車のトランク部分のドアである「バックドア」は、駐車時の運転ミスや他車との衝突などでへこみができることがあります。
もしもバックドアにへこみができたら、修理代はいくらかかるのでしょうか。
今回は車のバックドアにできたへこみの修理代相場を、業者別にご紹介いたします。
修理と交換のどちらをすべきか判断するポイント、修理・交換を安く抑えるためのコツも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
車のバックドア(トランク)のへこみ修理ができる店舗と特徴
そもそも車のバックドアのへこみ修理は、どのような業者に依頼ができるのでしょうか。
以下より、バックドアの修理が可能な業者の種類と特徴をご紹介いたします。
ディーラー
愛車を購入したディーラーでは、車の各種パーツの修理も依頼が可能です。
実際の作業は外部の工場に委託している場合が多いですが、作業品質が安定しており、交換が必要な場合も純正品を用いるため新車購入時に近い仕上がりとなります。
ただしどの業者よりも費用が高い傾向にあるため、コストを抑えて修理したい方には不向きです。
板金塗装業者
民間の板金塗装業者では、車の傷・へこみ修理を専門的に行っている技術者に直接依頼することができます。
マニュアルが定まっていないからこそ、「安く修理したい」「中古部品を使いたい」などの要望にも柔軟に応えてくれる傾向にある点がメリットです。
その一方で、工場によって技術力の差が顕著というデメリットもあり、慎重に依頼先を選ぶ必要があります。
カー用品店
大手カー用品店の中には、車の傷・へこみ修理に対応している店舗もあります。
工賃が安い傾向にあり、店舗数も多いため気軽に利用しやすい業者の1つです。
しかし比較的小規模な損傷しか対応してもらえない場合が多い他、スタッフの技術力や設備が不足しており作業品質に不安が残ることが難点です。
ガソリンスタンド
街の至る所にあるガソリンスタンドも、車の傷・へこみ修理の依頼が可能な店舗は多いです。
カー用品店と同じく工賃が安いうえに、給油や洗車のついでに見積もりを依頼できるという利便性の高さが魅力と言えます。
ガソリンスタンドも店舗によっては施工品質が安定しない場合もありますが、その一方で修理サービスに注力している会社もあります。
依頼を検討する際は、そのガソリンスタンドがいかに車の修理サービスの向上に取り組んでいるかを調べておくと安心です。
バックドア(トランク)のへこみ修理にかかる修理代
バックドアのへこみは、傷を修理する場合よりも高くなることが多いです。
業者ごとのバックドアの修理代相場は、板金塗装業者、カー用品店、ガソリンスタンドは40,000〜60,000円程度となっています。
一方、ディーラーは40,000〜80,000円程度と他の業者に比べて、やや高くなる傾向にあります。
また、へこみの大きさや使用する塗料の種類などによって、具体的な金額は変わります。
バックドア(トランク)のへこみ修理で交換が必要な場合の修理代
へこみが大きく、バックドアそのものを交換する必要がある場合は最低でも10万円以上の費用がかかります。
交換となれば作業工賃だけでなく、新しいバックドアの購入代金も費用に加算されるからです。
国産車の場合は10万円程度が相場ですが、希少な車種や輸入車であれば20~30万円程度かかることも珍しくありません。
車のバックドア(トランク)の交換費用はなぜ高いのか
バックドアは、他のパーツを交換する場合よりも費用が高額になることが多いです。
その理由として、交換の際にリアガラスの取り外しを伴うことが挙げられます。
リアガラスの取り外しで工数が増えるだけでなく、バックドアそのものが大型のパーツであるため、専門的な設備を用いて大掛かりな作業が必要となります。
これにより、他のパーツよりも高い交換費用を請求されることが多いのです。
