知らない間に車に傷がついていることも少なくありません。その傷が深くえぐれた傷の場合、ショックは大きいものだと思います。
また修理費用を考えると頭を抱えてしまっている方も多いのではないでしょうか。
今回は、えぐれた傷ができる原因から修理方法、修理費用について解説していきます。
車のえぐれた傷は、早急な修理が鉄則
えぐれた傷とは、傷がクリア層やカラー層にとどまらず、下地やパネルが露出するような深い傷を指します。
下地、場合によってはパネルにまで傷が達しているため、一見小さい傷に見えても傷から水などが塗装の下に入りこみ、塗装にダメージを与えます。
また場合によってはパネルを侵食し穴をあけてしまうこともあるため、えぐれた傷の放置は厳禁です。
見つけたら、できるだけ早急に修理する必要があります。
車にえぐれた傷ができる原因
えぐれ傷は、気付かないうちにできていることもあります。
車のえぐれ傷ができる原因としては、以下のことが考えられます。
走行中の飛び石
道路には細かい石が無数にあり、それが前を走っている車のタイヤの溝に入り、後方にいる自身の車に飛んでくることがあります。
特に高速道路などスピードが出ている道路・出やすい直線道路などでは、飛び石も威力が増すため、えぐれ傷になることがあります。
飛び石でえぐれ傷をつくらないためにも、前方車と十分な車間距離を保って走行することが大切です。
壁や障害物への衝突
ガードレールやポールを巻き込んでしまったときに深く擦ってしまうと、えぐれ傷になります。
狭い道や慣れていない駐車場で作ってしまうことも考えられるので、車幅などしっかり把握しておきましょう。
縁石との接触
縁石に乗り上げたり、段差を通過したりするときに車体の下側面や底を擦ったりしてえぐれた傷ができてしまうことがあります。セダンやスポーツカーなど、車高の低い車は特に注意が必要です。
なお、車の底部分にはエンジンと直結する重要パーツが多くありますので、傷だけでなくメカニズム部分の深刻なトラブルを引き起こす恐れもあります。
車のえぐれた傷を修理できる業者の種類と特徴
車のえぐれた傷の修理を依頼できる業者としては、以下の4つが挙げられます。
ディーラー
ディーラーはそのメーカーの車の特徴をよく把握したスタッフが修理にあたることに加え、メーカーのブランドイメージの確保のためにも修理工場は一定の技術レベルを保っていることがほとんどです。そのため安心感や信頼性が高いといえるでしょう。
ただし修理には原則として純正パーツを使用するため、修理費用の相場は高くなりがちです。ディーラーによってはえぐれた傷などの板金塗装に関しては、街中の専門工場に外注しているケースもあります。
板金業者
ディーラーは特定のメーカーだけを取り扱っている一方、板金業者はあらゆるメーカーの車の修理を受け入れています。そのため対応できる車種や傷の種類も幅広く、他の業者で断られたえぐれた傷や特殊なカラーなどにも対応可能な工場も少なくありません。
技術力も高い傾向があり、ディーラーの委託を受けている工場もあります。費用相場はディーラーより若干抑えられるケースがほとんどです。
カー用品店
車に乗り始めたばかりであるなど、ディーラーや板金工場に敷居の高さを感じる方でも利用しやすいのがカー用品店で車の修理を依頼するメリットといえます。ただし、すべてのカー用品店が車の修理に対応しているわけではありません。
また、車の修理ができるカー用品店であっても、えぐれた傷の修理はできないこともあります。費用相場は整備工場よりも安い傾向があるといえるでしょう。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでも、キズ補修や板金塗装に対応している店舗があります。
給油や洗車のついでにキズ修理の見積もりを出してもらえるため、行きつけのスタンドで気楽に修理が依頼でき、利便性に優れているのがメリットといえるでしょう。
ただし、店舗によっては大きな破損やキズの修理は対応が難しい場合があるので注意が必要です。費用相場は、カー用品店とほとんど変わりありません。
車のえぐれた傷の修理費用はどのくらい?
