タイヤ交換と言えば、「ホイール部分とまとめて交換しなければならない」とイメージする方も多いのではないでしょうか。
今回はタイヤ交換の基礎知識と共に、ホイールはそのままで交換できるのか?費用はいくらかかるのか?メリット・デメリットは何か?について解説いたします。
これらタイヤ交換をしたいと考えている方は、参考にしてみてください。
ホイールはそのままでタイヤ交換はできる?
そもそも、タイヤ交換の際はホイールはそのままにタイヤだけの交換を依頼できるのでしょうか。
結論:ホイールはそのままでタイヤ交換は可能
結論から述べると、ホイールをそのままにしてタイヤの交換だけを依頼することは可能です。
必ずしもホイールを取り替える必要はなく、どの業者でも自由に交換方法を選べます。
ただしホイールをそのままにするべきかそのままにしても良いのかは、タイヤ交換を行う目的によって変わります。
タイヤ交換の種類は2パターン
タイヤ交換とは本来、「組み替え」と「履き替え」という2通りの作業内容があるメンテナンスです。
それぞれどのような作業なのか、以下より解説いたします。
ホイールはそのままでタイヤのみ交換する「組み替え」
タイヤ交換における「組み替え」とは、これまで使っていたホイールはそのままでタイヤ部分だけを交換する作業のことです。
一度ホイールごとタイヤを取り外し、ホイールとタイヤを分離させ、新品のタイヤをはめ込みます。
組み替えは、主にスタッドレスタイヤとノーマルタイヤを切り替える際に行われます。
タイヤ・ホイールすべてを交換する「履き替え」
「履き替え」はホイールごとタイヤを交換する作業のことで、「脱着」とも呼ばれます。
ホイールがついたままタイヤを取り外し、別のタイヤ・ホイールセットを取り付けるというのが基本的な作業内容です。
履き替えは、主に純正タイヤから社外品タイヤに交換したいときに行われます。
【タイヤ交換の種類別】工程
組み換えと履き替えでは、それぞれどのような作業が行われているのでしょうか。
ここでは、2通りのタイヤ交換で行われている基本的な工程をご紹介いたします。
ホイールはそのままでタイヤのみ交換する場合の工程
ホイールはそのままでタイヤのみ交換する、組み換えの基本的な工程は以下の通りです。
ホイールとタイヤを分離させる際は、「タイヤチェンジャー」という機器を使用します。
タイヤチェンジャーは組み換えに欠かせない一方で、一般の人では入手困難かつ扱いも難しいため、DIYでは対応できない場合がほとんどです。
また、タイヤとホイールの組み換え後は重心のバランスが均等ではないため、「バランスウェイト」という重りをタイヤに取り付けてバランスを整える作業も行います。
仕上げにエアバルブが劣化しているようであればそれも交換し、空気圧の低下を抑制する窒素ガスも充填すれば完了です。
タイヤ・ホイールすべてを交換する場合の工程
タイヤをホイールごと交換する、履き替えの基本的な工程は以下の通りです。
上記の通り、履き替えは組み換えよりもシンプルな工程で作業が完了します。
ただし履き替えであっても、多くの場合タイヤのバランス調整が行われます。
タイヤはホイールに取り付けられたままの新品でも重心のバランスが均等ではなく、真円の形状ではないからです。
また、これまで使用していたタイヤのローテーションを行う場合、配置が変わると各タイヤのバランスも釣り合わなくなります。
ローテーションを目的とした履き替えなら、なおのことバランス調整が必要です。
タイヤの重心バランスは見た目や感触だけでは判断することができないため、「ホイールバランサー」という機器を用いてバランスを測定のうえ、調整を行います。
【タイヤ交換の種類別】工賃相場
タイヤ交換において特に気になるポイントが、具体的な工賃です。
ホイールはそのままにするのか、ホイールごと交換するのかによって工賃は変わるため、あらかじめ相場をチェックしておきましょう。
ホイールはそのままでタイヤのみ交換する場合の費用相場
ホイールはそのままでタイヤのみ交換する組み換えの場合、工賃は4本で3,000円程度が相場となっています。
併せて、廃タイヤの処理手数料として4本1,000円程度の費用も必要です。
ゴムバルブ交換も行う場合は4本で800円程度、窒素ガス充填も行うなら4本で1,200円程度の費用もかかります。
すべての作業工賃を合わせると、6,000円程度の費用がかかるケースが一般的です。