車のバックドア(トランク)のへこみ修理で、板金修理か交換かの基準
費用が高くなることを考えると、バックドアのへこみは極力修理で済ませたいところです。
しかし、場合によっては修理よりも交換で済ませた方が良いケースもあります。
修理と交換のどちらを行うべきか判断する基準としては、以下3つのポイントが挙げられます。
へこみの大きさ
20cmを超える大きなへこみができたとき、ぶつけた際の衝撃が大きくフレームなど重要な部分にも損傷が及んでいるときなどは、修理ではなく交換が必要です。
上記のような損傷度合いは現実的に修理を施すことが不可能なため、業者に相談すれば必然的に交換での対応となります。
また、一見小規模なへこみに思えても、内部に搭載されているセンサー・モニターなどの電気系統が故障している場合は交換となる可能性があります。
ドアの素材
アルミ製またはカーボン製のバックドアの場合、損傷の規模にかかわらず交換になる可能性があります。
車のへこみ修理では、変形部分を加工して整える「板金」が行われます。
しかしアルミやカーボンといった柔らかい金属は板金による修理が非常に難しく、交換対応となる場合が多いのです。
交通事故でできたへこみであるかどうか
交通事故で一方的にぶつけられると、車体には大きな衝撃が伝わります。
へこみが大きくなったり、内部の電気系統が損傷したりすることが多いため、交換となる可能性が高いです。
なお、車両保険に加入していれば保険金を利用し、費用負担を抑えて交換することができます。
車のバックドア(トランク)を修理・交換する際に修理代を安く抑えるためには
車のバックドアは、修理・交換のどちらを行うにも費用が高額となりがちです。
バックドアの修理・交換に関して費用面の不安がある場合は、以下のポイントを意識することで費用を安く抑えることができます。
中古品やリビルト品の使用を検討する
バックドアの交換が必要となった際、純正品ではなく中古品またはリビルト品の使用を検討しましょう。
中古品は消耗している状態からそのまま使われるため耐久性は低いですが、価格はリビルト品よりも安いことが特徴です。
リビルト品は中古品よりも比較的高価ですが、修理が施されているため耐久性が高いという違いがあります。
どちらも廃車になった車から取り出したパーツではありますが、純正品よりもリーズナブルなため修理代を安く抑えることができます。
車両保険を使用する
先述したように、他車から一方的にぶつけられてバックドアがへこんだ場合は、車両保険で修理代の一部または全額の補償を受けることができます。
また、「一般型」の車両保険なら自損事故によるへこみでも補償対象となるため、加入している場合は使用を検討すると良いでしょう。
なお、車両保険を使用すると翌年から保険料が高くなります。
実際の修理代と保険料の増額分を照らし合わせながら、よく考えて使用を判断しましょう。
相見積もりを取る
同じバックドア、同じ損傷度合いのへこみでもどこへ依頼するかによって修理代は大きく変わることがあります。
そのため依頼先の候補は1社に絞らず、2~3社程度まで候補を挙げて相見積もりを取りましょう。
修理代の総額はいくらになるか、見積もり内容は丁寧に説明してくれるかなどに注目して比較検討すれば、費用も信頼性も満足できる業者を見つけやすくなります。
車のバックドア(トランク)のへこみ修理にかかる時間・期間
バックドアのへこみ修理は、一般的に5日程度かかります。
元々へこみの修理は表面的な傷の修理よりも工程が多いうえに、複雑な作業を伴うため時間がかかる傾向にあります。
さらにバックドアは車のパーツの中でも修理作業の難易度が高いため、同じへこみでも他のパーツより納期が長引きやすいです。
なお、交換となった場合は大掛かりな脱着作業が必要なため1週間程度の期間を要すると考えて良いでしょう。
車のバックドア(トランク)のへこみ修理は自分で直すことはできる?
