車のガリ傷やこすりキズは、見た目を損なうだけでなく放置することでボディの劣化を早める原因となる厄介なトラブルです。
大切な愛車を守るため、すぐに修理をしたいところですが「どこでどうやって直せば良いの?」と悩む方も多いはずです。
今回は擦ってできた車のキズ修理について、修理方法や修理代の相場、セルフ補修するか依頼するかの判断ポイントなどを詳しく解説いたします。
車のこすりキズはどこで直せる?

車のキズを直す方法としては、大きく「セルフ補修」と「業者に依頼」の2種類に分けることができます。
セルフ補修

市販の傷消し剤を使い、自分でキズを目立たなくする方法です。
近年はタッチペン・スプレー・コンパウンド・パテなど多種多様なアイテムが販売されており、車の状態に合わせたケアを行いやすくなっています。
ただし誤った方法で傷消し剤を使用すると、仕上がりが悪くキズの部分が余計に目立ってしまうことがデメリットです。
業者に依頼する
車の修理について専門的な知識・技術を持ったプロに依頼する方法です。
キズの修理依頼を受け付けている業者は、主に以下の4種類があります。
ディーラー

メーカーの正規代理店であるディーラーは、車のキズ修理も受け付けています。
自社メーカーの車を知り尽くした技術者による整備と、丁寧な対応で質の高いサービスに期待ができます。
その一方、修理は基本的に純正品を使用するため、他の業者よりも料金が高くなる傾向にあります。
板金塗装業者

車の板金塗装を専門とする業者で、ディーラーから修理作業を委託されることもあります。
ディーラーを介さず直接依頼すれば料金は比較的安くなる他、高水準な技術力で作業をしてもらうことができます。
しかし店舗によって技術力の差が大きい場合もあるため、初めて利用する際は慎重に依頼先を選ぶことが大切です。
カーショップ
タイヤ・オイル・カスタムパーツなどカー用品を販売しているカーショップも、車のキズ修理を依頼することができます。
ディーラーや板金塗装業者よりも料金がリーズナブルなこと、ネットから簡単に見積もりを依頼できる使いやすさが魅力です。
一方で店舗によっては対応可能な修理の範囲が限られており、こすりキズよりも深刻な損傷(えぐれキズやへこみキズなど)は依頼を断られる場合があります。
ガソリンスタンド

街の至る所に点在するガソリンスタンドも、店舗によっては車のキズ修理を受け付けていることがあります。
給油や洗車など日常的なケアのついでに依頼することができるため利便性が高く、料金もリーズナブルな傾向にあります。
ただしカー用品店と同じく店舗の技術力によって修理可能な傷の程度が限られている場合があります。
事前に問い合わせ・見積もり依頼をした上で検討するようにしましょう。
セルフか業者へ依頼かの判断ポイント

昨今は市販のキズ修理アイテムが多く販売されているため、依頼の手間や修理費用を抑えるという点から、自分で直せるのではないかと考える方もいるのではないでしょうか。
しかし無理にセルフ補修を行うと、余計にキズを悪化させてしまう可能性もあります。
セルフ補修にするか、業者へ依頼するかはキズの程度から判断しましょう。
小傷ならセルフで補修することも可能

小さな傷であれば、セルフ補修でも目立たなくすることが可能です。
業者と同じクオリティで仕上げることは難しいですが、キズの広がりや錆びなどの防止にはつながります。
セルフ補修をする際は、「キズの状態を見極める」「そのキズに最適なアイテムを使う」という2つのポイントを意識しましょう。
車の傷の深さの見分け方
セルフ補修が可能と判断することができるキズの目安は、以下の通りです。
- 2cm四方程度の小さなこすりキズ
- 凹みのないキズ
- 水に濡らすと目立たなくなる
- 爪で撫でても引っかからない
- 塗装の下地部分は見えない
なお、初めてセルフ補修をする場合は、目立ちにくい場所のキズであることが判断基準として挙げられます。
一方で、以下のようなキズがついている場合はセルフ補修で対処しきれない可能性が高いため、業者への依頼をおすすめします。
- ボディにヘコミや錆びがある
- 塗装の下地部分が見えている
- 広範囲にできている
ただし自分で修理を行う場合のリスクは大きい
セルフ補修は傷を完全に消し去ることはできず、あくまで傷を目立たなくさせる処置にすぎません。
また、セルフ補修をしても良いのか?どんなアイテムが有効なのか?などをキズの状態から判断することは困難です。
判断を誤るとキズが深刻化したり見栄えが悪くなる恐れがあり、高額な費用をかけて修理に出す結果となりかねません。
安全・安心にキズの修理を行うなら業者への依頼が賢明
塗装の下地にまで届く深いキズや広範囲のキズはもちろん、セルフ補修に関する知識・技術に少しでも不安を感じる方は業者への依頼をおすすめします。
なぜなら以下2つの理由が挙げられるからです。
- 余計に傷を悪化させてしまう
- 売却を考えている場合、査定額に影響する可能性がある
初心者やプロではない方によるセルフ補修は、常に失敗のリスクと隣り合わせになるからです。
失敗により状態が悪化したキズの修理費用は、最初から業者へ依頼したときよりも高くなる場合があります。
また、最終的に車を売却しようと考えている場合、セルフ補修によって見た目が悪くなり査定額に影響することも考えられます。
そういったリスクを考慮すると、車にキズができたら迷わず業者へ依頼することが最も賢明な判断と言えます。
車のこすりキズの修理方法