タイヤ・ホイールすべてを交換する場合の費用相場
ホイールが付いたままのタイヤを丸ごと交換する履き替えの場合、工賃は4本で2,000円が相場です。
業者によっては組み換えと同等の工賃がかかる業者もありますが、脱着は組み換えよりも工程が少ないことから、比較的安く済む場合が多いです。
ホイールをそのままでタイヤ交換するメリット・デメリット
ホイールをそのままにするタイヤ交換には、メリットだけでなくデメリットも複数あります。
交換後に後悔しないためにも、メリット・デメリットの両方を把握しておきましょう。
メリット
ホイールをそのままにしてタイヤを交換することの主なメリットは、以下の通りです。
ホイールを購入する必要がないため費用が抑えられる
先述したように、工賃はホイールごと交換する場合よりもやや高い傾向にあります。
その一方でホイールの購入費が発生しないため、新品に交換しても結果的に費用総額が抑えられるという点がメリットです。
ホイールの値段はサイズやメーカーによって変わりますが、例えば15インチの場合は4本で30,000〜80,000円程度が相場です。
このように決して小さくない出費をカットできる点は、大きなメリットと言えます。
ホイールが入っていない分、持ち運びがラク
すでに所有しているタイヤや自分で購入したタイヤを持ち込む場合、ホイールがセットだと重量があるため持ち運びに大きな負担がかかります。
タイヤだけを持ち込むならホイール分の重量がないため、簡単に店舗まで持ち運んで交換を済ませることができます。
デメリット
ホイールをそのままにするタイヤ交換はコストや持ち運びにおける負担軽減というリスクがある一方、以下のようなデメリットもあります。
タイヤの傷みが早い傾向にある
タイヤチェンジャーでホイールとタイヤを分離させる際、タイヤを引き伸ばして取り外す必要があります。
タイヤのゴム素材は伸縮性に富んでいるわけではなく、引き伸ばした際に大きな負荷がかかり劣化が早まる可能性が高いです。
そのため、何度もタイヤだけを交換しているとゴム切れが発生するリスクを伴います。
タイヤチェンジャーが必要
タイヤの取外しに欠かせないタイヤチェンジャーは、専門性が高く入手が難しいうえに広いスペースが必要な機器です。
DIYで対応しようにも一般的な家庭にタイヤチェンジャーを導入することはほぼ不可能であり、タイヤ交換に対応している業者を探す他ありません。
タイヤのバランス調整が必須である
履き替えの際も行うことがありますが、組み換えの場合は交換だけでなくバランス調整が必須となります。
タイヤの重心バランスが偏ったまま走行すると、タイヤがスムーズに回転できず偏摩耗が進んだり走行の安定性に悪影響が出たりするからです。
なお、業者によって基本の作業にバランス調整が含まれているかどうかは異なります。
その場合にバランス調整を行うとなれば、追加料金が発生することも覚えておきましょう。
保管時の劣化が早い
交換後のタイヤをそのまま保管する場合、ホイールに取り付けたままのタイヤと比べて早く劣化しやすいことも注意が必要です。
ホイールに取り付けられたタイヤは空気を充填した状態で保管できるため、場所や置き方さえ注意すれば綺麗な形を保つことができます。
一方でタイヤだけを保管する場合、空気を充填できず歪んだ形のまま保管することになります。
空気を充填せず「横積み」にするとタイヤの側面に大きな負荷がかかり、劣化が進みやすくなってしまいます。
履き替えより作業時間がかかる傾向にある
組み換えは履き替えの工程に加えてホイールとタイヤの分離、新品のタイヤの取り付けも必要です。
履き替えよりも工程が多い分工賃も高くなるだけでなく、時間も長引く傾向にあります。
業者に依頼する際は、スケジュールに余裕をもって予約することが大切です。
タイヤ・ホイールすべてを交換するメリット・デメリット
タイヤとホイールのすべてを交換する履き替えにおいても、メリットとデメリットの両方が存在します。
メリット
タイヤとホイールすべてを交換する場合のメリットは、以下の通りです。
ホイールそのまま交換より作業時間が短い
履き替えはホイールとタイヤの分離や取り付けが不要で、少ない工程で作業が完了します。
そのため作業時間も比較的短く、手早く交換を済ませることができる点はメリットです。
具体的な作業時間はタイヤのサイズや仕様によって変わりますが、多くの場合15分程度で済みます。