損傷度合いによっては、自分でバックドアのへこみを直すことも可能です。
後述するアイテムを使い、正しい手順で作業をすればへこみが目立たなくなります。
ただしバックドアを含め、車のへこみを自分で直すことは様々なリスクが伴います。
また、小さなへこみでも単に変形を整えるだけでは済まない作業を要する場合もあるため、安易に自分で直せるかどうかを判断するべきではありません。
車のバックドア(トランク)のへこみ修理を自分で直す方法
バックドアのへこみを自分で直す方法としては、以下の3つがあります。
ドライヤーと冷却スプレーを使って修理する方法
バックドアは金属であるため、ドライヤーで熱を加えてから冷却スプレーで急激に冷やすと、「形状記憶」の性質で変形が改善される場合があります。
具体的な作業手順は、以下の通りです。
家庭用のドライヤーを使用しても良いですが、効率的に熱を加えたいなら「ヒートガン」がおすすめです。
また、へこんだ部分を温めたらすぐに冷却スプレーを当てないと形状記憶の性質が作用しないため注意しましょう。
熱湯とハンマーを使って修理する方法
へこんだ部分に熱湯をかけ、熱を加えて温めるという方法もあります。
金属は熱で柔らかくなるため、板金用のハンマーで裏側から叩くことで変形した箇所を整えることが可能です。
具体的な手順は以下の通りです。
なお、ハンマーで形を整える作業はヒートガンを使う方法よりも難易度が高いです。
技術に自信がない方、板金の経験がない方は避けた方が良い方法とも言えます。
修理キット(吸盤)を使って修理する方法
熱は加えず、吸盤型の修理キットを使用してへこみを直すことも可能です。
「バキュームリフター」や「バキュームカップ」とも呼ばれており、カー用品店・ホームセンター・ネット通販などで販売されています。
吸盤を使ったへこみの直し方は、以下の通りです。
へこみ修理用の吸盤には様々な種類があり、へこみに対して大きすぎても小さすぎてもうまく直すことができません。
まずはへこみの大きさを測ることから始める必要があります。
車のバックドア(トランク)を自分で直す際のリスク・注意点
バックドアのへこみは身近なアイテムでも直せる可能性はありますが、以下のように様々な点に注意が必要です。
修理後はエーミングが必要なケースもある
エーミングとは、車に内蔵されている先進安全装置のセンサー類を正常に作動させるための調整作業です。
他車や障害物とぶつかった際、その衝撃で内部のセンサー類に不具合が生じることもあり、その場合はへこみ修理だけでなくエーミングも必要です。
しかしエーミングは数多くの専門的な機器を要するうえに、国から認証を得た整備工場しか実施することはできません。
エーミングが必要かどうかは外見から判断することは難しく、安易に自己判断で修理だけを行うと先進安全装置の不具合で事故につながる恐れがあります。
塗装が剥がれる可能性がある
ドライヤーや熱湯などでへこんだ部分を温める際に注意したいポイントが、塗装剥がれです。
過剰に熱を加えると、塗装の表面がダメージを受けて剥がれる可能性があります。
塗装が剥がれれば内部の金属部分にまで水分や汚れが浸透し、サビが発生しやすくなるため状態の悪化につながります。
技術的に完璧な修復は不可能
日頃から数多くの車を修理してノウハウが蓄積された専門業者と、一個人の修理ではどうしても仕上がりに差が生じます。
特にへこみ修理は変形を元通りにするための高精度な調整が必須であり、その精度は経験と専門的な設備の有無に影響されます。
十分な経験と設備がない限り、自分で完璧な修理を行うことはほぼ不可能であることを理解しておきましょう。
ケガなどのリスクを伴う
ドライヤーや熱湯でへこみを直す場合、高温状態となるまでへこみ部分に熱を加える必要があります。
その際、手元が狂ったり熱した箇所にうっかり触れるなどしてヤケドを負う恐れがあります。
予期せぬ負傷のリスクを伴うため、作業は慎重に行わなければなりません。
車の査定額が下がる可能性が高い
業者ではない方が無理にへこみを修理すると、失敗により見た目が悪化するケースは少なくありません。
また、すべて自己判断で対処すると見た目では分かりにくい車体の損傷に気が付かず、放置より損傷を深刻化させる可能性もあります。
