備には必要になる作業であり、車に搭載されている先進安全技術が正常に作動するようにするためには欠かせない整備といえます。

この記事では、エーミング作業の手順や必要な工具、作業環境まで詳しくご紹介します。

目次

エーミングとは

エーミングとは、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置などの先進安全技術を搭載するASV(Advanced Safety Vehicle:先進安全自動車)の電子装置が正しく作動するためにセンサーなどを校正・調整する作業を指します。

以下の記事では、エーミングに関して詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

エーミング作業の手順(やり方)

ここからは、エーミング作業の手順について見ていきましょう。

1.エーミングの前準備:必要な機器・工具を揃える

エーミングには、さまざまな専門の機材や工具が必要です。

まず、必要なものをすべて揃えましょう。

  • 整備書:自動車メーカーごとに必要
  • アライメント測定器:エーミングの準備段階で必要
  • 水準器:作業場の水平度確認
  • 水糸、下げ振り:車両の中心の測定
  • ターゲット・リフレクター:車のカメラなどのセンサーに読み込ませる対象
  • メジャー、デジタルプロラクター:ターゲットを置く位置、ターゲットの向きや直角を計測
  • スキャンツール:外部診断機であり、これを車に接続してエーミングを行う。

2.エーミングの前準備:作業環境を整える

エーミング作業を始める前に、アライメント調整を行います。アライメントが狂っていると、正確な作業ができないからです。

また、エーミングはどこでもできるわけではなく、実施する環境が規定されています。水平かつ無風であることが求められるので水準器で水平を確認し、無風状態を確保しましょう。

さらに、広さにおいても規定があります。車の大きさ別の指定作業場の広さを、以下の表にまとめました。

電子制御装置点検整備作業場の寸法うち、屋内の寸法
普通(大)16m×5m7m×5m
普通(中)13m×3m7m×3m
普通(小)7m×2.5m3m×2.5m
普通(乗用)6m×2.5m3m×2.5m
5.5m×2m4m×2m

3.コンピューター診断・調整作業

車両を既定の位置に停車し、指定されているターゲットを規定通りに正確に設置します。

その後、スキャンツールを車両に接続し、エラーが出る場合は各メーカーの基準の範囲内に収まるように調整作業を行います。

メーカーや車種によってそれぞれ特性が異なるので、慎重な作業が必要です。

なお、調整作業はどのような修理を行ったかによって異なります。例えば、フロントガラス交換を行った場合は、フロントガラス上方カメラの調整が必要です。

バンパーの補修や交換を行なった場合はセンサー類の調整として、ミリ波レーダーや赤外線レーザー、ソナー・ウルトラソニックセンサなどを調整します。

また、車種によっては、走行による自動調整(学習走行)が必要なものもあり、その場合は自動調整が完了するまで大体30分程度走行させます。

4.テスト走行

学習走行が必要な車は学習走行がテスト走行を兼ねているので、学習走行が完了したらエーミングは完了です。

学習走行が必要でない車の場合は念のためにテスト走行を行い、調整がきちんとできているのかを確認して終了となります。

エーミング作業で注意すべきこと

エーミング作業時には、以下の点に注意しましょう。

整備書をよく読み、理解する

エーミングのターゲットやリフレクターのサイズなど、設定は車種によって異なります。

整備書無しでは修理できないので、整備書をよく読み内容を理解してから作業にあたりましょう。

光に注意する

作業場の周囲に、光を反射するものがないかも気を付けておきましょう。

カメラやレーダーなどのセンサーが反射した光に反応してしまい、正確なデータが得られない可能性があるからです。窓や出入り口などから日光が差し込む場合も注意が必要です。

ただし、暗ければ良い、というわけではありません。システムがターゲットをしっかりと認識できる程度の明るさがないと作業できないので、外部からの光の侵入はできるだけないように配慮しつつ、明るい室内環境を整えるようにしてください。

周囲に電波を反射する金属物がないか確認する

検知システムにミリ波レーダーを採用している車をエーミングする場合は、作業エリアの周辺に金属がないかもチェックしましょう。

金属が電波を反射して、正しく診断や調整ができなくなる可能性があるからです。

最新機材・設備が整う!エーミングはENEOSウイングへ

ここまで見てきたように、エーミングには多数の専用の工具が必要なことに加え、水平で無風、また周囲に反射物や光沢物がないなど、多数の要件を満たす広い作業スペースを確保しなければなりません。

また、エーミングは誰でも実施できるわけではなく、国が行う「電子制御装置整備の整備主任者等資格取得講習」に参加し、試験に合格した有資格者でなければ実施できないため、どこの整備工場でも気軽に依頼できる作業とはいえないのが現状です。

ENEOSウイングでは、そんなエーミング作業の対応も承っております。

ENEOSウイングでは、エーミングの重要性をいち早く認識し、日本最大のエーミング組織であるJATTO(一般社団法人 日本技術技能研修機構)の協賛でエーミング技術研修会、技術力コンテストを開催するなど、技術向上に取り組んでいます。

エーミングに対応していない同業者様からのご依頼も承っているので、エーミングができる業者をお探しであれば最新の設備と高い技術を持ったENEOSウイングにお任せください。

まとめ

衝突被害軽減ブレーキの新型車への搭載が義務付けられるなど、これからの車には先進安全技術が欠かせない存在となります。

また、2024年10月からは車検においてスキャンツールを使用したOBD検査が本格運用を開始し、エーミング未実施の車は車検に通らなくなるので、ますますエーミングの重要性が増してくることは明らかです。

安心してエーミングを任せられる業者をお探しの方や、エーミングに関するお困りのことがあればお気軽にENEOSウイングにご相談ください。

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この記事を書いた人

ENEOSウイング編集部です。コラムで車に関するお役立ち情報をお届けしています。

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