工賃が安い
履き替えの工賃は、組み換えよりも安い傾向にあります。
作業時間が短い理由と同じく、必要な工程が少ないからです。
費用総額の相場としては組み換えが6,000円程度(4本)であるのに対し、履き替えは2,000円程度(4本)と大幅な節約になります。
タイヤが劣化しにくい
交換したあとのタイヤも再び使う機会がある場合、ホイールごと交換すればタイヤの綺麗な形を保ったまま保管することができます。
横積みでもタイヤに大きな負荷がかからないため、自宅保管しても劣化しにくくなります。
また、タイヤを引き伸ばしてホイールから取り外す必要もないため、交換に伴うタイヤのダメージを最小限に抑えることが可能です。
デメリット
ホイールごとタイヤを交換する場合、主に費用面でのデメリットが発生します。
ホイールとタイヤの購入が必要なため費用がかかる
ホイールごとタイヤを交換するとなれば、タイヤとホイール両方の購入費がかかります。
そのため、初期費用が高くなる点はデメリットです。
しかし劣化のしにくさや割安な工賃などを総合的に考えれば、タイヤとホイールをセットで購入した方がかえってランニングコストが抑えられる場合もあります。
販売店によってはタイヤとホイールのセット購入で割引の対象にもなるため、お得なサービスも積極的に利用すると良いでしょう。
ホイールそのままか、すべてを交換するかどちらが良いのか?
組み換えと履き替えのどちらを選ぶべきかを判断する際に注目したいポイントの違いをまとめると、以下のようになります。
組み換え(ホイールそのまま) | 履き替え(ホイールごと交換) | |
---|---|---|
作業内容 | ・ホイールとタイヤの取外し ・タイヤの分離 ・タイヤの組み付け ・バランス調整 ・エアバルブ交換 ・窒素ガスの充填 ・ホイールとタイヤの取り付け | ・ホイールとタイヤの取外し ・バランス調整 ・ホイールとタイヤの取り付け |
費用(4本) | 6,000円程度 | 2,000円程度 |
メリット | ・ホイールの購入費が不要 ・持ち運びがラク | ・作業時間が短い ・工賃が安い ・タイヤが劣化しにくい |
デメリット | ・タイヤが傷みやすくなる ・タイヤチェンジャーが必須 ・バランス調整が必須 ・保管時の劣化が早い ・作業時間がかかる | ・ホイールの購入費がかかる |
メリットやデメリットなどを理解しても、結局のところ自分にとってはどちらが最適な手段なのか迷っている方もいるはずです。
ここでは、それぞれの手段におすすめな人の特徴をご紹介いたします。
ホイールそのままのタイヤ交換がおすすめな方
ホイールは交換せず、タイヤだけ交換するという手段は以下のような方におすすめです。
タイヤを格安で手に入れられた方
通販などでリーズナブルなタイヤを入手できた場合は、タイヤだけを交換した方がより大きな節約効果を実感できます。
タイヤの購入費用が割安なら、その分だけ「依頼にかかる費用が割高」というデメリットもカバーできます。
現行のホイールを気に入っている方
外観や使い心地などが気に入っており、現状のホイールから変えたくないという方にもタイヤだけの交換がおすすめです。
ホイールが変わるだけでも車全体の印象は大きく変わるため、愛車の見た目にこだわるならタイヤだけを交換しても良いでしょう。
ただし、スタッドレスタイヤに切り替える際は現状のホイールとサイズが合わない可能性があるため、注意が必要です。
タイヤ・ホイールすべての交換がおすすめな方
以下の特徴に当てはまる方は、ホイールはそのままにせずタイヤと一緒に交換することをおすすめします。
工賃を抑えたい方
ホイールごと交換する際の工賃は割安なだけでなく、適切な状態でタイヤを保管できるため買い替えの頻度も抑えられます。
初期費用はかかってもランニングコストは削減されるため、長い目で見るとホイールごと交換した方がお得な可能性があります。
セット購入し、購入費用を抑えたい方
タイヤはホイールとセットで販売されている場合が多く、セット価格として割安な価格で購入することができます。
タイヤだけを交換すると、将来的に劣化が進んだホイールを別途交換するために割高な価格で購入しなければなりません。
そのため、タイヤとホイールを同時に交換した方が購入費用の総額も抑えられる可能性があります。
ENEOSウイングは組み替え、履き替えどちらもOK!