その結果、車を売却する際に外見や損傷状態から査定額が引かれ、結果的に費用面で損をすることになります。
綺麗・安心・安全にバックドア(トランク)のへこみ修理をするならプロへ
車の傷・へこみ修理のプロは、豊富な知識をもとに損傷度合いを診断のうえ適切な方法で修理を実施します。
多くの修理を通して培われた高い技術力と専門的な設備を活かし、きれいな仕上がりで修理をしてくれることが特徴です。
さらに先進安全技術を搭載した車には、必要に応じて電気系統のチェックやエーミングも行うため安心感があります。
自分で修理するよりも費用・時間はかかりますが、修理の確実性と将来的に査定額が下がるリスクを減らせるという効果を考えると、むしろメリットは大きいと言えます。
エーミングもバッチリ!バックドア(トランク)のへこみ修理はENEOSウイングへ
ENEOSウイングは、全国300以上の店舗にて車の傷・へこみ修理サービスをご提供しております。
「ピッカーズ」や「カーコンビニ倶楽部」の修理メニューをご用意しており、どちらも独自工法により「早い・安い・キレイ」を兼ね備えた修理となっています。
ハイクオリティな板金修理はもちろん、エーミングも専門の技術者がしっかりと対応いたします。
エーミングにおいては、世界トップクラスの自動車システムサプライヤーであるボッシュが発売した車両整備機器など最新の設備を導入し、お客様のお車の安全をサポートいたします。
なお、へこみ修理に関しては、WEB予約限定価格として19,000円台からご利用いただけます。
お見積もりも無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
車のバックドア(トランク)のへこみ修理に関するよくある質問
最後に、バックドアのへこみ修理に関してよくある質問を回答と一緒にまとめました。
ドアが閉まらない場合の修理費用はいくらですか?
バックドアが閉まらない場合、ロックとキャッチの間に異物が挟まっている、ワイヤーにトラブルがある、電気系統が故障しているなどの原因が考えられます。
ロック部分の問題なら、荷物の積載状態を見直せば解決する場合が多いです。
ワイヤーにトラブルがある場合は5,000~15,000円程度の交換費用、電気系統の故障なら15,000円~30,000円程度の費用がかかります。
車のバックドア交換にかかる日数はどれくらいですか?
車のバックドア交換には、1週間程度の日数がかかります。
しかしこれは業者に在庫がある場合の目安であり、取り寄せが必要な場合や輸入車など希少性の高い車のバックドア交換には半月以上かかるケースが多いです。
トランクとバックドアの違いは何ですか?
一般的に、リアガラスとドア部分が一体となっていないタイプを「トランク」、一体になっているタイプを「バックドア」と呼びます。
機能や役割における違いはありませんが、バックドアタイプの車は後部座席と積載スペースに隔たりがないため、トランクタイプよりも空間が広々としています。
軽自動車のバックドアの交換費用はいくらですか?
軽自動車のバックドアでも、新品に交換する場合は10万円以上の費用がかかります。
ただし、中古品やリビルト品を使えばより安い費用で交換が可能です。
バックドアを交換すると修復歴ありになりますか?
バックドアを交換するだけなら、修復歴とはみなされません。
ただし、ドアと車体のつなぎ目にあるフレームやピラーなど、車の骨格にあたる部分に損傷があり、それを修理した場合は修復歴ありの車とみなされます。
まとめ
車のバックドアにへこみができたら、小さな損傷でも20,000円以上の修理代が必要です。
損傷度合いによっては交換となり、10万円以上の費用がかかる可能性もあります。
修理代を安く抑えるなら、「中古品やリビルト品の使用」「保険の使用」「相見積もり」という3つのポイントに留意しておきましょう。
ENEOSウイングでは、全国各地の店舗にて早い・安い・キレイな傷・へこみ修理が可能です。
低コストでの修理をご希望の方、高品質な施工を可能とする業者をお探しの方は、ぜひご相談ください。
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