車のこすりキズは、どのように修理を行うのでしょうか。
ここではセルフ補修の場合と業者に依頼する場合に分けて、こすりキズの修理方法をご紹介いたします。
セルフ補修
こすりキズをセルフ補修で対処するにあたって、使われることが多いアイテムは「コンパウンド」「タッチペン」「スプレー」があります。
それぞれの特徴や使用上の注意点について理解しておきましょう。
コンパウンド(研磨剤)

コンパウンドは、細かい粒子で車の表面を削る研磨剤タイプのアイテムです。
爪が引っかからない程度のこすりキズ、線キズなどの補修に適しています。
コンパウンドでのキズ修理方法
この時、キズに対して平行に行き渡らせるように塗布するとムラができにくくなります。
コンパウンドを使用する際の注意点
ボディの表面に砂ボコリや泥などの汚れが付着したままコンパウンドを使用すると、摩擦によりキズが増える恐れがあります。
使用前は必ず洗車を行い、ボディの汚れをしっかりと落としましょう。
タッチペン
細長い棒の先でキズ消し剤を塗布するタイプのタッチペンは、飛び石などでできたごく小さなキズの補修に適しています。
愛車のボディカラーと同じカラーコードのタッチペンを選びましょう。
タッチペンでのキズ修理方法
タッチペンを使用する際の注意点
タッチペンは修理ではなく、キズを隠すためのアイテムなので完全に元通りの状態へ戻すことはできません。
その点を理解した上で使用しましょう。
スプレー
ワンプッシュで広範囲にまでキズ消し剤を塗布することができる、スプレータイプのアイテムです。
広範囲の浅いキズ(塗装表面が削れているようなキズ)消しに適しており、研磨や埋め込みの効果はありません。
タッチペンと同じく、愛車と同じカラーの商品を選び補修します。
スプレーでのキズ修理方法
スプレーを使用する際の注意点
スプレーは周囲に塗料が飛び散るため、小さなキズや線キズの補修には適していません。
また、きれいに仕上げるためには下地処理やクリアスプレーの塗布も必要です。
加えて色ムラ・液だれがしやすく、高度なテクニックが求められます。
業者で修理を行う場合
業者で修理を行う場合、一般的に以下のような手順で修理が行われます。
まずはディーラー・板金塗装業者・カー用品店・ガソリンスタンドなどから依頼先を選びます。
同じ業者でも店舗によってサービスの内容や料金は異なるため、複数の候補から見積もりを取って比較することをおすすめします。
修理にかかる時間はキズの状態や店舗の混雑状況によって異なりますが、作業が完了したら連絡がくるケースがほとんどです。
車のこすりキズの修理はいくらかかる?

車のこすりキズ修理にかかる修理代は、「セルフ補修か業者に依頼するか」「どの業者に依頼するか」などによって大きく変わります。
ここでは、こすりキズの修理における修理代の相場をご紹介いたします。
セルフ補修の場合
セルフ補修に使用するアイテムの費用相場は、以下の通りです。
コンパウンド