車に傷をつけてしまった時、どの程度の費用がかかるのか気になることもあるかもしれません。
車のえぐれた傷の修理費用は、傷ができた場所や傷の大きさ、また車種やボディカラーなどによって異なるので一概にはいえませんが、ここでは一例として、ENEOSウイングバンパーえぐれ傷の修理費用をご紹介します。
えぐれ傷の大きさ | 修理費用(国産車) | 修理費用(輸入車) |
---|---|---|
~5cm以下 | 15,840円 | 21,120円 |
~10cm以下 | 23,760円 | 30,360円 |
~20cm以下 | 31,680円 | 40,920円 |
~30cm以下 | 39,600円 | 51,480円 |
~40cm以下 | 42,900円 | 56,320円 |
~50cm以下 | 46,200円 | 61,160円 |
~60cm以下 | 49,500円 | 66,000円 |
なお、修理費用は店舗によって異なるので、修理をお考えの際はお近くのENEOSウイングまでお問い合わせください。
交換となる場合の修理費用
60cmを超えるような大きなえぐれ傷がドアなどにできた場合は、パネル交換になる可能性もあります。
パネル交換になると10万円以上かかり、修理費用はかなり高額になります。
また、車の骨格であるフレームに影響が及んでいる場合、数十万円程度必要になるケースも少なくありません。
【参考】車のえぐれた傷の修理に保険は使える?
車のえぐれた傷の修理は、場合によっては高額になることも考えられます。その際に、保険を使うことはできるか?と考えることもあるかもしれません。
車のえぐれた傷の場合、車両保険に加入している場合は保険を使うことはできます。
ただし、車両保険には一般型と限定型(エコノミー型)があり、エコノミー型は自損事故や当て逃げなどによる車の故障・損傷は補償されないため、自身が加入している保険はどちらか事前に確認しておきましょう。
なお、修理に保険が使えた場合でも、保険を使うことで翌年から等級が下がりその分保険料が上がるケースもあります。
そのため、保険を使わず修理をしたときにかかる費用とどちらが安く済むのか検討することが大切です。
車のえぐれた傷を自分で(DIY)修理する方法
車の修理費用は高額になるケースが多く、できれば自分で修理できないか?と考える方も多いでしょう。
一般的に、傷の修理でセルフ修理できるものはクリア層もしくはカラー層にとどまっているごく浅く、小さい傷のみで、下地やパネルが露出したようなえぐれた傷は本来プロに任せるべきといえます。
ただし、現在はインターネットなどから修理のノウハウを得ることができ、さらに修理に必要なアイテムも簡単に手に入るので、セルフ修理する方も少なからず存在します。
車に詳しく、ある程度の傷の修理経験があれば不可能ではないかもしれません。
ただし、セルフ修理には注意点やリスクも存在するため、しっかり把握した上で実施するようにしましょう。
DIY修理で失敗した後、業者へ修理依頼を依頼するとなると二重に費用がかかるため、自信のない方や仕上がりを重要視するのであれば、最初から業者へ依頼することがおすすめです。
DIY修理するメリット・デメリット
メリット
DIY修理をする最大のメリットは、修理費用が抑えられることといえます。
特に、過去に傷の修理をした経験があればある程度の修理アイテムがそろっているので、ほとんどコストがかからないこともあるでしょう。
また、自分の都合に合わせて好きなタイミングで作業ができることもメリットのひとつです。
デメリット
自分で車のえぐれた傷を修理するには、一定の知識や経験が必要になります。
そのため、失敗した際に、元々の傷以上に悪化してしまう可能性があります。悪化した状態で業者へ依頼となると、修理費用も嵩むためその点はデメリットと言えます。