全国各地の店舗でタイヤ交換サービスをご提供しているENEOSウイングでは、タイヤの組み替え・履き替えのどちらにも対応しております。
タイヤに関して豊富な知識を持つスタッフが購入の段階からサポートし、高い技術力を駆使して迅速・正確なタイヤ交換を実施いたします。
事前のご相談により、ご自身で購入されたタイヤの持ち込みや店舗への直送も可能です。
ホイールはそのままにしたい方、ホイールごと交換したい方のどちらも、早い・お得・安心なタイヤ交換ならENEOSウイングにお任せください。
ホイールをそのままにタイヤ交換をする際によくある質問
ホイールをそのままにする場合のタイヤ交換についてよくある質問を、回答と一緒にまとめました。
夏タイヤを交換する場合、ホイールはそのままにしておいた方がいいですか?
同じホイールで夏タイヤとスタッドレスタイヤを使い分けることは可能です。
業者に「組み替え」をしたい旨を伝えて依頼しましょう。
ただし組み替えはタイヤに大きな負荷がかかるため、何度も繰り返すとダメージが進行してゴム切れが発生しやすくなります。
タイヤを長持ちさせたいなら、ホイールはそのままにせず一緒に交換しましょう。
スタッドレスタイヤはホイールも変える必要はありますか?
スタッドレスタイヤに切り替えるときも、ホイールはそのままにして問題はありません。
ただし、ホイールによってはスタッドレスタイヤに対応していない場合があるため、事前に業者へ相談することをおすすめします。
タイヤのホイールはどれぐらい(何年)持ちますか?
アルミ製のホイールなら、10~20年が一般的な寿命と言われています。
ただし雨に濡れたまま放置したり、融雪剤が付着したままの状態が続くと錆が発生して短期間での交換が必要となる場合があります。
また、事故などでホイールに強い衝撃が加わり、クラックや変形が生じた場合は速やかな交換が必要です。
タイヤをホイールにはめることは何といいますか?
タイヤをホイールにはめる作業のことは、「組み付け」と呼ばれることが多いです。
なお、タイヤをホイールから外して新品を組み付けるという一連の作業は「組み替え」と呼ばれます。
まとめ
タイヤ交換はホイールをそのまま残し、タイヤ部分だけを取り替えることも可能です。
ホイールをそのままにすることで、初期費用が安く抑えられる他、外観の印象を変えずに済むというメリットがあります。
しかし、工程上はどうしてもタイヤに負荷がかかるため、何度も繰り返せばタイヤの早期劣化につながる点は注意が必要です。
本記事で解説したメリット・デメリットやそれぞれの手段におすすめな方の特徴をチェックし、ご自身の希望に合うやり方でタイヤを交換しましょう。
タイヤ交換の際は、タイヤに関して確かな知識と技術力をもつENEOSウイングにお任せください。
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