| 必要な用具 | 価格 |
|---|---|
| コンパウンド | 200〜3,000円程度 |
| クロスやスポンジ | 100〜200円程度(1つあたり) |
タッチペン
| 必要な用具 | 価格 |
|---|---|
| タッチペン | 200〜5,000円程度 |
| シリコンオフ | 200〜1,000円程度 |
| マスキングテープ | 100〜500円程度 |
スプレー
| 必要な用具 | 価格 |
|---|---|
| スプレー | 200〜3,000円程度 |
| シリコンオフ | 200〜1,000円程度 |
| コンパウンド | 200〜3,000円程度 |
| クリアスプレー | 600〜1,000円程度 |
失敗のリスクが高いぶん、どのアイテムを使っても業者で依頼した場合よりコストを抑えることができる場合が多いです。
業者へ依頼する場合
業者へ依頼する場合の修理代は、以下の通りです。
| 業者 | 価格 |
|---|---|
| ディーラー | 25,000円〜100,000円程度 |
| 板金塗装業者 | 10,000円~40,000円程度 |
| カー用品店・ガソリンスタンド | 20,000円〜60,000円程度 |
業者の種類だけでなく、バンパー・フェンダー・ドアなどキズができた部位も修理代に影響するポイントとなります。
こすりキズの度合いによって料金は大きく変わる
こすりキズの範囲や深さによっては、比較的リーズナブルに依頼が可能な業者でも修理代が大きく異なってきます。
特にドアはキズの度合いに応じてガラスや内部樹脂パーツなど様々な部品の脱着が必要になるため、高額になる傾向にあります。
料金設定の基準は店舗ごとに異なりますが、おおむね10cm単位の広さで料金が変化するケースが一般的です。
深いこすりキズの場合
塗装の下地部分にまで届くような深いこすりキズの場合、業者ごとにかかる修理代の目安は以下の通りです。
| 業者 | 価格 |
|---|---|
| ディーラー | 35,000円~100,000円程度 |
| 板金塗装業者 | 20,000円~40,000円程度 |
| カー用品店・ガソリンスタンド | 30,000円~80,000円程度 |
浅いこすりキズの場合
遠目から見ても目立たない、爪で撫でても引っかからない程度の浅い傷であれば、おおむね以下の金額で修理が可能です。
| 業者 | 価格 |
|---|---|
| ディーラー | 15,000円~50,000円程度 |
| 板金塗装業者 | 10,000円~40,000円程度 |
| カー用品店・ガソリンスタンド | 10,000円~30,000円程度 |
こすりキズの修理に保険は使用できる?
こすりキズの修理は、基本的に他車との事故や悪意があるイタズラが原因の場合に限り車両保険を使うことができます。
自損事故によるこすりキズについては、加入している車両保険の種類によってカバーされないこともあるため事前に保険会社へ確認しましょう。
なお、保険を使用するときは、等級が下がって翌年から保険料が増額することに注意が必要です。
また、免責金額が設定されていると保険を使用しても修理代の一部が自己負担になります。
車のひっかき傷の修理代に関するよくある質問

車のひっかき傷の修理代に関してよくある質問を、回答と一緒にまとめました。
- 車のこすり傷の修理はどこに依頼するのがおすすめですか?
-
同じ業者でも、技術力や料金設定は異なります。
近隣の利用しやすい店舗で評判などを調べながら複数の候補をピックアップし、見積もりを取りましょう。
そのうえで信頼できる実績と技術力があり、なおかつサービス内容と料金のバランスに納得がいく業者を選ぶことがおすすめです。
- 深い白い傷は自分で消せますか?
-
ボディがへこんでいたり、塗装の下地部分まで露出しているような深いキズは市販のキズ消し剤で対処することが非常に困難です。
放置するとボディの劣化にもつながるため、深いキズができたら速やかにプロへ依頼して修理をしてもらいましょう。
- 車のこすり傷や線傷はお湯で消せるって本当ですか?
-
こすりキズや線キズは、基本的にお湯で消すことはできません。
ごく浅いキズであればお湯で温めることで修復を促進させる効果があるとされていますが、ヤケドやケガなどのリスク、車の構造や修理に関する正しい知識が必要です。
お湯によってさらにキズを悪化させる前に、プロへ修理を依頼することがおすすめです。
- こすり傷の修理は何日くらいかかりますか?
-
業者に依頼する場合、10cm以内のこすりキズであれば数時間~半日程度で完了します。
一方で10cm以上の大きなキズや深いキズの場合、1日以上の時間を要することがあります。
なお、ヘコミを伴うキズは1~4日程度、ドアのように作業工程が複雑な部位は5日前後と修理期間が長引きやすいです。
また、店舗の混雑状況によっても異なるため、見積もりを取る際に合わせて修理期間についても確認しておくと良いでしょう。
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まとめ
車のこすりキズは小さく浅いものであれはセルフ補修でも対処が可能ですが、深いこすりキズや広範囲にわたるキズは業者への依頼をおすすめします。
セルフ補修が可能な場合でも、作業に失敗すると状態がさらに悪化する可能性があります。
当初より高額な費用を支払い、修理をし直す結果となるリスクが伴うことに注意が必要です。
修理代はキズの程度や大きさ、依頼先によって異なるため、事前に複数の店舗から見積もりを取ると良いでしょう。
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