他にも、修理するには道具を揃えなければならなかったり、スムーズに作業が進まず時間がかかってしまったりする可能性があることもデメリットとなり得るでしょう。
また、明らかにDIYを施した形跡がある場合、売却時の査定額が低くなる可能性があることもデメリットのひとつです。
DIY修理する方法
えぐれた傷は、バンパーの下地が見えるほど深いため、修理をする場合は「パテ」を使用します。パテとは、凹んだ部分を埋め、傷を平らにしてくれる補修製品です。
パテ修理は、とても難易度の高い作業で、失敗した際のリカバリーが難しい方法です。そのため、初心者や自信のない方は無理をせず、業者へ依頼した方が安心でしょう。
用意するもの
まずは準備物を揃えましょう。準備物は以下の通りです。
- パテ(厚付けパテ・薄付けパテの2種類)
- マスキングテープ
- 耐水サンドペーパー
- 液体コンパウンド
- カラースプレー
- クリアスプレー
- 洗車用具
- シリコンオフ
- プラサフ
修理手順
汚れがあるとパテが傷口に密着しにくくなり、剥がれやすくなります。
そのため、事前に車全体を洗い、汚れを落とした状態で次の工程に進みましょう。
また、サビができている場合は、サビもサビ落としなどを使い、しっかり落としておくことが大切です。
パテを定着させるために、しっかりと下地を整えておきましょう。
シリコンオフなどで脱脂してから、パテを傷部分に塗っていきます。
修理後にパテが剥がれる原因にもなるため、十分に乾燥させましょう。
この後にもシリコンオフで脱脂しておきましょう。この後の塗料ののりが良くなります。
塗装が傷以外の部分に付着しないように、マスキングしておきましょう。スプレーを使用するので、傷よりもかなり広い部分をマスキングしておくことをおすすめします。
その後、プラサフをスプレーしておきましょう。プラサフをすると塗料の持ちが良くなり仕上がりに差がでるので、必ず使用してください。
塗装は一気に仕上げようとせず、薄く吹き付け、乾燥させてから重ね塗りを何度か繰り返すのがきれいに仕上げるコツです。可能であれば、塗料の前にボカシ剤を塗布しておくと塗装のざらつきを抑えられます。
パールカラーやメタリックカラーは、そのあとクリアスプレーで光沢感を出します。
塗料が完全に乾燥したら、コンパウンドの極細で磨き、仕上げに液体コンパウンドでつやを出して仕上げます。
DIY修理する際の注意点・リスク
DIY修理は修理費用を抑えられるメリットはありますが、作業に慣れていない場合、修理完了まで長い時間を必要とすることが考えられます。
長時間における外の作業の場合、夏場であれば熱中症などのリスクがあります。
その上、慣れない道具などを使うことにより、ケガのリスクを伴うことも考えられます。
またサビが出てしまっている場合はサビ落としが不完全で、あとから内部でサビが広がっていることに気付くケースもあります。
そのため、DIYで修理できるのかしっかりと検討した上で、実施するのか、業者に任せるのか判断しましょう。
自分で直せる傷と業者に依頼すべき傷の判断基準とは
ここまでDIY修理や業者への依頼について見てきましたが、自分で直せる傷と業者に依頼すべき傷の判断基準はどこにあるのでしょうか。
えぐれ傷の修理は難易度が高いので、基本的には業者に任せるべきといえますが、修理に慣れている方であれば凹みがそれほどひどくなく、大きさも3cm未満(目安)の小さい傷であれば、自分で修理できる可能性はあります。
ただし、えぐれた傷は、下地が見えるほどの深い傷のため、パテを用いた修理に慣れていないのであれば、業者への依頼がおすすめです。
また、3cm未満の傷であっても車両の色が褪せている場合や特殊な塗装の車などは、色の調整が難しく傷口が目立ってしまうため、業者への依頼がおすすめです。
業者へ依頼をおすすめする理由
えぐれた傷のような深い傷は、自分で修理するには難易度が高いため、無理に修理しようとせず業者へ依頼することがおすすめです。
傷の状態に合わせて最適な修理方法を選択してくれる
業者に修理を依頼した場合、例えば修理時の液剤を使い分けたり、傷部分の磨き方を変えたり、傷の状態に合わせて最適な修理方法を選択してくれます。
また傷の状態と合わせて、予算や要望などに合わせたプランを提示してくれるため、希望に沿った修理が実現するでしょう。
知識と経験を持っているため安心してお任せできる
板金修理を行う際は、車のことはもちろん、道具の扱いなど豊富な知識が必要です。
業者では、経験と知識を持った板金のスペシャリストが修理を行ってくれるので安心して任せることができます。
スペシャリストがこれまで得た知識と経験から傷の状況をみて、修理方法を判断し、最適な材料で修理をしてくれます。
業者へ依頼する場合のポイント
実績の多い業者を選択する
店舗のホームページなどを見ると実績が掲載されていることも多くありますので、事前にチェックしておきましょう。
修理経験が豊富で、かつ長く経営されてお客様を獲得し続けているということは、信頼度の高い業者と言えます。
相見積もりをする
同じ板金修理の業者でも店舗によって料金設定は異なります。
そのため、いくつかの店舗で見積もりを出してもらい、比較しながら慎重に判断することが良いでしょう。
また、見積もり時の対応もそれぞれ見ることができるので、対応の良い安心できる業者を選ぶことができます。
車のえぐれた傷は実績豊富なENEOSウイングへお任せください!
ENEOSウイングは、給油・洗車以外に板金修理にも対応しています。
薄く浅い傷の修理はもちろん、深くえぐれた傷も経験豊富なスタッフが丁寧に対応します。
また、ENEOSウイングは自社板金(リペア)工場を保有し、最新の設備や良質な材料を取り揃えているため、一定以上の品質を維持しています。
1台1台異なる傷に最適な修理を施し、お客様の大切な車を綺麗な姿へとよみがえらせますので、安心してお任せください。
全国各地に対応可能な店舗がございますので、まずはお近くのENEOSウイングへご相談ください。
お客様のご要望やご予算によって最適なプランをご提案させていただきます。
車のえぐれた傷に関するよくある質問
えぐれた傷に関するよくある質問を回答と合わせてまとめました。
車についた傷の深さの見分け方は?
車の塗装は、何層も塗り重ねられています。
傷を爪で軽く撫でてみて、引っかかりを感じたら表面だけでなく、より深いところまで傷が入っている可能性が高いです。
ただし、引っかかりを感じなくても、傷が深いケースも考えられます。
そのため、安易に判断せず、修理を行う際はプロへ相談することがおすすめです。
車の傷がつきやすい場所は?
車のボディの中で傷がつきやすいところは、ドア・バンパー・ボンネットなどが挙げられます。
例えば、ドアは乗降時に壁や隣の車にぶつけて傷ができやすく、バンパーは、縁石などに擦りやすく傷ができやすいパーツと言えるでしょう。
車のえぐれた傷の直し方は?
えぐれた傷はパテを使用して修理することができます。
しかし、非常に難易度が高く、失敗すると自分では取り返しがつかなくなる可能性も。
またDIY修理後に内部にサビが広がってしまうなどのリスクもあるため、どんな傷であってもプロに相談するのが賢明です。
まとめ
車のえぐれ傷はパテを使っての修理となるため、高度な技術が必要となります。
失敗すると余計に修理費用がかかるうえ、売却時は買取価格が下がるなどデメリットやリスクも多いので、無理に修理しようとせず、まずはプロへ相談しましょう。
ENEOSウイングでは、高い技術力を持つスタッフが最新の設備や高品質な材料を用いて、元に近い状態まで修復いたします。
えぐれた傷を直したいとお悩みの方は、お近くのENEOSウイングまでぜひご相談ください。
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